第11話 ジェラシー・ゲーム
- 前回のあらすじ
- ペンタゴナという、太陽系の辺鄙な惑星コアムから、物語はミズン星に移って大分経つ。
- ダバと俺は、ステラの使いっぱしりをさせられて、アマンダラに会い、
- 挙句の果てが、反乱軍のベース、リトル・セイに移動しつつ、正規軍とドンパチです。
- 反乱軍
- 「後ろ、ガラ空き!」
- 正規軍
- 「わっ、わっ……!」
- ダバ
- 「各員、この辺りの正規軍を追い払うだけでいい。深追いはするな」
- 反乱軍
- 「突っ込め〜!」
- 正規軍
- 「もっと速く走れないのかよ?」
- 〃
- 「追い付かれちまうじゃないか!」
- ステラ
- 「ベティ・エリアの人々に告げる。我々は、このエリアのポセイダル軍を撃退した」
- 「ポセイダル軍の不当な抑圧から解放され、我々は今、自由を勝ち取ったのだ!」
- 反乱軍
- 「自由は勝ち取れる!」
- アム
- 「その通り!」
- ステラ
- 「オルドナ・ポセイダルの独裁によって、民主的王朝制は破壊された。しかし、もう我々は我慢しない」
- 「軍人以外は人ではないというポセイダルのやり方は、許す事は出来ない!」
- 民間人
- 「……堪んねぇな、正義面で戦争やってよ」
- 〃
- 「戦争なら、他でやってくれって……」
- アム
- 「ステラさんの言う通りよ!」
- リリス
- 「あはっ!」
- キャオ
- 「ひひっ、上手く描いたろ?」
- レッシィ
- 「キャオ、遊んでないでさっさとやってしまいな」
- キャオ
- 「けっ、こんな分捕ったヘビー・メタル、を塗り替えて使うなんて……」
- アム
- 「……しかし、今のままで戦い方がいい訳がない! これからは、もっと積極的に出るべきである!」
- ステラ
- 「その通りだ!」
- レッシィ
- 「あっ……」
- キャオ
- 「あっ!」
- ステラ
- 「戦利品の金だ! 自由に使ってくれ!」
- キャオ
- 「俺も……!」
- ダバ
- 「……あんな事は、昔の王朝貴族の悪い癖じゃないか。いつか人々の反発を買うな」
- アム
- 「キャオ、お金の独り占めはいけないよ。みんなに……」
- 「あ、やっぱりあの二人……!」
- ステラ
- 「アム」
- アム
- 「え?」
- ステラ
- 「自信失くしたのかね?」
- アム
- 「ううん。私、心底ステラさんの役に立ちたいのだけれど、どうしたらいいか分からないの」
- ステラ
- 「君を銃殺しようとした私に?」
- アム
- 「いえ、あれは男らしい決断でしたわ」
- ステラ
- 「アム、君のやる事は私が考えてあげる」
- アム
- 「有難う、ステラさん! アム、幸せ!」
- レッシィ
- 「……手伝おうか?」
- ダバ
- 「そっちのパネルを取ってくれ」
- 正規軍
- 「うぅっ……!」
- ギャブレー
- 「ふん、たかが少数の反乱軍にな……」
- 「担架を急がせろ」
- 「全く、腐り切ったポセイダルの地方軍の、証明という所だな」
- 「ん?」
- 「あれが、ヘビー・メタルか……?」
- 「あのお方、確か、軍の広報カードで見た事がある」
- アントン
- 「我々で一挙に蹴散らしますか?」
- ネイ
- 「追えば散って逃げる。それがゴキブリの習性だ。私達が無駄骨を折る必要はないな」
- 「ここは、チャイ・チャーに任せればいい」
- ギャブレー
- 「お待ちください!」
- 「ネイ・モーハン殿とお見受け致します」
- アントン
- 「何だ?」
- ギャブレー
- 「はっ、ご報告しておきたい事がございます」
- アントン
- 「報告ならば、ここの指揮官を通すのが……」
- ネイ
- 「聞こう」
- ギャブレー
- 「はい」
- ネイ
- 「ん?」
- ギャブレー
- 「ベティ・エリアのボートは、現在、この基地を襲えるほどの武器を保有しておりません」
- 「という事は、彼らは近々、どこかで武器調達を行うに違いありません」
