世尊
「さて皆さん、休憩して頭がスッキリしたところで、つづけましょう。
3 正定聚しょうじょうじゅ に入るとは、正しく決定けつじょう した仲間になる、という意味。
仏知見ぶつちけん /仏の眼め で見ると、人間の集団は三つの集合体に区分されます。
1 正定聚 しょうじょうじゅ 正しい教えを 固く信じる者の集団。
2 邪正定聚 じゃしょうじょうじゅ 悪いことばかりを 企む者の集団。
3 不定聚 ふじょうじゅ 善にも悪にも時と場合で変わる集団で ほとんどの衆生たち。
正しい仏の道を歩む者は、自分一人で修行するよりも、同じ志しの仲間同士で行うのが良いのです。
励まし支え合う仲間は、挫けそうになった時でも、法の道からの退転を引きとめあうことができます。
又、普段から仲間同志でいろいろな話をすることで、衆生は切磋琢磨せっさたくま し、成長できるのです。
内面(心)が成長していく道を進むことで、仏の道を歩むことができるのです。
4 一切衆生を救う心を発おこ すとは、私が今まで何回も説いてきたことです。
自他共に救われて、この娑婆国土に浄土を建設しようという大乗仏教の根本の思想をいいます。
この第4は、大乗思想の根本を外してはいけませんよ、という意味です。
根本の思想から離れ、法を求めていくら修行を積んでも、真の功徳を実現することはできません。
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ボサツマン (ハイ手を挙げて)
「世尊、普賢菩薩の四つの行について オイラは次のように思います 聞いてください。
第1の 諸仏に護念せらるることを願うは、自分は仏に生かされていることを、常に心に思っていなさい。
第2の 諸々の徳本を見に植えるとは、 善い行いをするように、常に心がけなさい。
第3の 正定聚しょうじょうじゅ に入るとは、 正しい信仰者の仲間に常にはいっていなさい。
第4の 一切衆生を救う心を発おこ すとは、人につくすことを常に考えていなさい‥‥と オイラなりの考えです。
オイラも、最初から最後まで、世尊の説法を真剣に聞き学んできました。
娑婆世界から時空を飛び越えて、世尊の説法会に参加して、本当に良かったとつくづく思います。
オイラが娑婆世界へ戻っても、この普賢菩薩の四つの行は、忘れることはありません。
そして、オイラは娑婆世界で 法華経の教えを広宣流布こうせんるふ していこうと、考えています。
実は、オイラは世尊の説法を最初から、携帯録音機で録音していたので、
娑婆世界へ戻っても、何回でも聞き直して勉強することができます。世尊、本当にありがとうございます」。
世尊
「ボサツマンよ、よく言ってくれました、うれしいですよ。携帯録音機は初めから分かっていました」。
ゲゲ 録音機・分かっていたのですか これまた、失礼しました‥‥‥‥ボサツマン
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普賢菩薩は 末世において衆生をどう指導したらよいのかを悩んでいたが
世尊から明快な答えを聞くことができて 感激し安堵の表情をうかべ申しました。
「世尊、ありがとうございました。よくわかりました。私はお誓い申します。
後のち の五百歳の濁悪じょくあく の世で、この教えを受持する衆生を必ず守護いたします。
その衆生の諸々の障さわ りを取り除いてやり、安穏あんのん な心で法を実行できるように、いたしましょう。
法を行う人の揚げ足をとろうとする邪心ある者には、けっして、その隙すき は与えません。
法を邪魔する魔民まみん 悪鬼あっき の奴らなどは、絶対に寄せつけません。 「摩/魔事/魔民」
また、この法を行う衆生が、どこの場所ででも、この教えを読誦どくじゅ するならば、
私はー六牙の白象王ーびゃくぞうおう に乗って、大菩薩衆を引き連れ、その場所に現われ
その衆生の修行を褒め称え、立派に修行できる環境を守り、その苦労を慰めましょう。
また、亦法華経を供養せんが為の故なりという教えに感謝の心を伝えましょう」。
世尊
「衆生の皆さん、文殊菩薩もんじゅぼさつ の場合は、獅子しし に乗り登場いたしますが、
普賢菩薩は、六牙ろくげ の白象王びゃくぞうおう に乗って出現いたします。
例えば 獅子は百獣の王で 森の中を自由自在に動きまわり、草原を支配する王であります。
獅子はー真理の悟りの象徴ーで、象はー徹底した実行の象徴ーなのです。
象があの巨体でズシリズシリと進むところ、大木でも岩石でも大きな河でも、敵無しです。
六本の牙きば (六牙)は ー自利・利他の実行の教えーである ー六波羅密を象徴ーしているのです。
これが、六牙の白象王に乗り出現する普賢菩薩が、真理(法)の実行委員長といわれる所以です」。
つづく