第5話 エスケープ・ラン
- 前回のあらすじ
- これは、ペンタゴナという太陽系での物語だ。
- ヘヘッ……。
- 軍人
- 「通行証は?」
- ギャブレー
- 「持っている」
- 軍人
- 「アマンダラ・カマンダラからの紹介?」
- ギャブレー
- 「急いでいる。チャイ殿に取次げ」
- 軍人
- 「待ってな」
- 盗賊の手下
- 「頭、本当に大丈夫なんすかい? この中に入った途端捕まるなんてやなこった」
- 〃
- 「幾ら何でも、盗賊がすぐに正規軍になれる訳はないわ」
- ギャブレー
- 「私に任せておけ」
- 盗賊の手下
- 「ウヒョ〜、べっぴん!」
- 〃
- 「いい、いいね〜」
- ギャブレー
- 「胸を張れ、胸を。最初が肝心だ」
- 盗賊の手下
- 「でもね……」
- ギャブレー
- 「その負け犬根性を捨てろと言っている!」
- チャイ
- 「ギャブレット・ギャブレー? 知らんよ」
- 「そんな、どこの馬の骨か知らん者の取次ぎなど、するんじゃない」
- 「追い返せ」
- アマンダラ
- 「いや、取次いで貰えないだろうか? チャイ・チャー殿」
- チャイ
- 「アマンダラ様……ギャブレーという男をですか?」
- アマンダラ
- 「うむ、身元は私が保証する」
- チャイ
- 「命令変更だ。ギャブレーを私の部屋へ」
- 「……という事です、アマンダラ様」
- アマンダラ
- 「コアム情報師団長、ギワザ・ロワ殿に推薦した若者です」
- 「ギワザ殿は、チャイ殿に就けるのが一番だと仰られまして」
- チャイ
- 「ギワザ閣下が?」
- アマンダラ
- 「取り敢えずは、試しに使うという事で」
- チャイ
- 「分かりました。私の監視下に置いてみましょう」
- アマンダラ
- 「宜しく頼みます」
- 「……そろそろ、ミズン星に発つ時間だったな」
- エイマン
- 「はい」
- 「ダバ・マイロードが持参する手形は、如何致しましょうか?」
- アマンダラ
- 「律儀な若者か。どう動くか見てみたい」
- エイマン
- 「はい」
- アマンダラ
- 「そして、生き延びていれば、次の事を考えよう」
- 「ギャブレー君とマイロード君のゲームを楽しむとするさ」
- チャイ
- 「……馬鹿者、何をしておったのだ!」
- ギャブレー
- 「ギャブレット・ギャブレー、参りました」
- チャイ
- 「ミズン方面の、反乱軍の動きが活発なんだろう、どうなんだ? 情報データ遅いんだよ!」
- ギャブレー
- 「チャイ・チャー司令」
- チャイ
- 「お前の話など聞いておらん!」
- 「……何だ、貴様は?」
- ギャブレー
- 「はい。紹介状であります」
- チャイ
- 「うむ、了解した」
- ギャブレー
- 「有難う御座います」
- チャイ
- 「何をしている? 用が済んだら、とっとと出て行かんか!」
- ギャブレー
- 「はっ!」
- キャオ
- 「あそこかよ、アマンダラの家って」
- アム
- 「でっか〜い」
- キャオ
- 「いつかさ、あれ以上大きい、趣味のいいのに住まわせてやるぜ?」
- アム
- 「イ〜ッだ! 願い下げだわ、あんたなんかに」
- キャオ
- 「あ、つれない言い方」
- アム
- 「私はダバがいいの、ダバがね」
- キャオ
- 「そんな……」
- ダバ
- 「えげつないぞ、アム」
- アム
- 「いいもん〜」
- キャオ
- 「良かないよ」
- アム
- 「いいわよ!」
- キャオ
- 「リリスだって、恋敵になるんだからよ」
- アム
- 「え、まあ! イ〜ッ!」
- キャオ
- 「こんな家の人間なら、百万ギーンぐらい届けなくてもいいんじゃないのか?」
- エイマン
- 「……さて、どう出て来るかな?」
- ダバ
- 「立派な部屋で、人を騙す事は出来ませんよ」
- エイマン
- 「何度も申し上げているでしょう。急用でアマンダラ様はお出掛け……」
- アム
- 「いつ戻ってくんの?」
- エイマン
- 「分かりません」
- アム
- 「貴方、秘書でしょ?」
- キャオ
