第42話 グレタ吠える

前回のあらすじ
シビリアンの片隅からイノセントに対抗する力が生まれ、
アイアン・ギアーのクルー達は、自分達の考えとは別にその渦の中に巻き込まれていった。
結局、カタカム・ズシムにあったのはリーダーという名の自信だけ。
それじゃ行かぬと立ち上がり、とにかく目立ち、とにかくやるのとカタカム・ズシム頑張るのです。
ホーラの懐飛び込んで、見事ガバリエ仕留めてみせて、挙句の果てに討ち死にか。
ジロン・アモスら涙して、カタカム・ズシム送ります。出るに出られぬカタカム・ズシム、一人寂しく消えて行く。
コトセット
「ファットマン、カルダスに来るように伝えてくれ」
「居るんだろ、そこに?」
「早く行ってこい!」
「この役立たずがっ!」
「わっ……!」
一同
「あぁっ……!」
ジロン
「カルダス、来てくれ。コトセットの仕事を手伝ってやってくれ」
カルダス
「了解。すぐそっちへ行く」
「ソルト隊の整備もするぞ。いいな?」
メディック
「ブリッジに集合だって。聞いてないのか?」
ジロン
「もう時間なの?」
メディック
「あぁ、お前達もな」
チル
「何か出んの? お腹空いた」
メディック
「ははっ、終わったらな。マリアに言っておこう」
チル
「やりぃ〜!」
メディック
「すぐ来いよ、ジロン」
ジロン
「俺、先にヨップへ行くわ」
メディック
「何だと? これからヨップへ行く為の作戦会議なんだぞ」
ジロン
「先生頼むわ」
メディック
「お前はまだ、リーダーという事が分かっとらんようだな」
「今のお前は、死んだカタカムのメンバー、ソルトの全員が付いて来てるんだぞ」
「お前はもう一人じゃないんだ。部下が居るんだという事を忘れるな」
ジロン
「分かったよ」
ダイク
「作戦ねぇ」
ビリン
「必要だわ」
マリア
「そうよね」
ブルメ
「話は分かるけどな」
カルダス
「いいんじゃない?」
ラグ
「よく出来てるよ」
メディック
「これは全て、ジロンの決定だ」
ジロン
「え、知らないよ?」
コトセット
「要は、ジロンの命令によって全てが動くという訳だな」
ブルメ
「早い話がジロン、お前がいい加減な事言わなきゃいいんだ」
一同
「そう」
ジロン
「分かってるよ。って事は、俺が喋る事は全部命令だって事だ」
一同
「うんうん」
ジロン
「チル、コーヒー持ってこい」
チル
「自分で持ってくれば?」
ジロン
「命令ってのは聞かなきゃいけないの」
チル
「あっ、そうなの。へ〜い」
ビリン
「ふふっ……」
ブルメ
「チル、俺にも」
チル
「自分で淹れな」
ブルメ
「チェッ」
カルダス
「ははっ……」
コトセット
「ケッ、個人的な命令は無しだよな」
ジロン
「へへっ……」
メディック
「はぁ、やれやれ……さて、問題はヨップへの道だ」
「この山脈を迂回して行くというのは安全は安全だが、四日は掛かる」
ジロン
「冗談、冗談」
メディック
「個人的発言かね?」
ジロン
「そ、そりゃ……」
メディック
「では、リーダーの判断を聞こう」
ジロン
「と、遠回りしたって、敵とぶつかるのは同じだ。食料だって足りない……」
「だから、真っ直ぐ行くべきなんだ」
チル
「流石リーダー! はい、コーヒー」
ジロン
「ふぅっ、有難う」
ラグ
「成程成程、いい感じよ」
ジロン
「煽てんなよ」
メディック
「いや、見事な判断だ」
ジロン
「ふふっ」
メディック
「だがこのコースは、Yポイントとまともにぶつかる」
ジロン
「それを先に言え!」
ブルメ
「どうする? リーダー」
ジロン
