薬王菩薩本事品 (4)
世尊 つづける
「今話したように、一切衆生憙見菩薩は、仏に対する本当の供養とは何か と考えぬいた結果、
自分の身に火をつけて燃やして 身を犠牲にすることで法を供養する結論を見出しました。
このように 一切衆生憙見菩薩いっさいしゅじょうきけんぼさつ は、自分の身をもって法の実行を行ったのです」。
でも〜これって 最高の供養と言っても これでいいのかなあ!超ビビッタ‥‥ボサツマン
その一切衆生憙見菩薩の身は、燃えたまま1200年生きつづけ、ついに寿命が尽きました。
しかし、一度寿命が終わった一切衆生憙見菩薩ですが、菩薩は再び、生命を授かったのです。
今度は、日月浄明徳如来の国土の王/浄徳王じょうとくおう の王子として、この世に生をうけました。
その王子が、ある日 父の国王(浄徳王)に向かい、
ー父の大王よ、私は前世で、日月浄明徳如来の許で修行し、現諸身三昧げんしょしんざんまい を、得た身です。
その後も、大精進だいしょうじん を積み尽くして、愛する自分の身を焼き捨てて、法の実行を行いました。
そして私は 前世に供養を行った功徳で 解一切衆生語言陀羅尼 げいっさいしゅじょうごごんだらに も、得たのでした。
解一切衆生語言陀羅尼とは、一切衆生の言葉を聞き、その心の奥を見抜き、適切な教えを説く力のことです。
この力を得たのち、亦々、法華経の教えを数多く聞き学び、実行することができました。
このように私は、本当にありがたい極みの功徳を授かった身なのです。
師匠の日月浄明徳如来にちがつじょうみょうとくにょらい は今も 尚 現においでになられます。
そこで私は、もう一度師匠にお会いして、仏の恩に報いたいと思っておりますーと 申しました。
すると 王子は七宝しっぽう の台座に坐り、虚空こくう へ高く上っていって、仏の御前みまえ に至りました。
仏の御足に頭を擦す りつけ、十の指を合わせて合掌・礼拝し、仏の徳を讃えて、次の言葉を述べました。
ー御仏 おんほとけ さまのお相 すがた は 譬えようがないほどに とても美しく 光明は十方を照らし輝いております。
わたしは前世にて 御仏 おんほとけ さまをご供養申しあげました。 そして 今再び お側近くまで、伺うことができました。
日月浄明徳如来世尊よ おなつかしゅうございますー と。
王子は 前世にて、師匠/日月浄明徳如来の弟子の一切衆生憙見菩薩として修行した身でしたので、
師匠/日月浄明徳如来への 恋慕渇仰れんぼかつごう の気持ちが募り、師匠の許に馳せ参じたのです。
過去世の弟子の恋慕渇仰の心と仏が溶け合う、法悦ほうえつ の世界なのです」。 (5)へつづく