第35話 軍隊みつけた

前回のあらすじ
支配階級イノセントと、支配される者シビリアン……
その間にも、時代の流れともいうべき変化が起きようとしている。
想いが深くあればこそ、男一匹命を賭けて、走りに走り駆けに駆け、エルチ何処と一直線。
例え想いが届かぬとても、それが男のしのび恋。
キッド・ホーラの攻撃も、一途な想いで突破して、進む姿の弄らしさ。
男命が儚く消えて、例え氷河に埋まろうとても、これが男の浪漫なら、女に分かる筈もない。
カシム
「その後の軍隊の編成状況はどうなんだ、ビラム?」
「シビリアンの暴動が想像以上に激しくて、既に幾つもの上納ポイントが破壊されてるようだが」
ビラム
「一両日中には試験的に幾つかの隊を出す事は出来ます」
「しかし、軍隊という物がどうもよく分かりません」
カシム
「尤もだ。過去の軍隊の資料を整理させて、早速そちらへ回させよう」
アーサー
「カシム」
カシム
「はっ」
アーサー
「私は飽くまで、局地戦という考え方をしたいが」
「大きな編成の軍は不味い」
カシム
「承知致しております」
「で、ドワス一人に任せ切りで大丈夫なのか?」
ビラム
「私も監督致しております」
カシム
「速やかに、アーサー・ランク様の心配を払ってやってくれ」
ビラム
「十分心得ております」
アーサー
「それと、ジロン・アモスかアイアン・ギアーを発見次第、回線を私に回すように」
ビラム
「はっ……間違いなく」
ジロン
「止まれ! 引き返すんだ、ファットマン!」
「一人でエルチを助けようなんて、無茶だって分かってんだろ?」
ラグ
「ははっ、カタカム! あんた口だけじゃなかったんだね。またウォーカー・マシンを増やしたじゃない」
カタカム
「思ったよりは集まったよな」
「しかしソルトの力は、まだこんな物ではない」
ラグ
「流石カタカム! ソルトのリーダー!」
カタカム
「しかし、戦いはまだまだこれからだよ」
「カタカム・コール!」
コトセット
「ヘッ、笑わせるなって。道具が揃ったって付け焼刃で操縦がこなせるもんか」
「実戦は遊びじゃないんだ!」
チル
「あっ、ジロンだ!」
ラグ
「ジロン?」
カタカム
「戻ってきたのか」
チル
「ジロ〜ン!」
ダイク
「トラッドも一緒だ」
チル
「ジロ〜ン!」
「ねえね、ファットマン連れてきたわさ!」
ダイク
「もう分かってるよ」
チル
「痛い! 何すんだわさ」
ダイク
「ほら」
チル
「ん?」
ジロン
「今戻った」
カタカム
「ガソリンの無駄遣いはやめて欲しいな」
ジロン
「悪かったよ」
「やめろ、ファットマン。こいつの言う事なんか気にするな」
「チャンスが来るまで我慢するんだ。その時は俺も必ず手を貸すから。いいな、ファットマン?」
カタカム
「この辺りの地図だ。この船にはなかろう?」
ラグ
「へぇ、上納ポイントのHポイントがある」
ジロン
「ここにエルチが連れ込まれたってのか?」
カタカム
「情報ではな」
ジロン
「あ、ファットマンが走っていった方角じゃないか。流石にファットマンの鼻は確かだ」
ラグ
「ジロン、いい加減にエルチエルチより、カタカムの手伝いをするのが先でしょ?」
ジロン
「俺はアイアン・ギアーと手を切るなんて言ってないぜ?」
ラグ
「自分の為にギャリアを使うなんて困るんだよ。少しはカタカムの言っている使命感に目覚めたら?」
ジロン
「自分の為じゃない! エルチの為だ!」
チル
「あ〜っ!」
カタカム
「貴様……!」
ジロン
「アイアン・ギアーの艦長はエルチなんだ。あんたなんかに任せる気はないな」
カタカム
「な、何とも頑丈な……」
ジロン
「そうよ」
カタカム
「我々の目的は究極的には同じなんだ。内輪揉めの必要はない」
「ビリンが偵察から戻ったら、すぐ作戦を立てる」
ジロン
「ビリンを? 一人で偵察に出したのか?」
カタカム
「いけないかね?」
ジロン
「べ、別に……」
カタカム
「ふっ、ガードは付けたさ」
コトセット
「あ〜あ、頭でっかちの作戦って……」
「アイアン・ギアーもエルチお嬢さんの持ちもんだぜ? 守り抜いてお嬢さんを迎えようって気になれんのか?」
ソルト・メンバー
「こちらからもブレーカー達が来るな」
 〃
「あっ、こちらからも2機ウォーカー・マシンが来る」
ビリン
