音のせぬ海を見たくて山登る
つちのこに齧られてゐる春の月
銀傘の日陰に白球吸ひ込まれ
球審の夏シャツ青し甲子園
円陣の笑顔はじけるソーダ水
ソーダ水風になりたき泡がたつ
秋涼し少し遠出の散歩かな
今はただ雲映すのみ冬いづみ