第39話 個人プレーじゃ駄〜目

前回のあらすじ
支配階級イノセントと、支配される者シビリアン……
その間にも、時代の流れともいうべき変化が起きようとしていた。
エルチ・カーゴのギア・ギアが動き出しました。それは、憎しみを背負った一人の女戦士の舞姿。
ジロン憎しの雄叫び上げて、猛りに猛るエルチ・カーゴの美しさ。
押取り刀のカタカムとソルトの援護で危機乗り越えたものの、果てさて、明日はどうなりますかアイアン・ギアー。
エルチ
「グズグズしないで! 修理の遅れを取り戻すんだから、ノロノロするんじゃないよ!」
「お前達を養う為に戦ってるんじゃないんだよ!」
「そこの男、駆け足!」
「急いで!」
ブレーカー
「お〜、怖っ……!」
エルチ
「いい加減にやってるとナイフが飛ぶよ!」
「コラッ!」
ブレーカー
「わっ!」
ドワス
「準備は順調のようじゃないか」
エルチ
「そうでしょうか」
ドワス
「で、アイアン・ギアーをどう攻めるつもりだね? ミス・エルチ」
エルチ
「任務に忠実で、有能な女兵士が欲しいところです。男は駄目です」
ドワス
「キャローン・キャルは戻ってこないし……。姑息な手だが、一つやってみないか?」
「前にキャローンの言っていた作戦がある」
エルチ
「キャローンの言っていた作戦? 成程、上手く行くかもしれません」
コトセット
「んん、煩いぞファットマン! 唸ってないで手伝え!」
「ええい、男の癖に落ち着かんか! お前好みの力仕事が一杯あるんだ!」
「ほれこれ!」
「ほら、手伝え! 猫の手も借りたいくらいなんだぞ!」
「手伝えーっ!」
ジロン
「295・296・297・298・299・300……」
「ふぁっ、201・202……」
ブルメ
「何度間違えりゃ気が済むんだよ、ジロン。301からだ」
ジロン
「ああ、そうだっけ?」
ブルメ
「エルチの奴、また来るのかな?」
ダイク
「ああ、多分な。お前も見たろ、あれはまるで殺人鬼みたいだぜ。来るに決まってる」
ジロン
「来る訳ないよ」
ブルメ
「全くよ、よりによってエルチを使って洗脳ってのやりやがって。キタネェ!」
ダイク
「あっ、よせ! 手榴弾だぞ!」
「しかし、洗脳なんて言うから、頭を洗うぐらいのもんだと思っていたけどな」
ブルメ
「ああ、それがああだもんな」
エルチ
(回想)「ジロン・アモスめ、お前は私の敵だ! 殺してやる!」
ジロン
「よーし、エルチをああまで仕立てるイノセントだ。パンツのゴムを締め直して、本気で掛からんと……」
ビリン
「カタカムとラグさんが、準備を急いでくださいって」
ブルメ
「分かってます」
ビリン
「医療班にも人手が欲しいんですって」
ジロン
「了解」
「ソルトの怪我人、そんなに多いのか?」
ビリン
「301陣が、ホーラの隊に襲われたらしいの」
ジロン
「ホーラのガバリエがまた動き出したのか?」
ビリン
「メディックもマリアさんも、医療班はてんてこ舞いなのよ」
ジロン
「イノセントも、組織なんてものを使って動き出したって事なのか?」
ビリン
「そういう事ね。それも、私達の規模なんてものじゃないわ」
ラグ
「そこんとこ、修理急いで! 何日掛かってんのよ!」
「あっへぇ〜、ソルトに手を貸す気になったの?」
ジロン
「怪我人を放っては置けないだろ?」
ラグ
「ははっ、これで口説く必要がなくなっただけ助かるよ」
ビリン
「……何でしょう?」
ラグ
「綺麗だね、あんたも」
「本当はマリアの事が気になるんじゃないの?」
