「酉の市」にて

にて
春を待つ ことのはじめや 酉の市 其角
(2004/12/05)
いらっしゃいませ。
冬らしくなって来たといえないこともありませんけど、変な天気ですねぇ。
昨晩なんかは、雨まじりの嵐ですもんね。

さ、コーヒー どうぞ。



 相変わらず、連想ゲーム的に何の脈絡もなく動いてしまうケースが多いのですが、この『酉の市』 もそれですね。解説致しますとこうなります。
@年賀状の題材を考えねば・・・。
Aむ、来年は酉年かぁ。酉、酉、酉、・・・お、『酉の市』
Bナニ、樋口一葉の育った近所?樋口一葉といえば例のいまだ見た事がない5000円札であるな。
Cふむ、今年は三の酉まであると。26日? しからば!

 上京の機会がございましたので、詣て参りました。

 地下鉄・日比谷線入谷駅下車の3番出口でございます。
 ホームに降り立った時点で、大きな熊手を担いだ人達が行き来しておりますから、すぐにそれとわ かりますが、3番出口を登りますと、アルバイトのお兄ちゃんが
「次を左へ曲がってくれろ」
と案内をしております。
 人の群れというほどではございませんが、ゾロゾロと歩いておりますので、ついて行きますと、
やがて到着致します。
 現場は、もうこれは『群れ』となっております。

 今年の古い熊手を持ってきて、お参りをして、新年を迎える新しい熊手を買っていくのですね。
 「諸願成就」「商売繁盛」「家内安全」・・・こんなところでございますかね。

 残された江戸の風物詩と、変わる事のない、我々庶民の切実な願いが雑踏の中に入り混じりまし て、なかなかよろしゅうございました。
「たけくらべ」の冒頭部分の抜粋をどうぞ。

― 家内これにかゝりて夫れは何ぞと問ふに、知らずや霜月酉(とり)の日例の神社に欲深樣のか つぎ給ふ是れぞ熊手の下ごしらへといふ・・・(中略)・・・新年着の支度もこれをば當てぞかし、
南無や大鳥大明神、買ふ人にさへ大福をあたへ給へば製造もとの我等萬倍の利益をと人ごとに
言ふめれど、さりとは思ひのほかなるもの、此あたりに大長者のうわさも聞かざりき ―


 皆様にとって、来年も良い年でありますように!