世尊
「教えを説いて欲しいと願う梵天王と王子たちに向かい、大通智勝如来は、まづ
「四諦の法門」したいのほうもん を、三通りの方法で説き示しました。
1 示転 じてん 真理を世間の実際にあてはめて、示す方法。 2 勧転 かんてん 教えを、実行するように、勧める方法。
3 証転 しょうてん 仏自身が悟ったことや、実行したことなどの事実を、証明して説く方法。
そしてその次に、12段階ある不変の法則である・「12因縁の法」を、説きました
要は、この世界のすべての現象は、ひとつの不変の法則によって、生じたり滅したり変化している。
この世のすべてのあらゆる変化は、ひとつの不変の法則に基づいている。
この世界のすべてのものは、皆、変化していくのだが、この法則だけは不変である。
※ ジョナサン・スイフト(アイルランド作家/ガリバー旅行記) 「この世で不変なものは、常に変わることだけだ」と言っている。
人間の肉体の生成に、12の「外縁起」がいえんぎ があり、心の変化に、12の「内縁起」ないえんぎ があります。
12の外縁起とは、人間の肉体が、どのようにして生まれ成長して、どのように老死にいたるかを、
三世の因縁説(過去・現在・未来・)で説いている。
12の内縁起は、肉体の変化と共に変化する心の因縁と、迷いを除く根本的な方法を説いている。
迷いを除く根本的な方法を行うことで、心が清まり、安穏な境地に至れるのです。
☆ 12因縁の12の段階とは、
1 無明 むみょう 2 行 ぎょう 3 識 しき 4 名色 みょうしき 5 六入(六根) ろくにゅう・ろっこん
6 触 そく 7 受 じゅ 8 愛 あい 9 取 しゅ 10 有 う 11 生 しょう 12 老死 ろうし
★ 輪廻転生の、輪廻 りんね とは‥‥ 人間は死後どうなるのか?
仏教では、生命は死後も一定の期間は、中有 ちゆうう の身としてこの世に残っている。
中有の期間が過ぎると、前世に積んだ業の果報により、次の世界に生まれ変わると説かれる。
次の世界とはどんな世界があるのか
仏界:菩薩界:縁覚界:声聞界:「天上界」:「人間界」:「修羅界」:「畜生界」:「餓鬼界」:「地獄界」:の十の世界で、
天上界〜地獄界の六つの世界を、六道の世界という。
「六趣/四生」:「六根清浄の六根」:「六つの煩悩」:「六道の世界」:「六波羅密」:「六欲の天界」:
人間の魂がー無明むみょう ーのまま つまり 仏の教えに触れず迷ったままの状態で死ぬと、
又、六道の世界(迷いや苦の世界)に生まれ変わり、12因縁の法則の影響をうけるのです。
つまり、未来永劫に六道の世界を、渡り歩く人生となるのです。
未来永劫に、六道の世界を渡り歩くことを、輪廻転生 りんねてんしょう といいます。
この輪廻転生から抜け出す道は、無明を断ち切ることです。 それは、難かしいことではありません。
無明を断ち切る第1の道とは、ズバリ、仏の教えを聞いて菩薩道ぼさつどう を行うことです。
菩薩道ぼさつどう を行じ、仏の真力しんりき のご加護のもとに無明を立ち切り、自分の魂を清めることで
輪廻転生しない生き方ができるのです。
無明が立ち切れたとは、ー三世の因縁が立ち切れたー、つまり、六根清浄を得たのです。
無明が立ち切れた人間の魂は、善所ぜんしょー良い処ーに生じるのです。 これは真実です。
次に、読経の結びに唱える言葉で、仏教信者の願・行の精神が凝縮されている偈げ を説明します。
願以此功徳 ・普及於一切 ・我等與衆生 ・皆求成仏道 がんにしくどく ふぎゅうおいっさい がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう
読み 願わくば此の功徳を以て 普あまね く一切に及ぼし 我等と衆生と 皆共に仏道を成ぜんことを
この経文は、「普回向」ふえこう 回向文えこうもん などとよんでいます。次は、業を説きましょう」。
つづく 業ごう について