「同じだ。敵さんもまさか、まともに来るとは思わないだろう」
ダイク
「うん、決まった。それに」
ラグ
「Yポイントってのは、それ程大きなドームじゃないしね」
イノセント職員
「一旦停止しろ、ギア・ギア。聞こえているだろう、ギア・ギア」
エルチ
「ギア・ギア? 気楽に言うんじゃないよ!」
「こっちは約束通りに到着したいだけだ。ゲート開け」
イノセント職員
「ゲ、ゲート開けろ!」
 〃
「プラット・ホームの作業が終わっていません」
 〃
「ゲートを吹っ飛ばされたいのか!」
 〃
「退避しろ! 作業中止! ドックを開けろ!」
ビラム
「派手なお出ましだったそうだな、エルチ」
エルチ
「私が腹を立てている理由はご存知の筈です」
「ガウツのやった事は反逆罪です。戦線から逃げ出すというのは、どう考えても重罪でありましょう」
ビラム
「お前の為と思って許したのだ。不忠の部下は邪魔だろうが」
エルチ
「私はどうなります? 苦戦をし、アイアン・ギアーを……!」
ビラム
「だから、君がアイアン・ギアーを討てなかったのは、戦力不足が原因だと私も十分認めている」
エルチ
「しかし……」
ビラム
「そうでなければ、このポイントでの補給なぞ許しはしない」
「ガウツにも、この前の落とし前は付けさせる」
「新しい部下を紹介しよう」
「お前の新しい部下、グレタだ」
エルチ
「グレタ……グレタ・カラス……」
ビラム
「グレタはアイアン・ギアーに特別の恨みがあるそうだ。役に立つぞ」
エルチ
「命令には絶対服従、いいわね?」
グレタ
「無論であります、エルチ艦長」
エルチ
「ビラム様、私はこれで……」
「ただちに出撃する。急げグレタ!」
グレタ
「は、はっ……!」
ガウツ
「あんた、グレタってんだって? 私、ガウツ。宜しく」
「どう思う? エルチ指揮官を」
グレタ
「別に?」
ガウツ
「気を付けな。私は自分の部隊を持つまでに、あいつに散々苛められたんだ」
グレタ
「あんたがドジだからだろ?」
ガウツ
「よく言うよ。エルチは改造人間だって専らの評判なんだ」
グレタ
「ふん、半人前なら利用するだけじゃないか」
「私も居るんだ。好きにゃさせないよ」
エルチ
「グレタ、ガウツ! ビラム様からの命令が出ている筈だ。ガウツ隊、前へ出ろ! グレタはブリッジへ!」
グレタ
「しっかりね」
エルチ
「思い出せない、あのグレタって女……確かにどこかで……」
「うぅっ、この頭痛め……!」
メディック
「ジロン、一つ忘れておった」
ジロン
「何だい、先生?」
メディック
「この隊における、私とマリアの資格さ」
ジロン
「資格ったって……お医者さんでしょ? それともお叱り屋?」
メディック
「リーダーには、リーダーを助けたりアイデアを出したりするスタッフが要る。参謀という奴だな」
ブルメ
「まあ、ニ、三人要るんじゃないの? ジロンにはさ」
チル
「何なら10人以上!」
ブルメ
「ははっ」
ジロン
「ガァァッ!」
「参謀ね。いいんじゃない? じゃ、参謀だ」
メディック
「ははっ……では、参謀の話を聞いてくれ」
「10キロ先に、流法の地獄と呼ばれる所がある」
ジロン
「何だそりゃ?」
メディック
「地下水の浸蝕で出来た、ま、自然の地底宮殿という所かな」
ジロン
「水か?」
メディック
「そう」
ジロン
「立ち寄ってみるか……いや、立ち寄る。全員に伝えろ」
メディック
「了解」
マリア
「立派なリーダーを作るのも大変ですね、先生」
ラグ
「何しろ、走るしか脳のない男だからね」
マリア
