第48話 永遠のアーサー様

前回のあらすじ
ジビリアンの片隅からイノセントに対抗しようとする力が生まれ、
アイアン・ギアーのクルー達も、自分達の考えとは別に、その渦の中に巻き込まれていった……。
Vポイントを中心にした連合艦隊と、アイアン・ギアーの大激突。
……と言えば聞こえがいいものの、そうは成らぬがザブングル。
エルチを我が手に収めんと、ホーラ飛び出し連携プレーを放り出す。
となれば、ティンプも指を咥えて見ている訳がない。
ギブロスぶつけて、エルチおいでと飛び出して、イノセントの作戦なんぞは関係ない。
当てにならぬはシビリアン。ビラムの打つ手が功奏し、アイアン・ギアーを仕留められますか。
ゲラバ
「敵だ! 撃て、近付けるな!」
「こんなもんすか、命令は?」
ホーラ
「任せる任せる。少しは休ませてくれ」
ゲラバ
「撃てっ!」
ティンプ
「アイアン・ギアーか、ソルトの土竜か?」
ギロ
「いや、ありゃエンペラーです」
ティンプ
「何だと?」
「あの馬鹿、まだ俺っちと同じ所を彷徨いてんのか、ホーラの奴は」
「あの垂れ目に言ってやれ! アイアン・ギアーを追い掛けるんだろってよ!」
ギロ
「へ、へぇ」
ゲラバ
「逃げてくぜ、連中よ」
ギロ
「エンペラーのホーラさんよ」
ホーラ
「何だよ。ギブロスか?」
ティンプ
「あんたら、目開いてんのかよ?」
「今の砲撃、本気で俺をやろうってんじゃねぇだろうな?」
ホーラ
「エルチの事で、あんたを闇討ちにしようなんて考えちゃいないよ」
ゲラバ
「そんな事言ったって兄貴、動いてるからいけねんだよ」
「イノセント側は滅茶滅茶にやられちまってよ」
ホーラ
「他はいざ知らず、俺とティンプは違う。そう簡単にやられはせん」
「最後まで生き残ってみせる、エースだ!」
ティンプ
「全くだぜ」
「尤も、本当のエースは俺だがね」
ホーラ
「何が! てめぇはギブロスを横付けにしても、エルチを攫えなかった癖に!」
ティンプ
「人の気にしてる事を……」
「おい、もう一度!」
「ぶつけたれ!」
ゲラバ
「兄貴、危ね!」
ホーラ
「艦長だよ艦長、俺は!」
ティンプ
「ふんっ、落っこって蜥蜴の頭にでもぶつかっちまえ!」
ホーラ
「頭をぶつけるのはそっちの方だって事を忘れるんじゃねぇ!」
ティンプ
「言わせておけば!」
「ぬっ、ザブングルか?」
ホーラ
「ギャリアか?」
ティンプ
「どっちだ、ギロ?」
ギロ
「あの型はドランじゃないすか?」
ティンプ
「何だと?」
「グレタ!」
ホーラ
「またあの女かよ。全く何しに来たんだ」
グレタ
「いいかい、突っ込むよ! 遅れるんじゃないよ!」
「父ちゃん、私を守っておくれよ」
ホーラ
「どこに目付けてんだ!」
グレタ
「あれ、エンペラーにギブロス」
「何でこんな所にウロウロしてるんだよ」
「アイアン・ギアーを追っ掛けてんじゃなかったの?」
ホーラ
「待てグレタ、どこへ行く!」
グレタ
「アイアン・ギアーを追い掛ける」
ホーラ
「自分勝手な行動は……」
ティンプ
「命令違反だぞ」
グレタ
「小娘一人に足を引っ張られて、よく言うよ」
ホーラ
「エンペラーと手を組まないか? 寄せ集めのブレーカーだけじゃ」
ティンプ
「心配だろう? 俺の船をベースにして遣らんか?」
グレタ
「私は一人で遣りたいね。あんたらのドジの付き合いはご免だね」
ティンプ
「ソルトだってまだ数は集まってるんだ!」
グレタ
「私は亭主の仇さえ討てりゃいいんだよ」
ホーラ
「亭主亭主って……」
カシム
「喧しい、切れ!」
「ビラム!」
「戦況は説明出来るな?」
ビラム
「はっきりしている事は、アイアン・ギアーが逃げ果せたという事です」
カシム
「それが分かっていながら、あの騒ぎはどうした事だ?」
ビラム
「彼らシビリアンは、軍隊という物が分からず……」