- 「こんな飯だけで、ここがアマンダラの住まいだって信用する事は出来ないんだよ、ふん!」
- ダバ
- 「ビデオのコピーだって、幾らも出来るしね」
- エイマン
- 「ですが、私……」
- キャオ
- 「百万ギーンの謝礼を、飯で済ますってのか?」
- エイマン
- 「まさか。さ、確認させてください。手形を」
- ダバ
- 「キャオ」
- キャオ
- 「いや、駄目駄目。先に礼を出して貰いたいね」
- アム
- 「そうそう、それが筋だもんね」
- エイマン
- 「ははっ……お礼は差し上げますから」
- アム
- 「見せてもらうまでは、死の商人の言う事は信用ならないわよ」
- エイマン
- 「私共が、死の商人……?」
- アム
- 「随分、阿漕に儲けてるって噂よね〜」
- キャオ
- 「おうさ」
- エイマン
- 「ダバ・マイロードさん」
- ダバ
- 「キャオ、アム、ご馳走のお礼は言ったのか?」
- エイマン
- 「え?」
- ダバ
- 「貴方には渡せません」
- キャオ
- 「そ、謝礼が先よ」
- ダバ
- 「直接、アマンダラさんに渡すのが、死んだ戦士との信義ですから」
- エイマン
- 「しかし、主人はいつ帰るか分からないのですよ?」
- ダバ
- 「構いません。こちらから捜しに行きます」
- エイマン
- 「私だって、行き先は分からないのです」
- ダバ
- 「ミズン星は、戦争が起こりそうだという噂です。そこに必ずアマンダラが居る……違いますか?」
- エイマン
- 「アマンダラ様は、ポセイダル軍と取り引きをなさっているだけの方です」
- ダバ
- 「それだけで、人から死の商人とは言われませんよ」
- キャオ
- 「ども〜、ご馳走様」
- アム
- 「待ってよ、ダバ〜」
- エイマン
- 「……ふん、意外といいフットワークをしている」
- キャオ
- 「へん、信義とか何とか言っちゃってよ。ダバも役者だぜ」
- アム
- 「あんたなんかと出来が違うもん」
- ダバ
- 「俺は、直接アマンダラさんに渡したいだけだ」
- リリス
- 「うふっ」
- アム
- 「あ、ダバがそう思うならやればいいわ。ミズン星に……」
- 「ダバ!」
- ダバ
- 「わっと!」
- 「可笑しいんだよ」
- キャオ
- 「何がさ?」
- ダバ
- 「キャオは、あの手形が現金に出来ないって、正規軍に放り出された」
- 「しかし、今の秘書は、手形を欲しがっていた」
- アム
- 「そう言われりゃ、可笑しいわ」
- ダバ
- 「だから、直接アマンダラに会う必要があるって事だ」
- キャオ
- 「ちょっとちょっとダバ、本気でミズンに行くの?」
- ダバ
- 「そう」
- キャオ
- 「おい……!」
- アム
- 「さっき決めたでしょ?」
- キャオ
- 「決めちゃいないよ」
- アム
- 「決めたの」
- キャオ
- 「ダバ……ちょっと、変な本気は良くないよ」
- ダバ
- 「行くんだよ」
- キャオ
- 「ワークス持って? エルガイム持って?」
- ダバ
- 「そう」
- キャオ
- 「付き合い切れない」
- ダバ
- 「ならいいよ」
- キャオ
- 「分かったよ、あばよ」
- 「俺とお前の仲も、これでおしめぇだな」
- 「え?」
- 「おいダバ、大怪我しても知らねぇからな? 畜生!」
- ダバ
- 「戻ってやるか」
- アム
- 「いいわよ。少しは懲らしめてやりましょ」
- ダバ
- 「それもそうだな」
- アム
- 「あはっ、二人っきり〜」
- ダバ
- 「わっ、アム、やめろ! 前が見えない!」
- 船長
- 「軍人が十一名居るが、これは、荷物ではなく人間だから……」
- ダバ
- 「すみません」
- 船長
- 「何だ?」
- ダバ
- 「一番早いミズン星行きの船は、ここから出るって聞いて」
- 船長
- 「荷物契約したいのかね?」
- ダバ
- 「ワークスとヘビー・メタル、一台ずつを至急」
- 船長
- 「そんな物を運んだら、反乱軍と思われてしまう」
- アム
- 「百万ギーンの手形はあるの。それでも駄目かしら?」