- ネイ
- 「うむ」
- ギャブレー
- 「私に、この付近に入港する船のチェックの出来ますように……」
- ネイ
- 「部下は居るのか?」
- ギャブレー
- 「はい」
- ネイ
- 「分かった。私から、ギワザ殿の許可を貰おう。それでいいな?」
- ギャブレー
- 「はっ!」
- アントン
- 「何故、あんな若造の願いを……」
- ネイ
- 「いい目をしている」
- アントン
- 「はっ……?」
- ネイ
- 「いい瞳をしていた……私好みのね」
- 正規軍
- 「……へへっ、あの女は無理ってもんだぜ?」
- ギャブレー
- 「何?」
- 正規軍
- 「あの方は、十三人衆のギワザ殿と、いい仲なんだってよ」
- ギャブレー
- 「貴様らぁぁっ!」
- 正規軍
- 「うわっ!」
- 〃
- 「うぐっ!」
- ギャブレー
- 「ふん、グライアとアローンをスタンバイさせろ! 出動する!」
- 「ふふっ……やっほう!」
- アム
- 「私が、この作戦の隊長として、貴方がたを指揮します」
- 「ミノト港のクイーン・マミ号に接触して……」
- ダバ
- 「襲うの?」
- アム
- 「違うわ。この間は、武器を運べなかったじゃない」
- 「また、アマンダラさんが手配してくれたんだってさ」
- ダバ
- 「また、アマンダラか……」
- レッシィ
- 「反乱軍の影の指揮官……」
- アム
- 「余計な事、考えないの!」
- 「ダバ、出動するわよね?」
- キャオ
- 「俺やる! アマンダラには貸しがあるもんね」
- レッシィ
- 「そうね」
- キャオ
- 「よっしゃ」
- アム
- 「こら!」
- キャオ
- 「ん、何すんだよ?」
- アム
- 「リーダーは、私だよ?」
- キャオ
- 「誰がそんな事決めたんだよ?」
- アム
- 「ステラさんだよ」
- キャオ
- 「ああいうの、アムに似合わないよ? 身分の違いっていう奴でさ、捨てられるのが落ちなんじゃないの?」
- キャオ
- 「あ、イタッ……!」
- アム
- 「万年振られ男が何言う?」
- キャオ
- 「何だと?」
- アム
- 「イヤ〜ン、ベェッ……!」
- 「鶏冠頭が何言ってんだい!」
- キャオ
- 「この、ビラビラターバンが……!」
- 反乱軍
- 「……アマンダラに近付けて大丈夫ですか? レッシィって女は正規軍みたいですよ?」
- ステラ
- 「万一の場合の手は打ってある」
- 反乱軍
- 「本当に大丈夫なんでしょうね、あいつら?」
- ステラ
- 「私には分からん」
- 正規軍
- 「ありました。積荷が二重底になっていて、その中に……」
- ギャブレー
- 「そうか」
- 「軍に無届けで武器を積んでいる罪は重い」
- 「連行して、聞き出せるだけの情報を取れ」
- 正規軍
- 「はっ!」
- 〃
- 「ほら、歩け!」
- ギャブレー
- 「こうも早く、網に掛かるとはな……」
- 盗賊の手下
- 「頭、用意はいいぜ?」
- ギャブレー
- 「お前ら……いつまで盗賊気分で居るんだ? 隊長と言えと言ったろ!」
- 盗賊の手下
- 「はい、隊長」
- ギャブレー
- 「いいか、手筈通りに動けよ」
- 盗賊の手下
- 「へ、へぇ!」
- ギャブレー
- 「分かったら、さっさと行け!」
- 盗賊の手下
- 「へ、へぇ!」
- ギャブレー
- 「私の働きぶりが、ネイ・モーハン殿のお目に止まれば……」
- 「うわぁぁっ!」
- ダバ
- 「キャオ、ワークスを頼んだぞ」
- アム
- 「居眠りするんじゃないのよ?」
- レッシィ
- 「いいわよ、ダバ」
- アム
- 「こら……!」
- ダバ
- 「アム、落ちるなよ」
- アム
- 「落ちないわよ」
- ダバ
- 「よし、行くぞ!」
- アム
- 「ヒェッ……!」
- キャオ
- 「落ちろ落ちろ、定員オーバーだぞ!」
- 反乱軍
- 「ここまでは順調だな……」
- 〃
- 「奴らの手柄になるんですか?」
