いい季節にある、行事です。
少しずつ春を感じる季節になってきて、心も何となく華やいでくる―そんな時ですから。
個人的に『ひな祭り』と申しますと、縁のない世界ですが、唯一思い当たる事と申します
と、例の「ひし餅」でありますね。あれをとにかく、食べた事がありませんでした。
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幼少の頃、私の育ちました家の向かい側に柿
の木のある、大ぶりな家がございました。
ここの子供が、私を中心にしますと、姉の方は
2つほど上、あとの男兄弟二人は、私の1つ下
と、3つぐらい下(かな?)といった構成になってお
りました。
女の子がいるわけですから、多分、家の中で
は、雛人形が飾られ、その長女が主役となる、
お祭りらしき事になっているのでしょう(見たこと
ありませんので)。
それはそれでよろしい。大いに祝ってあげたらよ
ろしいのです。
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が、問題は、この3人兄弟、焼いてもらった「ひし餅」を、外へ出てきて、自分の家の塀に
もたれながら、並んで食うのです。
あれ丁度3枚ですものね。色で、もめるにしても、3人で1枚づつありますわナ。
別に、いいのです。自分の家の餅を焼いてもらって、それを、どこで食おうと、こちらがとや
かく言う筋合いのものでもありません。
が!今にしてみれば、なんと言う事はない、ただの餅なのですが、あの頃は、きれいな
色も手伝って、本当においしそうで、羨ましかったのです。
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はれて、「ひし餅」を食べる事が出来たのは、
ずっと後のことで、もちろん結婚してからですね。
妻も、いつまでも楽しみな行事であるらしく、
2週間ほど前から人形を出したりして準備をいた
します(これは今でも続いております)。
そんな折に、やっとこさ念願かなって、初めて
食しましたです(涙)。
以来、幼少期のこだわりから、私の家では、
「ひし餅」は、お菓子ではない、「お餅」で作った
「ひし餅」と決めて、もっぱら、私を中心に、これを
食しております。(笑)
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