前略

昨年4月食道がんと宣告され、兄弟二人もがんだったし、とうとう私もなったかと思いながらも大変なショックでした。

その節は、若山姉夫婦、山下、向井、藤並、尾國、その他の皆さんに大変ご心労、ご心配をかけお礼の言葉も有りません。
心から感謝、感激しております。

治療の方も大手術は絶対嫌だったので放射線治療にし、約1年間抗がん剤と併用しましたが完治せず、今年3月バリュウム疣噎検査で後2〜3ヶ月で食事が通らなくなり、人工食道を導入すれば食事は出来るが、がんの治療にはならず、進行するばかりとの事。
K先生に無理やり「余命どの位ですか?」と聞きました。なかなか告知してくれませんでしたが、私の強引さに何とも言えない、辛そうな声で
「1年くらいですかな…」と。その日には1年でも普通の生活が出来るのであればと人工食道にしていただく事と、抗がん剤治療をお願いしました。
その日のうちに娘が「免疫療法」があるということを知人より聞いていたらしく、詳しく調べて「やってみる価値があるから、抗がん剤はキャンセルして!」と、抗がん剤治療を反対され、すぐに横浜にあるクリニックに予約を入れ、娘と二人で受診したところ、「1度、外科医の話を聞いて、手術を考えられたら?その方が免疫治療の効果はあるから、次回までに聞いて来てください」と言われました。
次回の予約を入れ広島に帰り早速、K先生に相談したところ「先輩にいい先生がいるからそちらで話を聞いてみなさい。」との事で、A病院のT先生を紹介して下さり、充子、佳代の三人で行き、手術の説明を聞きました。
K先生からの資料を参考に今の体力だったら成功間違い無いと思うので、絶対手術した方が良いと言って下さり、そこまで言って下さる先生だったらと、私もその気になり、二人も同意してくれました。
あとで分ったことですが、日本でも何本かの指に入る程の名医とのこと…

横浜の先生にも手術することを伝え、手術に臨みました。

その後、手術は予定どおり成功し、1ヶ月余りで退院しましたが、この間、向井一族も何度来てくれたことか本当にありがとう。
それと遠いのに、病院まで誰かが毎日来てくれて、世話をしてくれ、家族の有り難味が心にしみました。
横浜には術後の体力がついたらお願いするという段取りをして、術後の経過などは電話にて、随時報告をしました。

術後、横浜に行くと先生がビックリされるほどの回復とのこと。気になっていた啖や下痢も「そんな大手術をしたんだから、当たり前」と、一笑にふされ、不安を全て否定して頂きました。先日は福山にある協力医の所に行ってきましたが、そこの先生にも「食道癌の術後、こんなに回復しているのは珍しい。もう治るんだと思いなさいよ」と勇気をもらって帰りました。

最近は、腹の調子も良くなり温泉グループにも行かれるのではないかと思ってます。 

本当に皆さんのお陰で誕生日も迎えることができました。   

今後とも、応援よろしくお願いしますね。

                             


★父が72歳の誕生日にお世話になった方々へ送った手紙(2000年9月)

皆さんへの感謝
早々