「でも、ジロンなら大丈夫ですよ」
ラグ
「へぇ、『ジロン』なんて言うの。あんた」
マリア
「あら、そんな……私、『ジロンさん』って言いました……」
メディック
「しかしジロンには、カタカムにない物がある」
「他人から自分の力以上の物を引き出させる能力と言ったらいいか」
マリア
「ええ」
ラグ
「そうだね。カタカムとは違う所ね」
コトセット
「ヒヒッ、果たしてどう相成りますかな」
エルチ
「先行したドラン隊で流法に追い込んで討ち取る。バラバラになったアイアン・ギアー隊をね」
グレタ
「ギア・ギアのドランは?」
エルチ
「万一の為に残しておく」
グレタ
「ふんっ」
メディック
「ジロン、敵の攻撃に備えてウルフを2隻前に出したいが」
ジロン
「いいだろう、やってくれ」
メディック
「訳を聞かんのかね?」
ジロン
「『私は部下を信頼している』……な〜んちゃってね」
コトセット
「ヒヒッ……!」
「おっと、そろそろ問題の地下宮殿だぜ」
ジロン
「考えてみりゃ楽なもんだな」
チル
「何が?」
ジロン
「リーダーって奴がさ」
チル
「そっかな?」
ジロン
「『うんうん』って頷いてりゃいいんだもん。首が疲れるけどね」
チル
「ジロン、来た〜っ!」
ジロン
「えぇ〜っ!」
「わっ……!」
ブレーカー
「逃がすか!」
チル
「ジロン、逃げるリーダーなんて格好悪いわさ」
ジロン
「そうか? よーし、見てろよ!」
チル
「やったぁ!」
ジロン
「流石メディック参謀、配置がいい」
「よーし、俺達だって……!」
エルチ
「はっ……ドラン隊め、正面から仕掛けたのか」
「ガウツ、ドラン隊の援護に回れ」
ガウツ
「了解」
ガウツ
「微速前進でいい」
ブレーカー
「え?」
ガウツ
「ふっ、物には程々って事があるんだよ」
「流法の上に居るんだ。全速力は出せないだろ?」
エルチ
「それじゃ流法には追い込めない……!」
「どこへ行くの?」
グレタ
「あんたの作戦通り、私が追い込んでみせるよ」
エルチ
「待て!」
「ギア・ギアのドランは使っちゃ……!」
グレタ
「ふんっ!」
エルチ
「あっ!」
「何でこうなる……?」
「グレタ・カラスだって?」
グレタ
「父ちゃん、仇は必ず取るからね。後家の一念ってのをあの餓鬼共に見せてやる」
ハイヤ
「不公平だよ。何で俺達、やられるだけで活躍出来ないの?」
「うっ……!」
ジロン
「あ、退却か? どういう事だ? こっちのチーム・ワークに恐れをなしたのかな?」
チル
「喜ぶのは早いんじゃないの? まだ一回戦でしょ?」
ジロン
「ん、そりゃ理屈だ……が、大丈夫!」
「あっ……!」
グレタ
「久し振りだね、坊や」
ジロン
「何? 坊やだって? 俺はリーダーだ!」
グレタ
「はっ、笑わせるんじゃないよ。坊や」
ジロン
「あんた、カラスの上さんか?」
グレタ
「覚えてたんなら話は早いね」
「あんたらのせいで私の父ちゃんは死んだんだ! 父ちゃん!」
チル
「何言ってんの! やっちゃえ!」
ジロン
「そうだ。カラスが死んだのは俺達のせいじゃないよ……うっ!」
グレタ
「男が言い訳するな!」
ジロン
「時には女々しくなる!」
グレタ
「女は強いんだよ! そういう時は、雄々しいって言いな!」
ジロン
「わっ、やめろ……聞いてくれ!」
グレタ
「黙れ黙れ、父ちゃんの仇だ!」
ジロン
「わわっ……!」
グレタ
「あっ!」
チル
「ジロン、逃げてぇ!」
ジロン
「チル!」
グレタ
「舐めた事すんじゃないよ、女以前のチビの癖に」
チル