- ダバ
- 「お爺ちゃんに見せたいんだ」
- 船長
- 「第一種通行証さえあればな」
- ダバ
- 「通行証がないからなんだけどな」
- 乗組員
- 「そんなやばい話は駄目だ。さ、出てってくれ」
- アム
- 「ケチ! なら、盗んじゃう、盗んじゃうから〜!」
- ダバ
- 「アム……今、何て言った?」
- アム
- 「え? キャオも居ないしさ……船を盗んで、二人で旅をしようって言ったの」
- リリス
- 「んんっ……!」
- アム
- 「邪魔しないの!」
- ダバ
- 「それも面白いな……」
- アム
- 「え? ダバ、二人きりで旅する?」
- ダバ
- 「違うよ」
- アム
- 「ああん、痛いってば〜!」
- ダバ
- 「どうすれば盗める、アム?」
- アム
- 「え、何を……?」
- 「やだ、冗談だってば」
- ダバ
- 「俺は、自分でも自分の人生を見てみたくなったのさ」
- 「アムなら、手伝ってくれるかなって、思っちゃったりしたんだ」
- アム
- 「困っちゃう」
- キャオ
- 「しっかし、あいつらには冗談も通じやしねんだから……」
- ダバ
- 「あ〜、いい匂い」
- 「早く頼むよ」
- リリス
- 「あっ……!」
- ダバ
- 「輸送船だな」
- アム
- 「でもどうやって? 私達二人きりでは難しいわよ」
- ダバ
- 「キャオが居る」
- アム
- 「追い出しちゃったじゃない」
- ダバ
- 「友達だからな。手伝ってくれるさ」
- キャオ
- 「駄目だ、駄目だ……ここで簡単に戻っちゃ、ダバが付け上がるだけだ」
- 「しかし、アムが居るしな……あいつは俺に気があるようだし、ここは素直に戻るかな」
- 「いや、俺にもプライドってものがある!」
- 「でもな……アムを取るべきか、プライドを取るべきか……そこが問題だ」
- ダバ
- 「何やってんだ、キャオ?」
- キャオ
- 「ひぃぃっ!」
- 「ダ、ダバ……」
- 「ずっとそこで見てたのか……?」
- アム
- 「ううん、今来たところ」
- キャオ
- 「ア、アム……」
- 「ははっ、良かった……」
- ダバ
- 「相談がある、ちょっと来てくれ」
- キャオ
- 「俺は、ダバの為に戻ってきたんじゃないぜ? 俺はな……!」
- アム
- 「お腹が空いたんでしょ?」
- ダバ
- 「魂胆は分かってるんだ」
- キャオ
- 「ちゃうわい!」
- アム
- 「ベェッ!」
- キャオ
- 「俺はね、お前ら二人だけじゃ、エルガイムもワークスも使えないと思うから……」
- ダバ
- 「キャオ、せっかくのスープが冷めちまうぞ?」
- キャオ
- 「あ、スープか、よしよし」
- キャオ
- 「……い、今、何つったんだ?」
- ダバ
- 「上手い……天下一品だよ、リリスの料理は」
- リリス
- 「うふっ」
- キャオ
- 「正気かよ、ダバ……」
- ダバ
- 「正気だよ」
- キャオ
- 「軍の船を盗むって話?」
- ダバ
- 「軍艦はやらないよ」
- キャオ
- 「当たり前だ」
- ダバ
- 「輸送船で我慢する」
- キャオ
- 「当たり前だ」
- アム
- 「あら、怖じ気づいたの?」
- キャオ
- 「冗談じゃない。そんな事したらお尋ねモンだよ? 正規軍に狙われたら、一生軍人にはなれないじゃないか」
- ダバ
- 「俺は、爺さんの言う通りに、約束を守りたいだけだ」
- キャオ
- 「ったく、融通が効かねんだから……」
- 「親父さんは、泥棒になれとは言わなかったぜ、ダバ?」
- アム
- 「何よ、あんただって、手形ネコババしようとしたじゃないの」
- キャオ
- 「今は、そういう話じゃないでしょ?」
- アム
- 「あんたが主義を持ち出すから可笑しいのよ」
- 「ツベコベ御託を並べるんなら、出て行けばいいのよ。二人だけでやるわ」
- キャオ
- 「分かったよ! ま、大怪我しねぇように気を付けな!」
- アム
- 「あ〜ん、二人きり!」
- ダバ
- 「待てよ、キャオ」
- アム