「イノセントがブレーカーを集めてるって、本当だったのね」
「でも、イノセントがあんなにブレーカーを集めるなんて、おかしいわ」
ソルト・メンバー
「またイノセントの飛行機だ」
ビリン
「ねえ、どうします? 山越えしてHポイントの方の偵察します?」
ソルト・メンバー
「いや、この事をカタカムに報せておく必要があるな」
ビリン
「そうね。あの洞窟の中に何があるのかも調べた方がいいし……」
ソルト・メンバー
「あ、ランド・シップだ。アイアン・ギアーに似ているな」
ビリン
「何をしようとしてるのかしら?」
ビリン
「おっと」
ジロン
「やあ、ビリン。お疲れ。どうだった?」
ビリン
「イノセント、変なのよ」
ジロン
「はりきり過ぎると早死にするぞ?」
ビリン
「心配してくれんなら、もっと協力してよ」
ジロン
「ああ、そのつもりでギャリアの整備もやっている」
ビリン
「あら、エルチさんエルチさんってやってんじゃないの?」
ジロン
「馬鹿……あっ」
ビリン
「ふふっ、あははっ……!」
ジロン
「笑うな! 俺は、お前みたいなのがピンシャカするのを見ていられないんだよ」
ビリン
「ベェッ! 嘘、馬鹿にしないで」
「あっ、いけない!」
「キャッ!」
ジロン
「ははっ! 見ろ、言わないこっちゃない!」
「うっ、パターンだぞ……!」
ブレーカー
「軍隊だって盛んに言ってるけど、俺達どうするつもりだ?」
 〃
「みんなよくやるよ」
 〃
「金をくれるってんなら、ドンパチやらせりゃいいのによ」
ドワス
「貴様ら!」
ブレーカー
「わっ!」
ドワス
「何を怠けとるか! 隊へ戻らんと金は出さんぞ!」
ブレーカー
「あんたよ。威張り腐ってるけど、軍隊ってのやった事あるのかい?」
執政官
「な、何をする……放せ!」
ブレーカー
「うるせぇ!」
 〃
「やっちまえ!」
ドワス
「教官に向かって何をするか! 軍に入ったのならば、教官の命令は絶対だ!」
ブレーカー
「金をくれるからって、これはねぇだろ?」
 〃
「何かやれって言えば体張ってやるよ。それを駆けっこやらされたり、番号ばっかじゃ分かんねえじゃねぇか!」
ドワス
「口答えは許さん!」
ブレーカー
「分かんねえイノセ……あっ!」
ドワス
「ん?」
キャローン
「ふふっ、イノセントのやり方も甘いもんだね」
ドワス
「お、キャローン・キャルか。いつもながら大した腕だな」
キャローン
「言ったろ? 私達……」
ブレーカー
「女の癖に、こいつらの肩持つ気か?」
ビラム
「そこまでだな。キャローン・キャルか。良い能力を持っているようだな」
キャローン
「金をくれた分だけは働いてやるって事さ。私は真面目だからね」
ビラム
「結構だ。すぐにでも働いてもらおう。暫く休んでいてくれ」
キャローン
「分かったよ。あたいの好きにしていいってならね」
ビラム
「勿論だ」
キャローン
「おい、聞いたかい? ドンパチ出来るよ!」
ビラム
「……かなり梃子摺るようだな」
ドワス
「はっ。軍隊というものが今一つ分かりませんので……」
ビラム
「心配するな。軍隊の威力は大きいとカシム閣下が言っておられる」
「資料は回す。研究を続けろ」
ドワス
「はっ!」
ジロン
「何か、特別なバザーでもあるんじゃないの?」
カタカム
「そんな通知は来ていない。ドームの警戒だけなら、張り巡らした怪光線だけで十分な筈だ」
ビリン
「Hポイントとは違うのよ。そう、酷く静かで秘密めいていて」
カタカム
「大体イノセントの歴史上、ブレーカーを集めてポイントを守るなんて事はなかったんだ」
「大掛かりな戦いをしようというんじゃないのだろうか?」
ジロン
「俺達用かな」
「ファットマン! 無茶はやめろと言ったろ?」
「何だ?」
カタカム
「どうしても足並みを乱すなら、今度は撃つ。少しはチーム・ワークというものを考えてくれんのかね?」
ジロン
「お前に撃てるのか?」
カタカム
「ザブングルもアイアン・ギアーも無駄には使いたくない」
「戦う以上相手を倒す。その為にも、綿密な作戦に従ってもらう」
ジロン
「作戦、作戦……それが何になるってんだ!」
「カタカム……!」
カタカム
「ふふっ……」
ドワス
「入ります!」
ビラム
「何だ?」
ドワス
「本当にキャローンに、ランド・シップを与えてもいいのですか? 執政官」
