組織キャンプにおける指導者養成に関する研究



 本研究の目的は、キャンプ指導者養成に資するため、キャンプ経験者の指導者志望に関連する要因を、過去のキャンプ経験及び
カウンセラーとの関係から検討することであった。
 一定の形式で、比較的長期の冒険的キャンプを継続して実施してきた一青少年団体を対象にした。
 調査対象者は、1993年から2000年の間にキャンプに参加した175名(11才から24才)であった。
 回収できた調査用紙から不備のあったものを除き、分析の対象は、最終的に83名(男子48名、女子35名)となった。
 調査用紙は、フェイス項目の他、10項目から構成された。
指導者の志望、キャンプの楽しさ、キャンプの成果、カウンセラーのイメージ、カウンセラーの影響力などが調査された。
 分析の結果、以下のことが明らかになった。

1.指導者を志望した者は、調査回答者の半数程度であった。
2.低学年でキャンプに参加した者より、高学年で参加した者の方が、指導者を志望する傾向が高かった。
3.指導者を志望する者はそうでない者に比べ、過去に体験したキャンプをより楽しかったと感じていた。
4.指導者を志望する者はそうでない者に比べ、カウンセラーに対して「尊敬できる」というイメージを持っていた。
5.指導者を志望する者はそうでない者に比べ、キャンプ中、カウンセラーに対して準拠性、受容性、専門性の影響力を背景とした影響関係で接していた。
6.指導者を志望する者はそうでない者に比べ、カウンセラーの外見的な魅力影響力を弱く見ていた。

 以上の結果から、指導者への志望に過去のキャンプ経験が関係していることが明らかになった。そして、カウンセラーによる影響が関係していることが示唆された。
キャンパーの時のカウンセラーが、キャンパーのことをよく理解し、尊敬できるような存在である場合に指導者を志望する傾向があると思われる。
 また、指導者を志望するということと、実際に指導者になることには壁があるようだ。キャンパーから指導者への移行に際しては、指導者になる時期
(おそらく高校卒業頃)に、すでに指導者になっている人からの声掛けなど、きっかけが重要であると思われる。
 今後は、実際に指導者として活動している者を対象として、その人の現在のキャンプ指導に、キャンパー当時の指導者がどのくらい影響を与えて
いるかを検討してみたい。
そして、世代間で繋がりのあるキャンプ指導について考察を深めていきたい。


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