- 「放っときなさいよ、あんな奴」
- ダバ
- 「ああ」
- 「俺は、一度決めた事はやるよ?」
- アム
- 「二人で何とかしてみようよ」
- キャオ
- 「二人で戯れあって……付き合ってられんぜ」
- キャオ
- 「とっておきの情報を持ってきたんだ。取次いでくれよ」
- 軍人
- 「駄目駄目、通行証がなければ、中に入れる事は出来ない。帰れ帰れ」
- キャオ
- 「ったく、頭が固いんだから……ダバと変わらんぜ」
- 「な、俺の情報は得するぜ?」
- 軍人
- 「ここの隊長はな、コアム十三人衆のお一人だ。情報など、お前達のさっき食べた物までお見通しだ」
- キャオ
- 「大袈裟言っちゃって……」
- 軍人
- 「お前達に会っているほど、暇じゃないんだ」
- キャオ
- 「そこを何とかって言ってんだろ?」
- 「ん?」
- 軍人
- 「帰れ、邪魔だ」
- キャオ
- 「チッ……」
- ギャブレー
- 「おい、コソ泥の相棒」
- キャオ
- 「何だと?」
- ギャブレー
- 「ふん、一人でこんな所をうろつくとは。仲間内で何かあったのかね、ミラウー・キャオ君?」
- キャオ
- 「ギャブレット・ギャブレー。てめえ、正規軍のマシンに乗っちゃって、どうしたの?」
- ギャブレー
- 「お前達とは、ココが違うと言うしかないな」
- ギャブレー
- 「ケッ、上手くやりやがって」
- ギャブレー
- 「こんなとこで何やってんだ?」
- キャオ
- 「な、俺の情報を買ってくれよ」
- 軍人
- 「入っちゃいかん!」
- ギャブレー
- 「何だ、情報とは」
- 軍人
- 「貴様……!」
- ギャブレー
- 「私は、チャイの直属だ」
- 軍人
- 「十三人衆の……?」
- キャオ
- 「情報ってさ……」
- アム
- 「頼むわね、リリス」
- 「あっ……」
- ダバ
- 「あっ……リリス、気を付けて」
- 軍人
- 「さ〜、どっちもどっちも……」
- 〃
- 「何だ、ラジコンか?」
- 〃
- 「いや、ありゃ……」
- 〃
- 「ふぁっ……」
- 乗組員
- 「気圧プレッシャー、OK」
- 〃
- 「無線装置、OK」
- 〃
- 「自動管制データ、インプット開始」
- 〃
- 「目的座標ガストガル、発進は予定通り」
- 軍人
- 「これは、ガストガルに降ろすエネルギー・ポッドだ。右側に並べておけ」
- アム
- 「じゃ……」
- ダバ
- 「気を付けろよ」
- 軍人
- 「右側だぞ、いいな?」
- 「次は……」
- アム
- 「丁度いい具合に積み込み遅れてるわね?」
- 軍人
- 「何だよ?」
- アム
- 「空港長がね、この船の荷物を……」
- 軍人
- 「ほら、急げってんだよ」
- アム
- 「再チェックしたいんだって」
- 軍人
- 「今更、そんな事言ったって……」
- アム
- 「積み替えたい物があるんだってさ」
- 軍人
- 「こっちのは載せるぞ?」
- アム
- 「な〜んて言うのは嘘。おじ様、素敵よ」
- 軍人
- 「おい、よせ……!」
- 「あっ……!」
- アム
- 「きゃっ!」
- 「何すんのさ!」
- レッシィ
- 「お前達、そんな事は仕事が終わるまで待てないのか?」
- 軍人
- 「この女がいきなり……」
- レッシィ
- 「ん? 一般人が何故、こんな所に入っている?」
- アム
- 「あのおじ様が誘ったのよ」
- 軍人
- 「こいつは左側だ」
- アム
- 「私を傍に置いときたいって、無理に連れて来られてさ……」
- 軍人
- 「そのワークス、待て! データに載ってないぞ!」
- アム
- 「いけない!」
- ダバ
- 「しまった!」
- 軍人
- 「うっ……!」
- アム
- 「ダバ!」
- 軍人
- 「レッシィ様!」
- レッシィ
- 「何者だ? 反乱軍の者か?」
- ダバ
- 「船のブリッジを」
- アム
- 「私が?」
- ダバ
- 「反乱軍なんて知らないよ」
- アム
- 「嫌なのよね〜」
- ダバ
- 「くそっ……!」
- レッシィ
- 「何をしようって言うのか?」
