庄野潤三の本を、それこそ20年以上ぶりに読みました。
昔から、この人の作風が大好きで、高校生の頃には、隣の親子が大きな声で風呂で会話している
のを題材に、この人を真似て習作を書いた時期もありました。
『プールサイド小景』で芥川賞をとられて、『静物』、『夕べの雲』などなど、作品は色々とございま
す。
ありふれた日常が「会話」を主体に淡々と描写され、それが却って日常に内包する微妙な緊張、
脆さを浮かび上がらせていきます。
今回読みました作品、「せきれい」は日記風の随筆 ― 実在人物が出てまいりますので、Jinべぇ
が「随筆」と勝手に思っておりますだけで、要は「作品」であります(汗)― には、食べ物やら、花、庭
に来る鳥たちが、そこに住まう夫婦の周りに次々と登場致します。
行動の単純なJinべぇは、「アップルパイ」が出てくれば、それを求めに走り(上のアップルパイです
ね)― という具合にこの本、なかなかJinべぇにとっては忙しいのですが、
花の方は今回のお題の「侘助」(苗木屋のプレートは「侘介」でしたが。)であります。
この「わびすけ」。椿の代名詞くらいに思っておりましたらば、そうではないのですね。
種類として、総称とは別に存在するのですね(恥)。
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*上の写真は、庭の「一般的」な「椿」であります。
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「広辞苑」を紐解きますと、このような説明になっております。
わびすけ「侘助」(豊臣秀吉征韓の時、侘助というものが持帰ったからいう)椿の一種。一重の赤色
の小輪花を開く。細かな白星更紗模様がある。(「広辞苑」より)
今年は、暖冬のせいで、庭の椿も、通勤途中の椿も、やたら花が多いという印象を昨年の秋から
感じておりました。が、どうもこの「椿」。個人的には、とにかく、あちこち矢鱈と在りますので妻も私
も、あまり好きな花ではございません。
それでも庄野潤三の「侘助」は、気品と季節感漂い、あきれ返る妻を尻目に苗木を求めて参りまし
た。こちらが「侘助」の一種、「胡蝶侘助」であります。
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| 作品の中は、「侘助咲く。」などと始まっておりますが、こちらは苗木で、これからでありますから
「侘助咲けよ。」― であります。(笑)
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