ビラム
「私が約束をしたのだ。エルチ・カーゴは、もう少し訓練を見てからでないと……」
ドワス
「しかし、あんなじゃじゃ馬が、ランド・シップの指揮を執れるとは」
ビラム
「私は約束をした」
ドワス
「エルチ・カーゴは順調な仕上がりを見せているんですよ?」
ビラム
「キャローンが心配なら、ティンプかホーラ隊に手伝わせればよかろう」
執政官
「アイアン・ギアーの現在地を示した地図だ。いいな?」
ティンプ
「俺が申請したウォーカー・マシンと武器、まだ出してもらってねぇんだがな」
「せめて俺の葉巻ぐらい、手土産代わりに持ってこられないのか、え?」
執政官
「そ、そんな事は、私は何も聞いてはいない」
ティンプ
「聞いてない?」
「もう大分経つ。ドワスのアンちゃんじゃ埒が明かねんだったら、ビラム執政官に押し込むしかねぇな」
執政官
「指令は伝えた。いいな?」
ティンプ
「ビジネスは守ってもらいたいと、ビラムの旦那に伝えてくんな」
「寄越すもんも寄越さんで扱き使ってくれるぜ、全くよ」
ギロ
「ねぇ艦長。奴ら、ブレーカー集め、手が回らないんじゃないですか?」
ティンプ
「ブレーカー集めだと?」
ギロ
「何でも、やたら沢山駆り集めてるって話です」
ティンプ
「イノセントの奴らめ、何を考えてるんだ?」
ギロ
「全く、そいつらにやらせりゃいいのに」
ティンプ
「そうか。それでこっちにウォーカー・マシンが回らんのか」
「適当にやって暖い所に行くか」
ギロ
「そりゃいい」
ジロン
「うわっ!」
カタカム
「先手を取られた。小癪な……!」
ジロン
「気取っている時じゃないぞ。パトロールは出していたんだろ?」
カタカム
「敵だって強力なパトロール隊を出している。パトロールが消える事だってある」
ジロン
「一々理由が付けられるなんて大したもんだ」
「Hポイントへ直進する」
カタカム
「それは許さん」
ジロン
「何故だ?」
カタカム
「ここはアイアン・ギアーが食い止めてみせろ。そうすれば……おっと」
「その隙に、私がソルトの艦隊でHポイントに潜入して……おっと」
「エルチさんも助けよう」
ジロン
「ははっ、じゃあさっさと行きな。俺はティンプを倒したら追い掛けるよ」
「追い抜いちゃうからね」
カタカム
「それではラグさん、頼む」
ラグ
「ああ」
「やれやれ……あっ!」
カタカム
「Hポイントへ進撃する。ウルフ二隻は私に続け!」
「パトロールに出ているウォーカー・マシンはどうした?」
ソルト・メンバー
「無線が使えません」
カタカム
「針路、左15度だ。全面砲撃続けろ!」
ギロ
「どうしてドランを出さんのです? 突撃すりゃ……」
ティンプ
「補給が来るまで弾の在庫は多い方がいい。間を空けて程々に撃てばいいんだ」
ギロ
「じゃ、始めから攻めなきゃいいでしょ」
ティンプ
「ビラムやドワスに働いてる所を見せなきゃ、補給はくれねえんだよ」
「大体お前の安モンの葉巻、湿ってんじゃねえのか?」
ギロ
「じゃあ、返してください」
ティンプ
「え?」
「面舵掛ける。横から攻める」
ダイク
「どうしたんだ、ティンプの奴」
ガルロ
「弾が切れたんじゃないの?」
ダイク
「今の内だ!」
ティンプ
「わっ! ギロ、後退を急がせろ! 作戦通りやるんだよ!」
コトセット
「ダイク、やめろ! 弾を無駄に使うな!」
ダイク
「ちゃんと狙ってるよ。二、三発当たってんだ」
コトセット
「地の利を見て撃つんだ。敵の出方をよく見て!」
ラグ
「ジロン、ギャリアはどうしたの?」
「いつものティンプの動きと違うわ。どういうの?」
「カタカム、気を付けて〜!」
ジロン
「わっ、ファットマン……!」
「エンジン、掛からなかったのか?」
ギロ
「畜生、奴ら……!」
ティンプ
「慌てるな……あっ!」
「ええい、野郎! こっちは本気じゃねえって事が何故分からねぇんだ、アイアン・ギアーは」
ギロ
「だから一気に突っ込んだ方が早いって言ったでしょ」
ティンプ
「いいか、大体こっちはウォーカー・マシンが少ねぇんだ。ドワスがこっちに手抜きしてるとなりゃ……わっ!」
「一時後退するぞって台詞だってパターンじゃねえんだよ!」
ギロ
「へっ、理屈ですがね」
ティンプ
「てめぇ! 一々うるせぇんだよ!」
「とにかくパターン……いや、後退だ!」