ジロン
「一々理由を付けないと気が済まないみたいだな」
ラグ
「あぁ、私は性格の悪い女だからね。マリアと違って」
ビリン
「急いでるから、先に行くわよ」
ラグ
「エルチに不意打ちを受けたら戦力が足りないわ」
「どうすんの? みんな、あんたを頼りにしてんだから」
ジロン
「分かってる。カタカムに組織の事を聞いてくるんだ」
ラグ
「組織だって?」
マリア
「あ、有難うジロン」
ジロン
「あぁ、大変らしいね」
マリア
「ええ。でも戦ってるよりはずっと楽よね」
「それはそっちへ」
「あっ……」
ジロン
「マリア……疲れてるんだ。少し休んだ方がいい」
マリア
「大丈夫。医療班がへたれてちゃ始まらないわ」
メディック
「ジロンの言う通りだ。少し休みなさい」
マリア
「本当に大丈夫ですよ」
「こっちへお願い」
負傷兵
「うぅっ……!」
メディック
「ギャアギャア言うんじゃない。このくらい我慢せんかい」
「ん、ワシに何か用か?」
ジロン
「あぁ、あのな……戦いで組織ってのは要るのかな?」
メディック
「ん、何でワシにそんな事を聞く?」
ジロン
「爺さんは、何でソルトの手伝いをするようになったんだ?」
メディック
「そうだな……」
負傷兵
「うぅっ!」
メディック
「何だこのくらい。静かにしろ」
「ワシみたいなのもソルトには必要だろう。組織の一つとしてな」
「大人しくせんかい。押さえとれ」
ジロン
「あ、あぁ」
「そういう風に組むのが組織なのか」
「我慢しろ。男……あっ!」
メディック
「ジロン」
ガウツ
「反対側から攻撃を掛ければ、潰せるよ」
エルチ
「ガウツ、余計な口を出すんじゃないよ」
ガウツ
「作戦としては当たり前の事だよ」
「あっ!」
エルチ
「今のはワザと外したんだよ?」
「出てきたな。あの女を攫うんだ」
ガウツ
「あの女を……?」
エルチ
「あの女を人質に取れば、必ずジロンも食い付く筈よ」
ガウツ
「まだるっこしい。どうしてそんな手を使うのさ?」
エルチ
「どうして?」
「うっ……!」
ガウツ
「どうしたんです?」
エルチ
「どうって事ない」
「ドワス様が決定した作戦だ。間違いなくやるんだよ」
カタカム
「こちらアイアン・ギアー、カタカム・ズシム。アーサー・ランク殿とコンタクトを取りたい」
「こちらアイアン・ギアー、カタカム・ズシムだ。回線を開いてくれ。こちらアイアン・ギアーだ」
コトセット
「いい加減で、勝手に弄り回すのはやめてくれないか?」
カタカム
「じゃあ、あんたやってくれ」
コトセット
「イノセントのなんか知る訳ないだろ。壊さん内にやめてくれ」
カタカム
「この艦のメカマンだろう。何とかしろ」
「ん、あんたでいい。こいつを頼む、な?」
「な、出来るだろ?」
「何をする! こいつ……!」
「待てぇ、コラーッ!」
コトセット
「二人でドタバタやっててくれ。邪魔されんでいい」
カタカム
「男らしくないぞ! 返せったら分からんのか! こら、止まれっちゅうに……!」
メディック
「疲れを取るにはこいつに限る。君達も一休みしなさい」
マリア
「ええ。でももう少しですから」
ガウツ
「すみません! ここで怪我人を診てくれるんですか?」
マリア
「ええ。さ、降りてください」
ガウツ
「あたいより、あいつを先に……」
マリア
「え?」
ビリン
「とにかく降りなよ」
マリア
「どこ?」
「キャッ!」
ビリン
「はっ……!」
メディック
「ぬっ……!」
ブレーカー