カシム
「資料は与えた。後は教えるだけの筈だ」
ビラム
「シビリアンは元々、自分だけが生き延びられるようにと」
カシム
「ソルトという組織を創っておるわい!」
「性質の悪いブレーカーを集めるから」
ビラム
「申し訳ありません」
カシム
「Xポイントに移る」
コトセット
「敵の動きが静かになったな」
ラグ
「まさか、ここに気付いたんじゃないだろうね?」
ジロン
「作戦を変えたんだ。暫く様子を見た方がいいな」
「じゃ」
ラグ
「エルチはマリアに任せておけばいいの。メディックさんも居るしさ」
ジロン
「そうは行かないよ。エルチ可哀想じゃないか」
ラグ
「何よ」
「じゃあ私は可哀想じゃないって言うのかい?」
ジロン
「何でラグが可哀想なの?」
ラグ
「あ、嫌だ! 目の前で、他の女の子の事心配してるの、見せて欲しくないのよ」
「な〜んて事を、女に言わせる気じゃないでしょうね!」
ジロン
「その声聞いてっから、こうだと思えないんだよな」
「イタッ!」
ジロン、ラグ
「わっ、あっ……!」
コトセット
「何だ? 下の方で爆発か?」
ジロン
「マリア、何があったんだ?」
「マリア」
マリア
「私は大丈夫です。エルチが……」
ジロン
「何があったんだ?」
コトセット
「ジロン、こりゃ手榴弾かそれ以上の物だ」
マリア
「あっ、奥にファットマンと先生がいらっしゃるのよ」
ファットマン
「エルチ」
エルチ
「このこの、このこのっ!」
「たぁっ!」
ジロン
「エルチ!」
エルチ
「ふぅっ、ふぅっ……!」
メディック
「見ての通りだ。時偶元のエルチに戻るが、すぐに化物みたいになってしまう」
ジロン
「エルチ……」
ファットマン
「エルチ」
エルチ
「や、嫌っ!」
ジロン
「やめろ、わっ……!」
「エルチ、元に戻れそうなら、してやるぞ」
エルチ
「寄るな!」
プロポピエフ
「それっ!」
ジロン
「プロポピエフ」
プロポピエフ
「さ、エルチお嬢様。文化の花を咲かせましょう」
ローズ
「薫り高い文化の花を咲かせる事を、覚えておいででしょう?」
エルチ
「何だと……?」
ミミ
『どなたでも、どなたでも、早くぅ〜!』
キキ
『いや、誰を呼びにやってもいけない。その間に私は、もうこの世には居ないでしょう』
ミミ
『私は貴方を恋しております。どうぞ生きていらして』
メディック
「見ろ、エルチの顔が」
コトセット
「戻っていく……」
プロポピエフ
「あぁ、お嬢様」
エルチ
「文化……」
ルル
『醜い貴公子に美しい少女が、必死に語りかけるのです』
ミミ
『いいのです。私は貴方に恋しております』
キキ
『おぉ、おぉ……!』
ルル
『と言うと、醜い貴公子は、その言葉で醜さが消えてしまいました』
エルチ
「文化、芸術……?」
「あぁっ……!」
ジロン
「エルチ」
エルチ
「わっ!」
コトセット
「お嬢さん!」
エルチ
「い、痛いよ……!」
ジロン
「エルチ」
エルチ
「頭が、頭が、痛いよ……!」
ジロン
「どけよ」
「エルチ」
メディック
「医務室へ運んでくれ」
メディック
「ふむ」
「中身を見ても分かりゃせんのだよ」
マリア
「何か秘密があるんじゃないんですか?」
メディック
「当たり前だ。でなけりゃ洗脳なんて出来やせんよ」
ジロン
「でも、このままなんて可哀想だよ」
マリア
「アーサー様」
「お休みになっていませんといけません」
アーサー
「すまんな、力になれなくて」
マリア
「いいんです。絶対安静ですよ」
「さ、横になっていてください」
メディック
「彼も酷く悪いんだ。正直の所、一週間と持つまいて」
ジロン
「本当なのか? 先生それ」
ホーラ
「あれにカシムが居るのか?」
ゲラバ
「あぁ」
「何でもXポイントに行けば、ウォーカー・マシンをくれるってんで」
