世尊 つづける
「これから私は皆さんに、教えを三つ説きましょう。
1つ目は、悪人でも成仏じょうぶつできるのです。
徹底的に私(世尊)を苦しめた、極悪人の提婆達多でも、修行して心の迷いを取り去ると成仏できるのです。
どんな悪人でも仏性ぶっしょう を必ず持っているので、仏の法を学び修行すると、仏性が輝きだすのです。
その内在の仏性を輝かせるには、五種法師の行を行うことです」。 「五種法師の行」
衆生にとって、本当にありがたい救いの言葉です‥‥‥ボサツマン 「妙荘厳王/善知識を説く」
二つ目は、善知識 ぜんちしき ー良き友であり良き指導者ー について、
正等覚しょうとうかく を成じて広く衆生を救う 是皆 提婆達多が善知識に因るが故なり。
意味:
私(世尊)が、正等覚を成じて、つまり、仏の悟りを得て広く衆生を済度 さいど できるのも、皆
提婆達多という善知識 ぜんちしき つまり、良き友であり良き指導者、のおかげなのです。
つまり、迫害や逆境を耐え忍び修行することは、成仏の縁になるのです」。
あれだけの悪を行った提婆達多を、世尊は怨まずに善知識とは!‥‥‥頭が下がります/ボサツマン
三つ目は 恨みを捨て去るときに、恨みは永久に消滅するのです。
恨みに対して恨みをもって向かっては、いけません。恨みに恨みをもって報いないことが大事です。
恨みに恨みをもって闘うならば、恨みは延々とつづき、永遠に消えることはありません。
恨みは捨て去るのが、一番よいのです。恨みを捨て去るには、恨みを感謝に変えることです。
感謝の心をもつことだけで、恨みは消滅するのです」。
がは〜 恨みを感謝に変えるなど、凡夫にはできません。 世尊にはマイッタ‥‥‥合掌
未来世の善男子・善女人が、妙法蓮華経の提婆達多品を読んだり、聞いたならば
ー浄心に信教し疑惑を生ぜざらん者は 地獄・餓鬼・畜生に堕ちず 十方の仏前に生ぜん。
所生の処 常にこの経を聞かん。 もし 天・人に生まるれば 勝妙の楽を受け もし 仏前にあらば 蓮華より化生せんー
意味:
後の世の善男子・善女人が、今ここに説いている提婆達多品の教えを聞いて 純粋な心で素直に、
ありがたいと感じ、心から信じるならば、その人は地獄界・餓鬼界・畜生界・に落ちることは、ありません。
いくど生まれ変わっても、仏前 ぶつぜん に生まれて、この尊い教えを聞くことが できるでありましょう。
人間界・天上界に生まれたならば、真の魂の喜びを常に味わうことが できるでしょう。
仏の御前に生まれたならば、凡夫の身のまま、仏や菩薩の境界に近づくことでしょうー蓮華より化生せんー。
つづく