- ダバ
- 「ちょっと船を借りるだけだってば」
- 「リリスもブリッジへ行くんだ」
- ギャブレー
- 「ん、何だ?」
- キャオ
- 「しまった……ダバの野郎、これじゃ情報も役に立たねぇじゃねえか」
- ギャブレー
- 「キャオ……貴様何故、正門でガタガタしたのか?」
- キャオ
- 「え?」
- ギャブレー
- 「情報とは、この事だったんだな?」
- 「ダバ・マイロードなのか、あれは?」
- 盗賊の手下
- 「頭、十八ゲートの船が狙われてるらしいぜ。今、チャイ・チャー殿が出撃しました」
- ギャブレー
- 「頭ではない。隊長と呼べ」
- 盗賊の手下
- 「へ、へぇ」
- ギャブレー
- 「これでお前もお仕舞いだな」
- キャオ
- 「何でだよ? おりゃ何もやってないぜ?」
- ギャブレー
- 「犯罪者の仲間だな」
- キャオ
- 「ええい、ダバの野郎……早く仕掛け過ぎて、俺の計画をぶち壊しやがって」
- 軍人
- 「おい、外で撃ち合いをやってるぜ?」
- 〃
- 「どうせ、模擬訓練だろ?」
- 「よし、酸素システムOKだ」
- 〃
- 「ああ」
- アム
- 「動かないで!」
- 「模擬訓練だけど、真剣にやってね?」
- 軍人
- 「な、何で、こんな忙しい時に……?」
- アム
- 「反乱軍の侵入に対しての訓練よ。十三人衆のチャイ・チャーの命令でね」
- 「さ、ブリッジへ」
- 軍人
- 「あ、あぁ……」
- チャイ
- 「コソ泥め、逃がすな!」
- 「どの道、ミズンの反乱軍と、こうした手合いが……!」
- ダバ
- 「やっぱり一人ってのはキツイな。キャオでも居りゃ……」
- チャイ
- 「やったか?」
- ダバ
- 「キャオの奴、どこで遊んでるんだ?」
- 「悪いけど、少し派手にやらせてもらうよ。十三人衆ってのは動きが早過ぎるんだから」
- チャイ
- 「何? このヘビー・メタル、動くのか!」
- ダバ
- 「新手か」
- 「手強い……誰だ?」
- ギャブレー
- 「チャイ・チャー司令」
- チャイ
- 「ギャブレットか」
- ギャブレー
- 「ここは、私にお任せを。アローンは慣れております」
- チャイ
- 「上手くやってみせろ」
- ダバ
- 「来た!」
- 「しまった、流石軍用だ。パワーが違う」
- ギャブレー
- 「ダバ、今度は本物のコソ泥か?」
- ダバ
- 「ギャブレット・ギャブレー、いつの間に正規軍に……」
- ギャブレー
- 「俺とお前は、器が違うのだよ、器がな」
- ダバ
- 「ふん、それはどうかな」
- キャオ
- 「ダバ、何やってんだよ〜?」
- 「早過ぎんだよ、早過ぎんの。せっかくギャブレーの気を引こうとしたってのによ」
- 軍人
- 「うわぁぁっ!」
- 〃
- 「うおぉぉっ!」
- レッシィ
- 「やれやれ、一機のヘビー・メタルに……」
- 「付いておいで」
- 軍人
- 「はっ!」
- アム
- 「ダバ、早く……ライフルを構えてるのも辛いんだから」
- リリス
- 「あっ……!」
- アム
- 「ダバ?」
- 「動いちゃ駄目よ!」
- レッシィ
- 「うっ……!」
- アム
- 「動くんじゃない!」
- 軍人
- 「あぁっ……!」
- リリス
- 「あ、ああんっ!」
- アム
- 「リリス……まだ、ダバは乗ってないんだよ?」
- キャオ
- 「ダバ……!」
- ダバ
- 「船が……俺、まだ乗ってないんだぜ?」
- ギャブレー
- 「宇宙船がなければ、遠慮せずに撃てるんだが……」
- ダバ
- 「アム、俺を置いていくのか?」
- アム
- 「止まる方が危険でしょ? 飛び移りなさい、エルガイムのパワーで!」
- キャオ
- 「アム!」
- ダバ
- 「ええいっ!」
- ギャブレー
- 「馬鹿め、今更間に合うか」
- ダバ
- 「頼むぞ、エルガイム」
- 「うわぁぁっ!」
- ギャブレー
- 「そんな馬鹿な……この高さを飛び上がるヘビー・メタルがあるのか?」
- ダバ
- 「ちょっと本気になればね」
- 「はぁ……」