- 〃
- 「ステラ同志の命令以上の事をやって、怪我するのは損さ」
- 〃
- 「そりゃそうだ」
- ダバ
- 「どの船だ?」
- アム
- 「南ゲートの近く……信号を送ってきてる筈よ」
- 「あれだ」
- 「私が様子を見てくる。ダバは待機してて」
- レッシィ
- 「私は、ダバとここに居るから……」
- アム
- 「あんたは一緒に来るの!」
- 「合図したら来てね」
- ダバ
- 「了解した」
- アム
- 「行くよ、これ持って」
- レッシィ
- 「え?」
- アム、レッシィ
- 「わぁぁっ……!」
- ダバ
- 「あっ……!」
- レッシィ
- 「だ、大胆ね、見付かったらどうすんの?」
- アム
- 「リーダーに逆らうのか?」
- レッシィ
- 「ド素人がリーダー気取りっての、怖いわ〜」
- 「お先に!」
- アム
- 「あっ、待ちなさいよ!」
- 「リーダーは私だよ!」
- レッシィ
- 「任せらんないって言ってんでしょうが!」
- アム
- 「あんたこそ引っ込め! 私とダバの前から消えちまえ!」
- レッシィ
- 「焼き餠! こんな時に私情持ち込むなんて、最低!」
- アム
- 「髪型変えたぐらいで、色気が出ると思うな!」
- アム、レッシィ
- 「あっ!」
- 正規軍
- 「……ん?」
- アム
- 「ふぅっ、危なかった……」
- レッシィ
- 「早く降りろ」
- アム、レッシィ
- 「わっ……!」
- リリス
- 「ふぁっ……」
- ダバ
- 「リリス、二人の時間が掛かり過ぎる」
- 「リリス……!」
- リリス
- 「んっ……」
- ダバ
- 「宜しく」
- アム
- 「……あれ?」
- レッシィ
- 「ヒュッ!」
- アム
- 「可愛くないわね〜」
- 「ご苦労様、私、ステラさんの使いで……」
- 盗賊の手下
- 「遅かったじゃねぇか」
- 「おま……アムじゃねぇか!」
- アム
- 「え? あんた、リーリン姐さんとこに居た……」
- レッシィ
- 「アム、これは罠よ!」
- アム
- 「え?」
- 盗賊の手下
- 「中に入れろ!」
- リリス
- 「あぁっ……!」
- ダバ
- 「キャオ! おい、キャオ!」
- キャオ
- 「ん、何だよ?」
- ダバ
- 「アムとレッシィが捕まった」
- キャオ
- 「どうして? 話が付いてたんだろうが?」
- ダバ
- 「エルガイムで出る。スタンバイしてくれ」
- キャオ
- 「ん、分かんねぇな」
- ダバ
- 「急げよ!」
- キャオ
- 「あいよ」
- レッシィ
- 「うっ、うぅっ……!」
- アム
- 「痛いじゃないか。痛いってば。か弱い少女に、何て残酷な事すんのよ!」
- 盗賊の手下
- 「素直に仲間をここに呼び出しゃいいんだよ」
- アム
- 「ベェッ! 盗賊の癖して、正規軍なんかになって、リーリン姐さんが聞いたらさぞ喜ぶだろうよ!」
- 盗賊の手下
- 「おい、やれ」
- 盗賊の手下
- 「へぇ」
- レッシィ
- 「あっ、あぁっ……!」
- アム
- 「あっ……」
- 盗賊の手下
- 「あれ以上、残酷になってもいいのかよ?」
- アム
- 「いいよ。その人、始めから私達の仲間じゃないもん」
- レッシィ
- 「アム! あんたって女は……!」
- アム
- 「リーダーは仲間を守らなきゃね」
- レッシィ
- 「そうまでして、ダバを独り占めしたいの?」
- 盗賊の手下
- 「やかましい!」
- 「こいつは俺達も裏切った女だ。この手は通用しないって事だ」
- アム
- 「な、何よ……?」
- 「そんなもん、怖くないよ」
- 盗賊の手下
- 「怖くしてあげるぜ、アムちゃん」
- ダバ
- 「うわっ!」
- キャオ
- 「うわっ、くっ……!」
- ダバ
- 「キャオ、ドッキングする。ランチング・レールを上げろ」
- キャオ
- 「スピリッツが邪魔になんないか?」
- ダバ
- 「上手くやるよ」
