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迷惑タクシー、業界が街頭で指導 仙台中心部

 横断歩道上での客待ち、二重になって車道を占拠する“縦列駐車”…。仙台市中心部のタクシーの迷惑駐車に、宮城県タクシー協会が異例の自主指導に乗り出した。客待ちのための路上駐車とはいえ、一般ドライバーや歩行者を無視した悪質な駐車が目に余るためだ。協会の仙台地区総支部は7月、指導委員会を立ち上げて独自の街頭パトロールに乗り出し、悪質なタクシーには“イエローカード”を出している。

 県タクシー協会仙台地区総支部の指導委は、協会加盟47社が管理職1人ずつを指導員として出し、7月10日に発足。街頭で違反運転手の取り締まり活動に当たっている。
 指導委の運営は、協会に加盟する仙台市とその近郊のタクシー会社社長や取締役計8人が当たる。当面の目標は、交差点や横断歩道内、2車線にまたがった駐車など、悪質な客待ちをなくすことだ。

 同月18日に行った1回目の街頭指導では、指導員が仙台・国分町の飲食店街に近い広瀬通や定禅寺通など11カ所に立ち、運転手に協会が作製したビラを配って歩いた。今後も月1回程度、街頭で運転手に注意を呼び掛ける。
 このほか協会職員4人がほぼ毎夜、定禅寺通や広瀬通の交差点で、違法駐車に目を光らせている。指導に従わないタクシーはナンバーを控え、運転手が所属する会社の指導員に知らせて個別に注意してもらった上、協会に報告書を提出させる。

 協会はこれまでも警備会社に依頼して駐車場所を誘導するなどの対策を取ってきたが、一向に迷惑駐車が減らないため、職員を導入した本格的な取り締まりに乗り出した。
 県タクシー協会の成田美朗事務局長は「東北では初めての取り組み。時間はかかるが、粘り強く指導を続け、タクシー運転者のモラル向上に努めていく」と誓う。駐車違反の根絶を目指す警察にとっても「タクシーの迷惑駐車は警察の取り締まりだけでは解決できない問題」(菊地三起郎仙台中央署交通課長)だけに、業界の自主活動を評価している。

 ただ、街頭指導によって迷惑駐車が消えるかとなると、疑問視する声もある。ここ数年は横断歩道上を空けて止まっていると他のタクシーがすぐ入り込むほど客の奪い合いが激しくなり、ルールを守る運転手が損をするからだ。
 仙台市若林区のタクシー運転手男性(58)は「指導員がいなくなれば、また違法駐車を繰り返す。ルールを守れない運転手は解雇するなどの罰則も必要だ」と、強い姿勢で指導するよう訴えている。

仙台市中心部では、片側3車線のうち2車線が客待ちのタクシーでふさがれることも珍しくない=仙台市青葉区国分町2丁目の定禅寺通

2003年08月12日火曜日



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