ホーラ
「いやに気前がいいじゃねぇか」
「ティンプもそのつもりなのか」
ギロ
「後ろからソルトが付いてくるって話ですぜ?」
ティンプ
「気に入らねぇな」
「カシムの奴、ウォーカー・マシンで俺達を釣ろうって魂胆じゃねえのか?」
ビラム
「私が心配なのは、エルチがソルトに協力でもし出したら……」
カシム
「その心配は要らん」
ビラム
「は?」
カシム
「ふふっ、お前は何も知らんようだな」
「エルチが敵の手にあり、しかもアーサーの近くに居るとなれば、好都合という物だよ」
ジロン
「飛行機らしいのが見えるな」
チル
「逃げる気だよ、あれは」
コトセット
「いや、行き先はXポイントだろうな」
ラグ
「Xポイント?」
ビリン
「かなりの武器が集められているとの情報です」
ラグ
「情報ねぇ」
「で、うちらの方は、武器集められるのかい?」
ビリン
「はい」
「後方の、今までに占領したポイントから調達しています」
ラグ
「ふぅん、流石ソルト……」
ブルメ
「ははっ、んじゃいよいよ決戦って訳か」
ダイク
「そりゃそうだな。残りも少ないし」
ジロン
「残り?」
「だな……」
グレタ
「ほら見ろ。結局、私の考え通りに動いてくれるって訳よ」
ジロン
「撃ちまくれよ」
「Xポイントに逃げ込めないようにしてやるんだ」
コトセット
「了解」
グレタ
「何してんだい、止まって反撃しないのかい?」
ホーラ
「引き付けるんだよ」
グレタ
「ふんっ」
コトセット
「待ち伏せとはな! ホーラの遣りそうなこった!」
グレタ
「ふん、ギャリアめ。やっつけてやるよ!」
チル
「嫌いだもう、このゴキブリちゃんみたいなの〜!」
メディック
「脳波エネルギーが強過ぎるな」
マリア
「このマシンでは無理ですね」
メディック
「メインに繋げ。脳のエネルギーをどこかに逃がしてやれれば、症状を軽く出来るかもしれん」
エルチ
「ぬぅっ……!」
メディック
「エルチ!」
マリア
「駄目よ!」
メディック
「エルチ!」
「押さえろマリア!」
「ぐぁっ!」
マリア
「先生!」
「あぁっ、きゃっ……!」
エルチ
「ふふっ……!」
アーサー
「あっ、わっ……!」
エルチ
「アーサー、覚悟!」
メディック
「エルチ、やめんか!」
マリア
「エルチさん!」
アーサー
「エルチ!」
ジロン
「次は!」
コトセット
「ジロン、エルチが暴れ出した!」
ジロン
「えぇ?」
「こっちはそれどころじゃないんだ!」
チル
「ドランの動きに追い付けない!」
ジロン
「なろぉ!」
グレタ
「逃がしゃしないよ!」
ホーラ
「何を調子付いている! 早く退かんかババァ、邪魔なんだよ!」
グレタ
「チャンスなんだよ!」
ホーラ
「作戦ってもんがある。それが分からんなら、味方に撃ち殺させるぞ!」
グレタ
「ホーラ!」
「分かったよ」
ジロン
「ファットマン!」
エルチ
「何をする! 私に無礼であろう!」
メディック
「しっかり押さえててくれ。鎮静剤で」
「うぉっ!」
コトセット
「あれ、何かいい気持ちだな……」
メディック
「コトセット、お前さんが眠る事はないんじゃ」
マリア
「アーサー様、ここを出ましょう」
アーサー
「私は……」
エルチ
「死ねぇ!」
マリア
「アーサー様!」
ジロン
「あっ!」
メディック
「急げぇ!」
マリア
「やめなさい、エルチ!」
ジロン
「エルチ!」
マリア
「やめて!」
メディック
「そら、いいか」
エルチ
「わぁぁっ!」
「うぅっ……!」
ジロン
「わっ!」
アーサー
「うぅっ……」
ファットマン
「エルチ」
マリア
「アーサー様」
メディック
「鎮静剤を打つしか手がないとは、我ながら情けないわ」
マリア
「症状が悪くなる一方です」
「元のエルチに戻る時間も短くなっているようです」
コトセット
