お抹茶と夏の風景を絡めながら、子供の頃過ごしました、例の母親の実家を思い出し
ますと、「言葉」も、ゆったりとしたものがございましたね。
例えば、今でいいますところの「バスタオル」あるいは「湯上りタオル」を、なんて言った
と思います?
他所の家は知りませんので、当時の一般名称かどうかは知る由もありませんが、「しめ
りとり」と申しておりました。これなんか、いかにもびしょびしょのままで、飛び出てきて、
包(くる)まる物ではなくて、お風呂のタオルで一通り体を拭いてから、残った水分を取る為
のもの―といった語感が致しますね。
それと、今の「シッカロール」または「ベビーパウダー」。
これは、「てんかふん」と申しておりました。こちらはどのような字を書くのかも知らずに
「てんかふん」「てんかふん」でしたが、今調べますと辞書にもちゃんとございまして「天花
粉」だそうです。
「キカラスウリ」の根から採った、白色の澱粉であせもに散布したりまたは化粧用とあり
ます。もともとはそういう材料で今は「亜鉛華」ですから、「片栗粉」みたいなもんですな。
「しめりとり」から「てんかふん」で、これに浴衣が出てきて、「ア〜 夏祭り」。
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