- キャオ
- 「よーし、行くぜ」
- ダバ
- 「リリス、ワークスへ戻ってくれ」
- リリス
- 「うん」
- ダバ
- 「ドッキング・センサー!」
- キャオ
- 「フック外すぞ」
- ダバ
- 「やってくれ」
- キャオ
- 「ダバ、ちゃんと降りた?」
- ダバ
- 「大丈夫だ。ランチャーを出すぞ」
- キャオ
- 「スピリッツで出んのか?」
- ダバ
- 「いや、ライト・ブースターでいい。キャオはこのまま、空港のゲートへ向かってくれ」
- キャオ
- 「了解」
- アム
- 「あっ、あぁっ……!」
- 「な、何すんのよ」
- 盗賊の手下
- 「ヘヘッ……」
- アム
- 「やめて。お金あげる。武器を買うお金があんの。それあげるから、許して」
- 盗賊の手下
- 「ふざけんな! 俺達は、もう盗賊じゃねぇんだ!」
- アム
- 「ああんっ! いや〜ん!」
- ダバ
- 「今助けるよ」
- ギャブレー
- 「掛かったな、ゴキブリめ……」
- 「仕掛けろ!」
- ダバ
- 「そこか!」
- 「来る!」
- ギャブレー
- 「エルガイム、率先して出て来てくれて、感謝するぞ」
- ダバ
- 「人質を取るなんて余り美しくないな、ギャブレー君」
- ギャブレー
- 「やかましい!」
- 「迂闊に近付くな。エルガイムの射撃の腕は、お前達より正確だ」
- 盗賊の手下
- 「色っぽくなったじゃねぇか、アム」
- 正規軍
- 「おい、ヘビー・メタルが来るぞ!」
- 盗賊の手下
- 「いい所だったのにな」
- アム
- 「あ〜んっ!」
- 盗賊の手下
- 「おっと」
- レッシィ
- 「ダバが来てくれたの?」
- 「私には、関節外しくらい出来るんだから」
- 「よいしょっと」
- アム
- 「ちょっと、こっちも解いてよ」
- レッシィ
- 「さっきはあんたが、人を見殺しにしようとした癖に」
- アム
- 「殺すつもりはないわ。私の気持ちを言っただけ」
- レッシィ
- 「そうかい?」
- アム
- 「あっ……嘘嘘、ごめんなさい! レッシィ!」
- 「お願い助けて、お姉様〜!」
- レッシィ
- 「この貸しは大きいよ?」
- アム
- 「はい、お姉様」
- ダバ
- 「キャオ、まだか?」
- キャオ
- 「お待たせ、只今到着」
- 正規軍
- 「うわっ……!」
- キャオ
- 「おら、どけどけ〜!」
- 反乱軍
- 「援護はまだか? この程度じゃ、あいつらの実力は分からんからな」
- 正規軍
- 「急げ! 船を発進させるぞ!」
- アム
- 「わっ!」
- 正規軍
- 「おっ……何だ?」
- 「わっ!」
- アム
- 「あのね、女の胸見て『何だ』はないだろ?」
- レッシィ
- 「未成熟ならしょうがないでしょ」
- アム
- 「私にも武器を頂戴」
- レッシィ
- 「女の武器があるでしょ?」
- アム
- 「未成熟なのよ!」
- ダバ
- 「後は、ギャブレーだけ……!」
- 「ん?」
- ギャブレー
- 「何?」
- ダバ
- 「ん?」
- ギャブレー
- 「ん?」
- ネイ
- 「ギャブレー、戦い方がまだ甘いね」
- アントン
- 「我々が援護に出ます」
- ネイ
- 「いや、私が出よう。このオージェの実戦テストには、丁度いい相手だ」
- 「お前達はここで待機していろ。手出しは無用だ」
- ダバ
- 「飛んだ!」
- キャオ
- 「何〜?」
- ギャブレー
- 「ネイ・モーハンが……!」
- ダバ
- 「ランド・ブースターなしで飛べる?」
- ネイ
- 「ふふっ、流石、ギャブレーが梃子摺るだけはある」
- ダバ
- 「うっ……!」
- ネイ
- 「ふふっ……」
- ギャブレー
- 「ダバ・マイロードめ……!」
- 「おい待て、そのアローンを貸せ!」
- アム
- 「キャオ!」
- キャオ
- 「レッシィ、ダバが危ないんだ。スピリッツで出てくれ」
- レッシィ
- 「ダバが?」
- アム