「うっさい! そっちは女が終わってしまったオバハンの癖に!」
ジロン
「そうそう、チルはこれからいい女になってくんだぞ」
「分かる、オバハン?」
チル
「そうそう。ははっ!」
グレタ
「そんな跳ね返りがいい女になる訳ないだろう」
チル
「わぁぁんっ!」
ジロン
「なるわい!」
グレタ
「私以下だね」
ジロン
「あ、そう。じゃあ、オバサンがすっごくいい女なら?」
グレタ
「あら、少しはいい女になるんじゃないの? チルはさ」
チル
「いやぁ……」
ジロン
「……っと、油断させて!」
メディック
「ジロン、先走り過ぎるぞ。敵の主力は出てくるかもしれん。戻れ!」
ジロン
「冗談じゃない。あんなババァ、叩き潰しておかないと……!」
チル
「女の恥だわさ!」
ブルメ
「ジロン! 『オバン、オバン』って、エルチが婆さんにでもなったのか?」
ジロン
「グレタ・カラスだ! カラスの上さん!」
ブルメ
「え〜っ、あの裸のオバサンが出てきたの? お〜やだやだ、あのオバサン嫌ぁ!」
コトセット
「あの馬鹿共が……!」
メディック
「コトセット、停止だ」
ラグ
「何で? 追い掛けないの?」
メディック
「ジロンの命令がない限り、我々は不必要に動いてはならんのだ」
ラグ
「だって……!」
メディック
「負けてもいいのか? ウォーカー・マシン1機やられても、この艦隊が生き残る……」
ラグ
「メディック……」
メディック
「ビリン、ザブングルとギャリアの動きを偵察してくれ」
ビリン
「了解です」
ジロン
「どこに隠れてるんだ?」
チル
「う、気味悪いよジロン……何か出てきそう」
ジロン
「鬼婆が出てくるさ」
「んっ、あっ……!」
「くっ……!」
ブルメ
「ジロン、どこ行ったんだよ?」
「ジロン!」
エミカ
「グレタ応答せよ、グレタ。現在位置を報せよ、グレタ」
エルチ
「貸しな!」
「グレタ応答せよ! グレタ、グレタ……!」
「ええい、どういうつもりだ?」
ガウツ
「エルチ艦長さん」
「アイアン・ギアーが前方1キロ先に止まってる。指示を欲しいんだけどね」
エルチ
「さっきは動かなかった癖に……!」
ガウツ
「使い慣れない船でね。エンジン・トラブルを起こして……」
エルチ
「アイアン・ギアーをやんなさい!」
ガウツ
「了解」
ガウツ
「180度反転。転身用意」
ブレーカー
「いいんですか?」
ガウツ
「流法の地獄の穴に落ちて、動きが取れなくなったって言えばいいの」
ブレーカー
「あ〜っ」
ガウツ
「立っても手柄はみんなエルチの物……適当でいいのよ」
グレタ
「ふふっ……こういう時、この機動性のいいドランは好都合なんだよ」
「おっ……?」
ジロン
「頂き!」
チル
「わ〜っ、来たぁ!」
グレタ
「もう逃がさないよ!」
「あっ、あぁっ……!」
ジロン、チル
「わっ……!」
チル
「ジロ〜ン! ホバー、ホバー!」
ジロン
「んんっ……!」
「わぁぁっ!」
チル
「あ〜っ!」
ブルメ
「大分下の方に行ったようだな」
ビリン
「這い上がれるのかしら?」
グレタ
「間違いなく、ここをあんたらの墓にしてやるからね」
エミカ
「グレタがギャリアを追って、流法洞窟に入り込んでます。かなり深いようで……」
エルチ
「あんな訳の分からない地形でドランを使うなんて、どういうつもりなのさ。あの年増女」
ジロン
「ナロッ!」
「グレタだけじゃないのか?」
チル
「グレタだけだよ……わっ!」
ジロン
「くそぉーっ!」
グレタ
「やる事が遅いんだよ、坊や」
ジロン
「戻ってくる所を撃つぞ、チル」