「このまま行くと、ふぁっ……」
「永久に戻らなくなるかもな」
ファットマン
「エルチ」
アーサー
「メディック先生」
メディック
「アーサーさん、貴方はお休みに……」
アーサー
「エルチの脳波を見せてくれないか?」
マリア
「お願いですから横になっていてください」
アーサー
「頼む、先生」
ジロン
「アーサーさんはお山の大将で、何も分かんないんでしょう?」
メディック
「お見せしよう」
兵士
「あ、カシム閣下」
カシム
「ガードマンのプログラムをD18に再チェックしろ」
ビラム
「外部勢力に対して、システム的に戦わせる訳でありますか」
カシム
「早まるな」
「ガードマン以上の戦いをさせろ」
兵士
「はっ!」
ビラム
「出来るな?」
兵士
「はい。再チェック作業は順調に運んでおります」
カシム
「エルチはアーサーの傍に居るらしいな?」
ラグ
「砲撃用意、カルダス隊は散開して攻撃!」
カルダス
「好きにやっていいんだな?」
ラグ
「艦隊とXポイントをぶった切るんだ!」
カルダス
「各ランド・シップ、聞こえたか? Xポイントに突っ込むぞ!」
グレタ
「ほら見ろ、遠慮するから来るじゃないか」
ラグ
「頼んだよ、コトセット!」
コトセット
「了解!」
「ふぁっ、大丈夫かな?」
ハイヤ
「整備しといたよ」
ラグ
「有難う」
ラグ
「何だってんだい、みんなしてエルチ一人に感けて!」
ブルメ
「こんな事じゃイノセントにも勝てそうにないな」
ラグ
「ジロンもジロンだよ! リーダーって事忘れてさ!」
ブルメ
「ね、このまま二人で逃げよ」
ラグ
「シャラップ!」
「一丁上がり!」
ブルメ
「早くギャリアを出せよ!」
ジロン
「何なの、これ?」
アーサー
「人間の、頭の中の働きを示したものだ」
ジロン
「頭の中?」
アーサー
「私は専門化ではないが、これは唯の洗脳で表れる揺れではない事は分かる」
「ドクター・マネめ」
「あっ……!」
コトセット
「来たぞジロン、ギャリアを出せ!」
「各砲座!」
ジロン
「今行く!」
「何か分かったの、アーサーさん!」
アーサー
「エルチは別の人格のコピーを強制されたんだ。洗脳と同時にな」
メディック
「人格のコピー?」
アーサー
「マネとカシムの仕業だ」
マリア
「エルチ!」
「あぁっ……!」
ファットマン
「エルチ」
ジロン
「ファットマン」
エルチ
「この、この、こんな物……!」
ファットマン
「エルチ」
ジロン
「このままじゃエルチは……」
アーサー
「メディックさん、エルチの脳エネルギーを取り出すしかないな」
メディック
「そんな事出来る訳ないでしょうが。イノセントの技術なら出来ても……」
アーサー
「いや、出来るさ」
メディック
「えぇ?」
アーサー
「君の使っている機材で出来るんだ」
「エルチの異常エネルギーを、私の脳に映すだけの事だからな」
メディック
「何だって?」
アーサー
「洗脳だけにしては、エルチは異常過ぎる」
「悪意に満ちた別の人格が入っているんだ」
ジロン
「そんな阿呆な事、出来んの?」
アーサー
「イノセントの科学なら出来る」
メディック
「二重人格化されたという訳か。それで今までの事は説明が付く」
「しかし、アーサーさんがそいつを引き受けるという事は……」
アーサー
「そうだ。私が二重人格者になる」
「あっ……」
マリア
「アーサー様!」
「無理をし過ぎです。お休みに」
アーサー
「エルチを救うにはそれしかない」
「私はどうせ死ぬ身だ。エルチに取り付いた悪意を引き受けるには、打って付けの体だよ」
メディック
「ワシには出来ん……」
アーサー
「やるんだメディックさん。カシムに屈服してはならんのじゃないかね、我々は」
メディック
「分かった」
ソルト隊
「この、このっ!」
「わぁぁっ!」
ラグ
