雨音がぼくを包んでいる
決して濡れることはないから
ぼくは安心して雨音を聴いている
雨の音以外はなにも聞こえない
雨音がぼくを包んでいる
この心地よい息苦しさはなんだ
甘い香りはひょっとしてあなた?
目を開ければ
湿気を含んだ闇が
ぼくに覆い被さっている
ああ、この心地よい息苦しさ
雨音がぼくを包んでいる
ふかく、
ふかく、
沈んでいるのか
ふかく、
ふかく、
潜っているのか
ふかく、
ふかく、
流れているのか
ふかく、
ふかく、
ああ、この心地よい息苦しさ
この懐かしい香り
ふかく、
ふかく、
たとえ雨がやんだとしても
太陽の光はもう届かないだろう
ぼくはそっと目を閉じる
ずっと雨音を聴いていよう
ぼくの言葉があなたへ届くまで
ふかく、
ふかく、
雨音がぼくを包んでいる
ふかく、
ふかく、
ふかく、
2002.5.14