侘助咲けよ
侘助咲けよ
庄野潤三世界
(2005/02/05)
  いらっしゃいませ。
  立春、過ぎましたけど、この前まで雪でしたものね。
  まだまだですね。
  今日はお菓子が主役ですよ。
  洋菓子の基本形みたいな、イチゴのショートケーキとアップルパイです。

      

 このケーキ屋、暫く遠のいていましたけど、子供たちが小さかっ た頃は、よくあれやこれやと食べておりました。
 スポンジも今風のびっくりするほどきめ細かでやわらかいという のでなくホームメイド風で少し荒めですが、
このケーキ屋さん、『卵の香り』がお店に入った時からいっぱいで す。

 お茶入れときましたから、どうぞ。

 庄野潤三の本を、それこそ20年以上ぶりに読みました。
 昔から、この人の作風が大好きで、高校生の頃には、隣の親子が大きな声で風呂で会話している のを題材に、この人を真似て習作を書いた時期もありました。
 『プールサイド小景』で芥川賞をとられて、『静物』、『夕べの雲』などなど、作品は色々とございま す。
 ありふれた日常が「会話」を主体に淡々と描写され、それが却って日常に内包する微妙な緊張、 脆さを浮かび上がらせていきます。

 今回読みました作品、「せきれい」は日記風の随筆 ― 実在人物が出てまいりますので、Jinべぇ が「随筆」と勝手に思っておりますだけで、要は「作品」であります(汗)― には、食べ物やら、花、庭 に来る鳥たちが、そこに住まう夫婦の周りに次々と登場致します。

 行動の単純なJinべぇは、「アップルパイ」が出てくれば、それを求めに走り(上のアップルパイです ね)― という具合にこの本、なかなかJinべぇにとっては忙しいのですが、
 花の方は今回のお題の「侘助」(苗木屋のプレートは「侘介」でしたが。)であります。
この「わびすけ」。椿の代名詞くらいに思っておりましたらば、そうではないのですね。
 種類として、総称とは別に存在するのですね(恥)。
*上の写真は、庭の「一般的」な「椿」であります。
 「広辞苑」を紐解きますと、このような説明になっております。

わびすけ「侘助」(豊臣秀吉征韓の時、侘助というものが持帰ったからいう)椿の一種。一重の赤色 の小輪花を開く。細かな白星更紗模様がある。(「広辞苑」より)

 今年は、暖冬のせいで、庭の椿も、通勤途中の椿も、やたら花が多いという印象を昨年の秋から 感じておりました。が、どうもこの「椿」。個人的には、とにかく、あちこち矢鱈と在りますので妻も私 も、あまり好きな花ではございません。

 それでも庄野潤三の「侘助」は、気品と季節感漂い、あきれ返る妻を尻目に苗木を求めて参りまし た。こちらが「侘助」の一種、「胡蝶侘助」であります。
 作品の中は、「侘助咲く。」などと始まっておりますが、こちらは苗木で、これからでありますから 「侘助咲けよ。」― であります。(笑)