第22章 海幸彦/山幸彦 うみさちひこ/やまさちひこ
天孫・邇邇芸の命 ににぎのみこと と 妻・佐久夜毘売 さくやびめ との子供は三人。
1人目 火照の命 ほでりのみこと (海幸彦うみさちひこ ) 2人目 火須勢理の命 ほすせりのみこと 3人目 火遠理の命 ほおりのみこと
3人目の子の通称名が 山幸彦やまさちひこ 正式名は 天津日高日子穂々手見の命 あまつひたかひこ ほほでみのみこと 。
この山幸彦の孫まご が 初代天皇/神武天皇 じんむてんのう です。
兄・海幸彦は 鰭の広物・鰭の狭物 はたのひろもの・はたのさもの をとって、つまり、海で漁をして暮らしていた。
弟・山幸彦は 毛の麁物・毛の柔物 けのあらもの・けのやわもの をとって、つまり、山で狩りをして暮らしていた。
こういう所以ゆえん から 海幸彦・山幸彦と呼ばれる。
いいねえ〜海や山 子供の頃の童話 おじいさんは山へ狩りに おばあさんは川に洗濯に… を思い出す‥‥ボサツマン
ある日、
弟・山幸彦は兄に 兄者 道具を交換して 私は海で兄者は山で 暮らしてみようでは ありませんか?と なげかけた。
兄・海幸彦は ほほ〜 それは 面白そうな良い考えだ しばしの間 交換して暮らしてみよう。
大喜びの弟・山幸彦・は 兄の釣り道具を受け取り 海へ一目散に向かい 釣りを行いました。
しかし 見るとやるとでは大違い。まったく 釣れません。
そうこう 悪戦苦闘するうちに 兄から借りた大切な釣り針を 海の中にウッカリ落としてしまいました。
さあ! 大変です!
一方 兄・海幸彦・も 狩りは不慣れなので、やっても・やっても、獲物に逃げられてばかり。
山のなかを ただ歩き回るだけで 収穫はゼロ 疲れ果てました。
まったく 獲物が捕れないので 嫌気がさして 早々と山を降りて 海へ戻ってきました。
オイ 弟よ 山は苦手だ 俺はやはり海が庭だ もうやめた。 さあ 元に戻そうぜ
ナニ 俺の大切な釣り針を 海の中に落とした? どうしてくれるんだ この馬鹿やろう」と 怒りだした。
平身低頭の弟は 兄に五百個の針を 弁償すると言いましたが、
兄はーお前が無くした あの針は 特別な針だ ほかの針では駄目だ 必ず探して 絶対戻してくれーと、冷たく言った。
広い深い海を眺め 途方にくれる山幸彦。 しかし、運命は神のみぞ知るです。
釣り針を海の中に落としたことから 山幸彦の運命は 新たな急展開となっていくのです。
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