ジロン
「チル、撃つのはやめろ」
「ティンプめ、どういうんだ? 逃げる為に攻めてきたのか?」
「となると……このままHポイントへ突っ走るぞ」
キャローン
「小型のランド・シップだね。ティンプ隊がアイアン・ギアーを食い止めてくれたのかね?」
ルトフ
「ウォーカー・マシンで出るかい?」
キャローン
「今日の作戦はここでやんだよ」
ルトフ
「ウォーカー・マシンを男に任せて?」
キャローン
「私は指揮を任されたんだ」
ルトフ
「でもさ」
キャローン
「あっ、来た」
ルトフ
「え?」
キャローン
「主砲を撃たせろ」
ルトフ
「了解」
キャローン
「パタール、何やってんだい。もっと向こうだよ」
「ルトフ、全速前進!」
ルトフ
「やってるよ。でもさ、私はウォーカー・マシンの方がいいな」
キャローン
「まだ言ってやがる」
ルトフ
「何なんだよ?」
キャローン
「ビラムの魂胆が分かんねえのかよ? あたい達の実力を試してんだよ」
「この作戦上手くやりゃ、ウォーカー・マシンを男に任しゃしないよ」
ルトフ
「あぁ、そうかそうか。そしたら仲間を集めてさ」
キャローン
「そういう事」
ルトフ
「おーし! オットリッジ使いの男、聞こえるか!」
カタカム
「来たぞ! 各艦、ウォーカー・マシンを出せ!」
ビリン
「三隻のバッファロー・クラスで倒せるの?」
カタカム
「あっ、やられた……!」
「撃て撃て、撃て!」
チル
「あっ、ジロ〜ン! あれあれ!」
ジロン
「あっ、カタカムの馬鹿……!」
「囲まれちゃってるじゃないか。あんなこっちゃ、ランド・シップ一隻やっつけられやしない」
チル
「真正面から馬鹿正直に攻撃するなんて……!」
ジロン
「助けに行くぞ!」
「ん、見捨てろって言うのか?」
「カタカムを叩いてる連中を今やっつけておかないと、後で煩いんだよ」
「ファットマン、お前にだってそれぐらいの事分かるだろ? エルチの事なら心配するな、必ず助けてやるから」
「あそこには、ビリンだって居るんだぞ?」
「行くぞ!」
ダイク
「ラグ、勝手に出るな! ティンプがまた出てくるかもしれないぞ!」
ラグ
「カタカムが危ないって、無線が入ってんだよ」
ダイク
「コトセット、急げ」
コトセット
「嫌だ。どいつもこいつも勝手でさ」
ブレーカー
「わわっ……!」
 〃
「てめぇ、何しやがんだよ」
 〃
「何だと? 捷いのが居るのを気付かなかったなんて……」
 〃
「てめぇがドジなんだよ!」
キャローン
「ん? あの2機は何をやってんだ?」
「味方同士で撃ち合いをやって。何?」
ビリン
「ギャリア! ジロンが来てくれたの?」
カタカム
「ティンプの船を潰してくれたのか」
「うっ!」
「それにしても早い」
ビリン
「キャッ!」
ジロン
「レッグは下がっていろ、邪魔だ!」
「やかましい!」
「ビリン達、レッグ隊は下がれ!」
ビリン
「あっ、後ろ……!」
キャローン
「ルトフ、ホワイティは後退だよ」
「動きの速いウォーカー・マシンが現れた」
ジロン
「よーし、後は3機か4機か」
ラグ
「あっ……!」
カタカム
「チャンスだ、追え!」
ラグ
「カタカム、いい加減にしてよ! バッファロー一隻で、あのランド・シップがやれる訳ないだろ?」
カタカム
「逃げる敵を討つのは簡単だ」
ラグ
「こっちは何隻やられたと思ってるの!」
ジロン
「そうだぜ、ラグの言う通りだ」
カタカム
「作戦は我が隊がHポイントに乗り込む事が目的の筈だった」
ジロン
「ドンパチなんてのはな、やってる最中にやる事がどんどん変わるんだよ」
カタカム
「それでは戦争は出来ん!」
「ん、こんなに早くここに来れたという事は……」
「アイアン・ギアーはやられて、お前は逃げてきたのか?」
ジロン
「馬鹿言うな! ちゃんと追い付いて来ましたよ」
カタカム
「じゃあ、ジロンがティンプの船をあっという間にやっつけてくれたのか? す、凄いな……」
ジロン
「ベェ〜ッ! 逃げちゃったのよね、ティンプ」
カタカム
「メ、メ、メロン・アモスめぇっ! 作戦をすっぽかしたというのかぁ!」
ジロン
「メロン・アモス〜?」
「もうお断りだ! あんたの顔なんか見たくない。俺は一人でエルチを助けに行く!」
コトセット
「な、何だ?」
ジロン
「よし行くぞ、ファットマン!」