■設立から終了まで  今までの歩みをまとめました。

会が発足する以前、外観の障害の悩みに対して形成外科、皮膚科、美容外科などの医療が果たしてきた役割は大きいが、医学的治療が終了すると、たとえ患者にとってキズ跡や、心の不安など様々な未解決の問題が残っていても、あとは本人自らの努力に任されているのが現状であり、解決法が見つからず悩み続け、うまく社会生活が送れない人も少なくありませんでした。

 このような現状の中で、脳卒中後や交通事故後の機能的障害に対してリハビリテ−ション医学があるように、外観が損なわれた人のための リハビリテ−ションの考えがあってもよいのではないかと中嶋らは考え、「形態リハビリテ−ション医学」の概念を提唱してきた。そこではあらゆる外観の悩みに対して、形成外科、皮膚科、精神科、臨床心理、化粧メイクの専門家が各々の立場から意見を出し、患者を交えて討論し、その人のQOLの向上と積極的な社会参加のために最善の解決策、治療方針を決め、それを実施できるよう支援していく、いわば総合的な“形の科”とも言われるべき診療科の提唱である。

この新しい概念に基づく医療サ−ビスを実践するため、中嶋、伊藤、今西らは1997年にアピアランスリハビリセンタ−を開設した。
実際に外観に悩む人たちと接しながら、さらに医療、美容、心理の分野の専門家たちが勉強、研究する必要性を感じ、この概念に理解を示し、賛同された村澤、小林、山口、松崎、鍋田、らとともに、さらにその概念の深化とセラピ−メイクの技術開発、メイクセラピストの養成を目的としたセラピ−メイク研究会を2000年10月に発足させた。計6回のセラピーメイク研究会開催後、2001年9月、医療と美容と心理が単に協調し、勉強するというだけではなく、むしろ融合一体化することで今までにない新しい概念の医療サ−ビスが創出できるのではないかと考えるに至り、「医・美・心研究会」と改称した。

           

 初期のセラピーメイク研究会においては、座学の講義の他にメイク技術の実演も併せ行っていた。この技術を中心にした講習会の要望が会員から多数よせられたため、2002年9月、メイクセラピストを志す人たちに対し、医療、美容、心理に関する基本的知識、技術を教えるメイクセラピスト養成講座を開講することになった。

 この養成講座を計画するにあたり、この基礎的な講座であるベーシックコースの他に、これまでメイクの経験が全くない人のためのプレコースも設けた。さらにベーシックコース修了生あるいはそれ相当の技術知識を持つものがさらに高度な最新の技術と知識を習得し、医美心研究会独自の概念や新しい技術・化粧品を開発していくドクターコースをもうけた。ベーシックコースは現在まで計3期開催し合計約100名の卒業生を輩出している。

 第1期には受講生として世話人の村澤、今西も参加した。ドクターコースはこれまで、ヴィノフィスマッサージの開発とシールの開発を行ってきている。2006年から第4期メイクセラピスト養成講座を開講予定で、1年前より、従来の養成講座の内容に加えて、外観に悩む方とのコミュニケーション法の開発、解剖学に基づいたメイクのテクニック、ビューティメイクとメディカルメイクの融合などより高度な内容の可能性を検討してきた。しかし、(1)到底20回のコースでは収まり切れない。(2)これらの膨大な量の講座内容を処理するための人的、金銭的余裕がない。元に戻って従来の養成講座の継続という妥協案も含めて、非常に悩んだ結果、最終的には、現時点では養成講座は終了に至った。

 設立以来の間に医美心研究会を取り囲む社会的な環境もずいぶん変化し、その変化に対応し、より明確な目標を掲げて活動すべく、初心に帰り、本来の医・美・心研究会の活動の要である定例研究会を活発化していくことに力を傾注しようという結論に達し、定例研究会を軸に活動を進めてきた。その後、医美心研究会の今後のあり方を様々な観点から検討していく中で、活動をここで一度締めくくる結論に達し、2011年6月24日の会をもって医美心研究会を終了とした。

■役員
【会長】中嶋英雄(慶應義塾大学医学部形成外科准教授)

【顧問】
塩谷信幸(北里大学医学部形成外科名誉教授)
瀧川雅浩(浜松医科大学皮膚科教授)
宮地良樹(京都大学医学部皮膚科教授)
保阪善昭(昭和大学医学部形成外科教授)
漆畑 修(東邦大学医療センター大橋病院第2皮膚科准教授

【世話人】        
今西宣晶(慶應義塾大学医学部解剖学准教授)
伊藤節子(アピアランスリハビリセンター代表)
内沼英樹(北里大学医学部形成外科教授)
海老原全(慶應義塾大学医学部皮膚科専任講師)
久保田潤一郎(トータルビューテイ・ラボ久保田潤一郎クリニック院長、NPO日本アンチエイジング医療協会代表)
小林照子(美容研究家、美・ファイン研究所所長、フロムハンドメイクアップアカデミー校長)
桜宗佐(さくら医療美容総合センター所長)
島上和則(カネボウ美容研究所主任研究員)
白波瀬丈一郎 (慶應義塾大学医学部精神・神経科 専任講師)
杉浦 丹(清水市立病院皮膚科、慶應義塾大学医学部皮膚科講師)
鍋田恭孝(大正大学人間学部教授)
本田佳子(第1期メイクセラピスト養成講座卒業生)
松崎充男(美容研究家)
森さち子(慶應義塾大学病院精神神経科臨床心理士)
山口和子(美容研究家、ビューティーセラピスト)