「騒ぐとこいつを捻り潰すぞ!」
ガウツ
「動いちゃ駄目だって言ったろ? お嬢ちゃん」
ブレーカー
「ふんっ、銃を捨てな」
ビリン
「ギア・ギアのエルチさん」
エルチ
「こちらへ。行くよ!」
メディック
「何故マリアを攫うのか!」
エルチ
「ジロンさ。マリアを助けたきゃ『一人で白旗揚げておいで』ってジロンに言いな!」
ビリン
「あいつら……!」
メディック
「ありゃエルチ……昔のエルチ・カーゴという子なのか……」
ジロン
「マ、マリアが……?」
ビリン
「一見そう見抜けなかった私が悪かったんだよ」
ダイク
「ソルトはあっちこっちに散ってるんだ。顔を覚えるって方が無理だろ」
ブルメ
「所詮、あぶれ者の集まりみたいなもんだからな。ソルトはさ」
ビリン
「そういう言い方はよしてください。あんた達はまともだって言うの?」
カタカム
「責任転嫁する前に反省すればいい、ビリン」
「助ける助けるって騒いでたエルチが一段と悪どい敵になったって訳だ。言わないこっちゃないな」
ジロン
「そういう言い方はないだろ? エルチのせいじゃない!」
カタカム
「内輪の怒鳴り合いは醜いだけだ。私はもう知らんよ」
ジロン
「どういう事だ。マリアはソルトにとって大事な人じゃないのか?」
ダイク
「ジロン」
カタカム
「マリアは兵士でもないし、正式なソルトの隊員でもない」
ラグ
「カタカム、それは本気で言ってんのかい?」
カタカム
「ラグさん……」
ジロン
「マリアを助けるなって言うのか?」
カタカム
「いや……結論を急ぐな。敵の作戦をじっくり読めと言ってるんだ」
ジロン
「冗談じゃない。そんな事が分かるくらいなら、戦いなんか苦労するか!」
カタカム
「敵の術中に落ちたら負けるぞ」
ビリン
「こうしてる間にも、マリアさんが危ないのよ?」
「ん、ジロン!」
カタカム
「ジロン君!」
「君は貴重な兵士だ。マリアと引き換えじゃ計算が合わん」
ジロン
「俺はあんたに雇われた覚えはない」
「うっ!」
カタカム
「今の世の中、四日目にはどうなるか分からん世界なのだ。だから三日の掟がある」
「しかしそんな事では、人は生きていけないんだ。世直しをしなければならんのだ」
ラグ
「あんた……あんたはエルチの時も……エルチは別としても、人を助けるとなると反対するのね?」
カタカム
「何?」
ラグ
「ジロン、マリアを助けに行って! 後は私が引き受ける!」
ジロン
「任せた」
カタカム
「待て、ジロン君! 早まるな、行ってはいけない!」
「ラグ、何であんな事を言った? ジロンを行かせちゃいかんのだ!」
ラグ
「大声出すのはみっともないよ、おっさん!」
カタカム
「お、おっさん……!」
ファットマン
「オッサン……」
ジロン
「チル、いいか?」
チル
「いいわさ!」
ビリン
「ジロン、まさか真正面から突っ込むつもりじゃないでしょうね?」
ジロン
「態々そんな事を言う為に来たのか?」
ビリン
「地の利を調べて冷静に。ね、ジロン」
ジロン
「俺に注文を付けるなんて、姉さん気取りだな」
ビリン
「どういたしまして。危ない時は手も貸すつもりよ」
ジロン
「ば、馬鹿。付いてくるつもりか? 邪魔なだけだ、帰れ!」
「それに、カタカムに逆らう事になるぞ?」
ビリン
「構わないわ。私だって、カタカムに雇われてる訳じゃないもの」
ジロン
「え、えぇ?」
ビリン
「そうだ。ファットマンって人がザブングルで飛び出したんだってさ」
ジロン
「あいつ、またか」
「待て、ビリン!」