- 「待って、私にやらせて」
- レッシィ
- 「あんたじゃ操縦出来ないだろ?」
- アム
- 「出来る、出来るわ!」
- 「私のせいで、皆を危ない目に遭わせたんだもの。だから、お願い……!」
- レッシィ
- 「分かったよ。行きな!」
- アム
- 「有難う、レッシィ!」
- レッシィ
- 「キャオ、ワークスを中へ入れて! 船を出すよ!」
- キャオ
- 「アムがやんの?」
- アム
- 「そうだよ」
- キャオ
- 「出来んのか?」
- アム
- 「ヒヒッ、劇団上がりはちゃうね。レッシィばっかりにいい格好させてたまるか!」
- 「秘密の特訓したんだから」
- 「あはっ、やれるじゃない、私にだって!」
- 「あっ、あれ〜?」
- ダバ
- 「うぅっ……!」
- ネイ
- 「これまで!」
- ダバ
- 「幾ら何でも、そこまでだろ?」
- ネイ
- 「まだあるんだよ、悔しいね!」
- ダバ
- 「一体、何本隠してんだ?」
- アム
- 「ダバ、掴まって!」
- ネイ
- 「やるじゃないか!」
- ダバ
- 「レッシィ、もっとスピード上げて!」
- アム
- 「レッシィじゃないわよ! 私!」
- ダバ
- 「ごめん、アムか!」
- 「アム、もっと速く! こっちのライト・ブースターは、バッテリー・ダウンだ!」
- ネイ
- 「せめて、顔ぐらい見ておきたかったよ!」
- ダバ
- 「わぁぁっ!」
- アム
- 「ダバ〜!」
- ネイ
- 「何だ?」
- ダバ
- 「ん、船が……!」
- レッシィ
- 「ダバ……!」
- 「ネイ・モーハン! 私は、あんたが来たお陰で下っ端にさせられた、ガウ・ハ・レッシィだ!」
- ネイ
- 「ガウ・ハ・レッシィ? ふふっ、ギワザ・ロワウに、媚び媚びを売ってた嬢ちゃんかい?」
- レッシィ
- 「ここをご覧。私はあんたの部下を捕虜にしている。この場は、黙って引き上げた方が良くはないか?」
- キャオ
- 「言う通りにしないと、こいつら突き落とすぞ」
- レッシィ
- 「部下を見殺しに出来るほど無能じゃないんでしょ?」
- ギャブレー
- 「何をしているんだ?」
- ネイ
- 「私がここでランチャーを撃てば、お前達も死ぬと分かっての交渉か?」
- レッシィ
- 「これ以上、嬢ちゃん呼ばわりされるよりはね」
- ネイ
- 「いい覚悟だ」
- キャオ
- 「え? おい、レッシィ……!」
- レッシィ
- 「どうする、ネイ・モーハン!」
- 「あっ……」
- キャオ
- 「レ、レッシィ、責任取れよ?」
- 盗賊の手下
- 「わっ……!」
- ネイ
- 「ふふっ、いいだろう」
- 「が、その代わり、レッシィは私を敵にしたという事だ」
- レッシィ
- 「分かっています、ネイ・モーハン」
- ダバ
- 「レッシィ、有難う」
- 「ネイ・モーハン、怖い女だな……」
- 反乱軍
- 「これで奴らの手柄になりますね……どうします?」
- 〃
- 「見た通りを、ステラ同志に報告するだけだ」
- ギャブレー
- 「ネイ・モーハン殿、何故……?」
- ネイ
- 「女同士の話があった。男のお前の口にする事か」
- 「それに、取るに足らぬ反乱兵を叩いた所で、意味がない」
- 「武器の方は、運び出したのだろう?」
- ギャブレー
- 「は、はい」
- 「ん……?」
- 盗賊の手下
- 「アムに行っとけ! 今度会ったら、タダじゃおかねえってな!」
- ダバ
- 「ああいう洒落たもんがあると、静かでいい」
- キャオ
- 「おい、武器がリストの半分しかないぞ?」
- ダバ、レッシィ
- 「え?」
- キャオ
- 「ギャブレーの野郎だ。半分猫糞しやがったんだ」
- ダバ
- 「俺達が甘かったんだ。迂闊な行動をし過ぎたんだ」
- キャオ
- 「俺は何にもしてないぜ? アムだろ、そりゃ」
- レッシィ
- 「アム?」
- キャオ
- 「どこ飛んでったんだ、あいつ?」
- アム
- 「降ろして〜!」