弾琴の教え・だんきんのおしえ・
  釈尊は、ある時、王舎城・おうしゃじょう・のほとりにある 霊鷲山・りょうじゅせん・に居られました。
  その近くの林では、釈尊の数多い弟子のなかで、最も厳しい荒苦行の修行を行う
守籠那・ソーナ・という比丘・びく・
  精進
・しょうじん・の修行を厳しく行っていました。 比丘とは 男の出家者のこと。
  しかし
ソーナは、苦行ばかりの片寄った修行をしてたのでいまだに解脱・げだつ・の境地には 至れませんでした。
  そんな守籠那は、迷いの心が生じて苦悩していました。
  
 ー自分は、弟子随一というほどの 苦行の修行を重ねてきたが、いまだに 悟りを開くことができない。
     自分には 悟りなど開くことはできないのだ、ならば、もう修行はやめて 家に帰ったほうが良いだろう。
     家には、多くの財宝
・ざいほう・が有るのだから、幸福な生活を 送ることができるし。
     そうだ、自分は修行しても 悟りに至ることができないのだから、、そうするべきなのだ。
と、苦しみ悩んでいたのです。
  この弟子のソーナの苦行を、あたたかく身守っていた釈尊は 
   今、この弟子が大きな危機に襲われていると見抜き、自ら、林の中の弟子
(ソーナ)のもとへ行って、
   慈愛に満ちた口調で釈尊は、弟子の奥の奥の心境を 聞きました。
   そして、釈尊は、
   
 ー守籠那(ソーナ)よ、あなたは、琴を弾くのがたいへんに上手と 聞いていますがと、言葉をいいました
    
ソーナは、ソーナンデス と、答えました。       すいません下手なダジャレで‥‥‥ボサツマン、
   釈尊が言いました。
   
 ーソーナンデスネ、ところで、琴を弾く場合、琴の糸の張りが強い方が 琴はいい音を出しますか?
     ソーナは、糸の張りが強いと、いい音は出ません、と答えた。
  釈尊は、また尋ねます、 
     ーソーナンデスカ、ならば、琴が良い音色を 奏でるには 糸の張りを どうしたらよいのでしょう
ー。
  
 ソーナが答えます、
琴は、糸の張りが丁度良いときに、最も良い音がでます

  そこで、釈尊は つぎのように 教えます
   「守籠那
(ソーナ)よ、修行も琴の糸と 同じことです。
    精進
しょうじん・が強過ぎると 心が緊張しすぎて 伸びる要素である ゆとりや幅が なくなります。
    また、反対に 精進が緩やか過ぎると、心が懈怠
・けだい・に おもむきます。
    ですから、修行でも琴でも1番良いのは、
平等の精進に住して、諸根・しょこん・の平等を 守ることなのです。
    そして、「中」
・ちゅうの相・すがた・を とることを 心がけることなのです」と 諭しました。
   その後、ソーナは、釈尊の教えを実行して、悟りの境地まで 到達したソーナ!
   上記の釈尊の言葉は、「四十二章経」という お経にあります
    「
絃、急ならば、声絶え、絃、緩ならば、鳴らず、緩急宜しきを得て、楽譜皆諧・ととの・うのである

  
 ボサツマンこの丁度良いが 人間けっこう難しいだなあ!
    
あのAさんと、あのBさんを 足して2で割れば 丁度良いのに‥‥なんて、よく言われるが、
    この世は十人十色という言葉の通り、様々な人間がいるので、十人十色では足りないのです。