Sadao Watanabe                                                       

*SADAO 2000 (2000)

(POCJ-1400/VERVE)

["nakab"コメント]

2000年1月、NYでレコーディングされた渡辺貞夫のアルバム。

単独名義にはなっているが、カメルーン出身の新鋭ベーシスト、リチャード・ボナとの完全なコラボレーションである。

ボナはジョー・ザビヌルの「ザビヌル・シンジゲート」のベーシストに抜擢されたことでブレイクし、

あの天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスの再来ともいわれている。

このアルバムでは共同プロデュースおよび楽曲提供のほか、

エレクトリック・ベース、ギター、パーカッション、ヴォーカルで参加。

レコーディング・メンバーはほかにピアノ、キーボードとしてジョージ・ウィッティ、ドラムスにジョナサン・ジョセフ。

ゲスト・プレーヤーは、ギターのマイク・スターン、パーカッションのカフェがそれぞれ1曲ずつ参加している。

渡辺貞夫のアルト・サックス、ソプラニーノはいつもながらのフレーズで快調そのものだが、

それに附加されたボナ独特の雰囲気がとてもすばらしい。

とても気に入っているのでぜひ紹介したいアルバムである。

 

01[MATAHARI TERBENAM (SUNRISE)]<Sadao Watanebe>

1976年の渡辺貞夫のオリジナルのリメイク。

4人のメンバーがいちばんシンプルな楽器編成での登場といったところ。

渡辺貞夫はソプラニーノを吹く。

短いがどこか神秘的でアルバムのオープニングにはふさわしく、ボナとの共同作業のすばらしさを充分予感させてくれる。

「サンライズ」とあるようにアフリカ大陸の壮大な夜明けをイメージしているのだろう。

どこの国で見た夜明け、だろうか。

SADAO WATANABE: SOPRANINO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS

GEROGE WHITTY: PIANO,KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

02[TE MISSEYA]<Richard Bona>

ボナのオリジナル。

イントロから聴こえてくる流れるような大陸的なボナのヴォイスが魅力的。

ここでのボナはバックグラウンド・ボーカルからギターまで、多才ぶりを発揮。

渡辺貞夫はこの曲でもソプラニーノ。

SADAO WATANABE: SOPRANINO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS,GUITARS,PERCUSSION,VOCALS

GEROGE WHITTY: PIANO,KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

03[SA SO NGANDO(STEP IN AND DANCE)]<Sadao Watanabe>

イントロでアフリカ民族っぽいコーラス(お囃子?)に続き、ボナがボコーダーを使っている。

懐かしいとというか、これにはちょっとびっくり。

最近はちょっと耳にできないサウンドではある。

渡辺貞夫はアルト・サックスでいつものサダオ・フレーズを吹き上げる。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS,PERCUSSION,VOCODER,VOCALS

GEROGE WHITTY: KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

04[I THOUGHT OF YOU]<Sadao Watanabe>

ジャズのスタンダードに[I THOUGHT ABOUT YOU]という曲があって渡辺貞夫自身の録音もあるが、

こっちはよく似たタイトルのオリジナル。

アルト・サックスでしっとりとした味わいを出している素敵な曲だ。

自分(nakab)が渡辺貞夫以外のアルト・プレーヤーにほとんど興味を持てない理由がこの曲にはある。

ほかにこういう音で吹くアルト・サックスがあったらぜひ教えて欲しい、とも思う。

それくらい好きな渡辺貞夫の音。

ボナのベース、ジョナサン・ジョセフのドラムの控えめなサポートもよい。

とくにピアノ、キーボードのジョージョ・ウィッティの演奏が光る。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS

GEROGE WHITTY: PIANO,KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

05[NOSTALGIA]<Sadao Watanabe>

アルバム中もっとも普段の渡辺貞夫に近い演奏かもしれない。

それにしても、いつもよりアルトの音色がやさしいような気がする。

ボナとの共演のせいか。

さりげないボナのベース、パーカッションが心憎い。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS

GEROGE WHITTY: PIANO,KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

06[HANA NO SHIMA]<Richard Bona>

ボナのとても美しいオリジナル。

ゆったりとした曲だがこのアルバムの聴きもののひとつだ。

渡辺貞夫はふたたびソプラニーノでボナに応えている。

それにしても...つぶやくように日本語でうたうタイトル部分。

ボナが「日本」をイメージしてのことだとしたら...。

昨今の状況はまったくもってはずかしいものがあります。

この曲を聴くとなんだかそんな気持ちになってしまう。

それだけボナのヴォイスが美しく魅力的なんだといえます。

SADAO WATANABE: SOPRANINO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS,ACOUSTIC GUITAR,VOCAL

GEROGE WHITTY: PIANO,KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

07[LIFE IS ALL LIKE THAT(FOR SNOOPY & HIS FRIENDS)]<Sadao Watanabe>

一転してこの曲は楽しい。

それもそのはず、サブ・タイトルにあるように「スヌーピーと仲間たちのために」...なんだから。

渡辺貞夫とスヌーピーがどう結びつくのか不思議だな、とも思うが...

「ピーナツ」の作者、チャールズ・M・シュルツが自らの手で連載終了させたのは1999年の暮れだったか。

このアルバムのレコーディング時期はちょうどその後にあたるのかもしれない。

作者シュルツ氏もその後亡くなっているがもしこの曲を聴けたなら喜んだことだろう。

この曲ではジョージ・ウィッティはキーボードのみ、ジョナサン・ジョセフもちょっとちがう力強いドラミングをしている。

そして、ゲスト参加のマイク・スターンのギターが「ピーナツ」の宇宙をかもし出す...そんな感じの曲。

それにしても...なんとなくこの曲、渡辺貞夫というよりマイク・スターンのイメージにぴったり。

このテーマは彼のアイディアだったりして。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS

GEROGE WHITTY: KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

MIKE STERN: ELECTRIC GUITAR

 

08[BACK YARD SUITE]<Sadao Watanabe>

さて、こんどは[BACK YARD SUITE]...ときた。

チャーリー・パーカーの[YARDBIRDS SUITE]をしゃれているのは間違いないだろう。

もともと...渡辺貞夫といえばパーカー、なんだから。

前曲同様、ジョージ・ウィッティはキーボード、ジョナサン・ジョセフのドラムも力強く、アルバムにアクセントを加えている。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS

GEROGE WHITTY: KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

 

09[ONE IN THE SAME]<Sadao Watanabe-Richard Bona>

「笑顔つなげて」というサブ・テーマがあるらしい、渡辺貞夫とリチャード・ボナの共作。

ボナのヴォーカルと渡辺貞夫のサックス。

ふたつの個性が完全にひとつになっている。

ゲスト参加はSURDO(パーカッション)のカフェ。

ボナのヴォーカルはやさしさとあかるさと希望を感じさせてくれる。

リチャード・ボナは自身のリーダー作のほか、NHK「みんなのうた」でも「風がくれたメロディ」という曲がオンエアされたことがある。

日本語でうたうこの曲はCDにもなっているので興味のある方は聴いてみると良いだろう。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

RICHARD BONA: ELCTRIC BASS,PERCUSSION,VOCAL

GEROGE WHITTY: PIANO,KEYBOARDS

JONATHAN JOSEPH: DRUMS

CAFE: SURDO

 

10[POR TODA A MINHA VIDA](Tom Jobim-Vinicius De Moraes>

アルバムのエンディングはジョージウィッティのピアノとのデュエットによる。

曲はブラジルのスタンダード・ナンバーか。

最後にふさわしくしめやかな雰囲気の演奏である。

SADAO WATANABE: ALTO SAXOPHONE

GEROGE WHITTY: PIANO

 

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