チル
「了解」
ジロン
「わっ、あっ……!」
ラグ
「メディック先生、アイアン・ギアーがウォーカー・マシンに変形すれば、流法の地獄だってどうって事ないよ」
メディック
「そんなとこなら、とっくの昔にエルチの方が先にウォーカー・マシンになって、ジロンを追い詰めとるよ」
ラグ
「そうか、だからエルチも慎重だって訳なのか……」
エルチ
「ガウツはどうした!」
エミカ
「応答なし」
副長
「エルチ艦長、ガウツ様の艦が後退しています」
エルチ
「ガウツ……!」
「ただ逃げてるだけじゃないか。何故反撃しないのか?」
ジロン
「何だ?」
ブルメ
「聞こえるか、ジロン」
ジロン
「ブルメ、お前か?」
ブルメ
「敵だ! ランド・シップが、この上に1隻来ているらしい」
ジロン
「えっ……?」
グレタ
「何?」
ジロン
「あの柱、振動には割と脆そうだ」
「よーしっ!」
「ははっ! チル、柱を片っ端からぶっ壊すんだ!」
チル
「でもさ……」
ジロン
「命令だ!」
チル
「命令ね。知んないよ?」
ジロン
「やれ!」
チル
「ラジャー!」
チル
「大丈夫、ジロン? 不安な女心、察して欲しいんだわ〜!」
ジロン
「ツベコベ言うな!」
グレタ
「お調子モン、投げ槍なんだよ」
「あぁっ……!」
チル
「わ〜っ!」
ビリン
「掴まって、ジロン!」
ジロン
「ビリン、助かった!」
ブルメ
「俺が来てやったんだよ!」
ジロン
「何だ、ブルメも一緒か」
グレタ
「洒落臭いんだよ、ガス欠寸前のギャリアなんてさ」
ジロン
「わっ!」
グレタ
「父ちゃんの仇、討たしてもらうよ!」
ジロン
「よせ!」
「わぁぁっ!」
チル
「ホバーだ、ジロ〜ン!」
グレタ
「だ、駄目だったのか……!」
ジロン
「よくも!」
グレタ
「弾もミサイルもなくなった……!」
ジロン
「ライフルの弾が……!」
チル
「なくなったわさ!」
ジロン
「ブルメ、ビリン、早く逃げるんだ!」
ブルメ
「どうして?」
ジロン
「命令だ。逃げるの!」
ビリン
「今更命令が聞ける訳ないでしょ?」
ジロン
「ごめん、ごめん。でも今は俺の命令を聞いて……!」
チル
「この下の洞窟の柱、みんなぶっ壊しちゃったの!」
ブルメ、ビリン
「え〜っ!」
ビリン
「じゃ、ここ陥没するの?」
ジロン
「多分な」
チル
「ど〜ん、って!」
ガウツ
「うっ、何だこの地震は……わっ!」
「冗談じゃないよ! 私はこれから活躍する人なんだよ〜!」
エルチ
「あれじゃガウツも助からないわね……」
「だから言ったでしょ? 一人だけで勝手やられちゃ、上手く行くもんも行かないってさ!」
グレタ
「は、はい……何と言われましょうと……」
エルチ
「許すのは今回限りよ。いいわね、グレタ?」
グレタ
「でも父ちゃん、仇は必ず討ってやるよ……!」
エルチ
「Yポイントへ戻る!」
グレタ
「必ずさ……!」
エルチ
「卑屈に笑うな!」
グレタ
「あっ!」
ジロン
「はぁっ、はぁっ……まだかよぉ?」
一同
「ま〜だ!」
ブルメ
「自分が言い出したお仕置きなんだ。頑張れ」
ダイク
「頭にも何か乗せるか?」
ラグ
「ファットマンでも乗せたろか」
ダイク
「駄目駄目、あんな大きいの乗せると日陰が出来ちゃう」
コトセット
「ははっ!」
ジロン
「あぁっ、水……!」
一同
「だ〜め!」
ビリン
「後半日は我慢して貰うわね、ジロン」
ジロン
「分かったよ! 誰がこの程度の事でへたばるかよ!」
メディック
「かと言ってこの程度の事で、奴の根性が変わるとは思えんな」