エルチ
「言い付けた通りに手配は済んでいるんだろうね?」
ガウツ
「私の準備は完璧の筈だよ」
エルチ
「さ、行くよ!」
マリア
「あっ!」
エルチ
「生きてジロンと会えるかどうか、楽しみにしてな」
マリア
「貴方は……!」
エルチ
「煩いんだよ!」
ジロン
「ファットマンの馬鹿が。地の利ってものを考えないで」
ブレーカー
「わぁぁっ!」
 〃
「くそっ、一台じゃなかったのか」
「不味い! 隠れるんだ。どこから狙われるか分からないぜ」
ジロン
「待て、ファットマン!」
「早まるなファットマン、エルチは俺一人を呼び出しているんだ」
「ファットマンもその目で見たろ? 今のエルチは話して分かる相手じゃないんだ。お前が行くとマリアが殺される!」
「勿論エルチは助け出すさ。いや、ひっ捕らえて目を覚まさせるんだ」
「それしかないだろ? その為には、今は俺一人で行くしかないんだ」
「よしファットマン、ここは俺に任せてくれ」
エルチ
「ふふっ、いい面構えだね、マリアさん。怖くはないの? いいんだよ泣き叫んだってさ」
マリア
「私は貴方の心の弱さに同情するだけで、怖くはないわ」
エルチ
「何だって?」
マリア
「今からでも遅くはないわ。もっと強くおなりなさい。今の貴方はイノセントの道具じゃない」
エルチ
「馬鹿にするんじゃないよ。私は軍の指揮官だ。私は餌なんかに口答えされる身分じゃないの」
マリア
「餌……?」
エルチ
「そうさ。ジロンを釣る餌が何を言うかい」
マリア
「目を大きく開いて、強い意志を持ちなさい。貴方は昔の仲間を殺そうとしてるのよ?」
エルチ
「私は自分の信じる生き方をしている。餌にとやかく言われる筋なんかない!」
「餌は黙っていればいいんだよ」
マリア
「エルチ……!」
ラグ
「コトセット、どこをウロウロしてたの? 早くアイアン・ギアーを動かして!」
コトセット
「あんた、いつから艦長になったんだ?」
ラグ
「カタカムなんかに任せておけないでしょ? ジロンを応援するんだから急いでよ!」
コトセット
「ははっ、ハナからそう言やいいんだ。カタカムになんか熱上げやがってさ」
ブルメ
「わっ、どうしたどうした?」
ラグ
「ブルメ、出撃するよ。ダイクにもハイヤ、マーレにも伝えな」
「私がいつ熱上げたって?」
コトセット
「前を見てな。ソルトの連中にどいてもらえ」
カタカム
「アイアン・ギアー! 何故発進する? 命令は出してないぞ!」
「あんたか、命令を出したのは?」
メディック
「まさかな。あんたは本音を言い過ぎるんじゃよ」
カタカム
「どけ!」
メディック
「あんたの議論を黙って聞いてきた。だが今度は言わせてもらう」
「ジロン達の方が少しばかり正しいな。理屈より行動が正しいという時もあるんじゃよ」
カタカム
「馬鹿な……血の気を知恵に回せん男だぞ、ジロンは!」
メディック
「それではソルトもまとめてはいけんよ」
ジロン
「この辺りの筈だけど……ギア・ギアの奴、どっちの方向だ?」
ビリン
「ジロン、右からミサイル!」
ジロン
「ビリン、下がってろ。約束では俺一人で……」
ビリン
「え〜え、行くわよ」
ジロン
「ん? 待て、ファットマン!」
「1機だけか。あっ……!」
ブレーカー
「あっ!」
「来させるか!」
ジロン
「ファットマン、手を離せ!」
「このぉーっ!」
ブレーカー
「わぁぁっ!」
 〃
「あっ……!」
「不味い」
ジロン
「あの方向にギア・ギアが居るのか」
「居た!」
