世尊、罪について語る
「本当の智慧」の欠乏 (経典より)
ある日、修行中の弟子たちが、聞きました。
「世尊、知らずに犯した罪と、知って犯した罪とは、どちらが重い罪でしょうか?、教えてください」。
世尊、答える
「弟子たちよ、真っ赤に焼けた火箸・ひばし・を、知って握る人と、知らずに握る人とでは
どちらが火傷・やけど・がひどく、大きな怪我となるだろうか?」
弟子、自信たっぷりに答える
「師匠それは、知らずに焼火箸を握った人の方が、大きな火傷をするに決まってます」
世尊は にこにこ微笑んで、仰います。
「そうじゃろう、そうじゃろう。 だから、知らずに犯した罪は、知って犯した罪よりも 深いのじゃ。
つまり、真理を知らないということは、あらゆる罪の源の大きな罪(包み)なのです。
この大きな包み・罪が心を包んでしまうと、真理の光線が心に届かないので、心が暗闇のままになってしまう。
そうすると、その暗闇では、怪物どもが蔓延る・はびこる・ことになる。 これが心の迷いなのです。
心の迷いは、病気・不幸・不和・苦・などを生じることになるのです。
”本当の智慧” を知らないと、あらゆる不完全・不如意・ふにょい・が現れ出てくるのです。
弟子たちよ、真理を知ることで、罪は消えて消滅するのです。
弟子たちよ、阿耨多羅三藐三菩提・あのくたらさんみゃくさんぼだい・を目指して修行をつづけなさい」
弟子、
「世尊、ありがとうございました、私たち弟子1同はこれからも、
経文にある ”多くの菩薩衆が八生に当に阿耨多羅三藐三菩提得べし‥” を忘れることなく、
たとえ、八度も生まれ変わろうとも、修行に励み 最高の仏の悟りを得ることを目指していきます」。