黄泉の国で 伊邪那岐伊邪那美の神 対面
 伊邪那岐の神 黄泉の国 よみのくに へ出かけて行き 伊邪那美の神に 涙ながらに伝えました。
 
 ー
妻よ あなたが 亡くなった後 私は とても 寂しくて悲しいのです。 妻よ 一緒に 中津国(地上の国)に 帰りましょう。
   
私達 二人が天つ神から受けた 国造り子造りの使命は まだ途中なのです
     私達は まだ 子造りを しなければなりません。 サア 一緒に帰りましょう

  
すると
伊邪那美の神は 言いました
 
 ー愛する夫の言葉 たいへんうれしく思います。  この黄泉の国で思うは 愛しいあなたのことばかりでした。
   私も もう一度 あなたと共になって 国造りをしたいのですが もう
黄泉戸喫 よもつへぐい を 終えてしまいました。
   今
黄泉の国の神に 相談してきますので ここで待っていてください
    その間 私が入った部屋を 絶対に覗いてはいけません。 ここで じっとして 待っていてください

    これからすぐに 黄泉神に 相談しますが あなたが 私の約束を守るならば きっと 私は 戻れるでしょう

  伊邪那岐の神よく わかりました 私は ここで待っていますと 答えた。
  だが 長く待つことが 我慢できない伊邪那岐は ついに 妻との約束を破り
部屋の中を覗きました。
                      
         あらら だめですって 約束をやぶっちゃ‥‥‥ボサツマン
  伊邪那岐が その部屋をそ〜と覗いて見ると ビックリ仰天

  伊邪那美の身体には 多くの蛆
ウジ がたかっていて さらに
  頭には 大雷
おおいかずち   胸には 火雷 ほのいかずち   腹には 黒雷 くろいかずち   女陰には 析雷 さくいかずち  
  左手には 若雷
わかいかずち  右手には 土雷 つちいかずち  左足には 鳴雷 なるいかずち  右足には 伏雷 ふしいかずち
  八種の神が なりたっていたのです。

  
ビビった伊邪那岐は 一目散に逃げだした。 これを知った 伊邪那美は 突然
  あれほど 見るなと 言ったのに 固く約束したのに 私に恥じをかかせたのですね 夫よ怒りだして
  黄泉醜女
よもつしこめ たちを引き連れて 逃げた伊邪那岐のあとを 追いかけて行きました。
  黄泉比良坂
よもつひらさか まで追いかけたが 伊邪那岐は すぐ 千引きの巨岩で道をふさいしまった。
  黄泉戸喫 よもつへぐい を済ませた伊邪那美は 黄泉比良坂(あの世とこの世の境)を 越えることはできません。
            黄泉戸喫 よもつへぐい 黄泉の国の火で 煮炊きされた食物を食べると
もう 地上の国には戻れない。

 黄泉比良坂(あの世とこの世の境)を挟はさんで イザナギとイザナミののしり合い(喧嘩)が始まった。
  伊邪那美は 伊邪那岐にらみ 憎しみ溢れる恐ろしい声で 怒鳴りまくった。
  
夫よ 私に恥じをかかせておいて そのまま 黙って逃げるとは 私は あなたを 怨みます。
    今後は
あなたの国の人草を 一日に 千人づつ 殺すことになるでしょう

 地上の国まで戻り帰り もう怖くない伊邪那岐は 負けずに 言い返した
  妻よ あなたが そういうことをするならば 私は 毎日 千五百の人を 産み増やそう
  これが 二人の 最後の会話になりました。 このあと 伊邪那岐の神は 禊を行いました。
  そして そのみそぎ最後に 天照大御神
月読の命建速須佐之男の命が 誕生したのでした。

  昔から 「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」といわれています。

 
 でもこの件は 伊邪那岐の神(夫)の方が 分
が悪いかも? 妻との約束を違えたのですから。