エルチ
「来たわねジロン。約束を破って二台で来たとなると、ただじゃ帰さないよ!」
ジロン
「エルチ……!」
「あっ、待てファットマン!」
エルチ
「撃てーっ! あいつをぶっ潰せ!」
ファットマン
「エルチ……!」
ビリン
「ジロン!」
「前へ行くのは無理よ、ジロン!」
ジロン
「ここに居る方が危ないんだ。突っ込んでいけば、ギア・ギアは大砲が使えなくなる。どいてろ!」
ビリン
「やられに行くみたいなものよ」
ジロン
「俺はエルチを連れ戻しに行くんだよ!」
ビリン
「はっ!」
ファットマン
「うっ……!」
エルチ
「ん、ガウツ銃をお寄越し!」
ガウツ
「あいよ」
ファットマン
「エルチ!」
エルチ
「(?)」
ファットマン
「うっ……!」
ジロン
「ファットマン!」
エルチ
「ジロン・アモス、これでお仕舞いだ! あれを見な!」
ジロン
「あれは……マリア!」
「マリア……。エルチ、マリアを降ろせ! マリアは関係ないだろ?」
エルチ
「なら、ギャリアから降りて私と決闘しろ! さもないとこうだ!」
マリア
「んっ、卑怯者!」
「ジロン、こんな女を相手に、命のやり取りをするのはやめて!」
ジロン
「マリア……!」
「分かった、今降りる。撃つのはタンマタンマ」
エルチ
「お利口さんだ。みんな、手を出すんじゃないよ!」
カタカム
「ラグ、やめるんだ。今なら間に合う。作戦を練り直してからでないと、豪い事になるぞ」
ラグ
「黙れ中年!」
カタカム
「中年……!」
ラグ
「コトセット、フル・スピード!」
コトセット
「ヘイッ!」
エルチ
「あの女の命が、何故そんなに大事なんだい?」
ジロン
「人の命は皆同じに大事さ。エルチだってマリアだって、ラグだってチルだってファットマンだって……!」
エルチ
「黙んなよ……!」
ジロン
「ここまで乗り込んだ以上、エルチも連れて帰る!」
エルチ
「私を連れて帰る? 何で私が敵のあんたに連れてかれなくちゃならないのさ?」
ジロン
「エルチ、俺達を本当に敵だと思っているのか?」
エルチ
「当たり前でしょ? 馬鹿かお前?」
ジロン
「エルチ!」
エルチ
「あっ!」
「くそっ! 触るな、スケベ、エッチ!」
ガウツ
「何だろうね、あの艦長はさ」
ブレーカー
「こっちは怪我しないで済むからいいけどよ」
ガウツ
「だけど、出世は出来ないよ」
マリア
「ジロン! 貴方はエルチに構いすぎよ」
ブレーカー
「煩いんだよ、女!」
マリア
「ジロン!」
ビリン
「降りて」
ブレーカー
「わっ、撃つな! 降ります、降ります!」
ガウツ
「ん? エルチ艦長、アイアン・ギアーだ!」
ラグ
「甲板上のギャリアとザブングルを避けて、一斉射撃!」
ブルメ
「あいよ!」
ダイク
「おう!」
ガウツ
「エルチ、下で何モタモタやってんの! 艦を後退させるよ!」
エルチ
「何してんの! こっちには人質が居るんだ!」
ジロン
「ビリン!」
エルチ
「はっ!」
ジロン
「真っ直ぐにアイアン・ギアーへ」
ビリン
「任しといて」
マリア
「ジロンも急いで」
ジロン
「心配するな、マリア」
エルチ
「ジロン、この埋め合わせは必ずさせてもらうからね!」
ジロン
「ファットマン、急げ!」
ラグ
「ほら、上手く行ったじゃないか」
カタカム
「運が良かっただけだ。いつもこうなるとは限らん。一人を助ける為に戦力を投入し過ぎるのは、愚の骨頂というものだ」
マリア
「エルチ・カーゴって、可哀想な人……」
ジロン
「エルチ……」