「ジロンは何やってんの!」
ブルメ
「このままじゃ持たないぜ!」
エルチ
「くそぉーっ!」
ファットマン
「エルチ」
メディック
「貴方は強い方だ」
アーサー
「考える通りだったら、エルチは元に戻る」
「私が暴れ出すかもしれない。その時はジロン、私を殺してくれ」
ジロン
「え? アーサーさん、そういう事になるの?」
アーサー
「それが理屈でしょう」
ジロン
「そんな事出来る訳ないでしょう? アーサーさん、ファンも多いんだよ?」
アーサー
「ふっ」
「そうしなければ、私が君を殺すかもしれないんだ」
ジロン
「えぇ?」
「メディックさん……」
メディック
「理論は崩せんよ」
エルチ
「う、うぅっ……!」
アーサー
「うぅ、うっ……!」
グレタ
「ん、ギャリアはどうしたんだい?」
ゴッチ
「雑魚は相手にしないで、アイアン・ギアーをやりましょう」
ビラム
「中々良い戦い振りですなぁ」
カシム
「ええい、歯痒い! こんな事をやっていては戦力の消耗だ!」
兵士
「ミサイル発射場からの連絡で、間もなく発射出来ます」
カシム
「シビリアンめ、一挙にケリを付けてやる!」
エルチ
「わぁぁっ、ぁっ……!」
アーサー
「うぅっ、うぅっ……!」
ジロン
「先生、いいのかよ?」
メディック
「いいか悪いか、ワシはそんな事分からん」
ジロン
「ねね、やめた方がいいんじゃない?」
メディック
「そうらしい」
エルチ
「わぁぁっ!」
ファットマン
「エルチ」
ジロン
「先生、やめよう!」
メディック
「そうするか、やっぱり……」
アーサー
「やめるな! 上手く行っている!」
「やめてはならん!」
マリア
「アーサー様……!」
ファットマン
「エルチ」
「花……」
エルチ
「うぅ、うっ……!」
ジロン、メディック
「わっ、くっ……!」
チル
「わっ!」
コトセット
「な、何だ?」
チル
「敵だ、敵だ! プロポピエフ!」
ファットマン
「エルチ、エルチ」
ジロン
「大丈夫か?」
メディック
「いいみたいだな」
マリア
「あっ……!」
メディック
「あ、アーサーさんは……?」
アーサー
「がぅぅっ!」
メディック
「うっ……!」
マリア
「アーサー様!」
ジロン
「アーサー、わっ……!」
アーサー
「死ね、死ねぇぇっ!」
ジロン
「ア、アーサー!」
メディック
「ジロン任せるぞ、ここから先はリーダーの仕事だからな」
ジロン
「そ、そんなのないよぉ!」
マリア
「アーサー様を傷付けないで、優しくしてあげてね?」
ジロン
「ぐぐっ、調子のいい事ばかり言いやがって、そんな事……!」
「薄情者!」
アーサー
「待て!」
「わっ!」
ジロン
「アーサー!」
「大丈夫かい、アーサー?」
アーサー
「エルチに取り付いていた正体が分かったぞ」
ジロン
「何だって?」
アーサー
「カシムだ! カシムの性格パターンがエルチに取り付いていたんだ!」
「うぅっ……!」
ジロン
「もういいよ、喋らないで。先生に診てもらおう」
アーサー
「無駄だ、うぅっ……」
「ジロン、さようなら」
ジロン
「アーサー!」
アーサー
「わぁぁっ……!」
ジロン
「アーサー!」
「カシムめ、許さないぞ!」
ゴッチ
「ギャリアだ!」
ジロン
「カシムめぇ、カシムめぇ……!」
グレタ
「やっと出たか、ジロン・アモス!」
ジロン
「行くぞ、チル!」
チル
「オッケーだわさ!」
「ジロン、逃げてくよ」
ジロン
「どうしたんだ、急に」
「ん、大型ミサイルだ! カルダス、退けぇぇっ!」
ソルト隊
「あっ、ミサイル……!」
ジロン
「カルダス!」
チル
「あぁっ……!」
コトセット
「大型爆弾のミサイルだ!」
ラグ
「やってくれちゃって……!」
ブルメ
「あれ、数持ってんのか」
ジロン
「まだあんな武器があったのか……!」