論語 (4)
○ 孔子曰く 益者三楽さんらく 損者三楽さんらく ー人には 益になる楽しみ 損(害)になる楽しみ それぞれ三つあるー
「礼楽れいらく を節せつ に楽しみ 人の善ぜん の道を楽しみ 賢友けんゆう 多き楽しみは益なり。
騙楽きょうらく を楽しみ 佚遊いつゆう を楽しみ 宴楽えんらく を楽しむは損なり」
意味:
生活に必要な 秩序や和合を得る礼や楽を楽しむこと 人の善行を褒めあげ 他の人にも知らせて楽しむこと
多くの賢い友人たちと 楽しむこと この三つは益の楽しみである。
これに反して 驕おご り高ぶる心で 人を見下して楽しむこと 怠なま けて遊び呆ほう ける楽しみ
酒を楽しむあまり 酒欲に溺れてしまう これらの三つは損の楽しみである。
○ 孟子 もうし の三楽
「君子に三楽あり。父母 共とも に存し 兄弟 故こと なきは 一楽。
仰いで天に愧は じ(恥じ)ず 俯して人に怍は じ(恥じ)ざるは 二楽。
天下の英才を得て これを教育するは三楽なり 然しか しながら 天下に王たるは あずかり存ぜずなり」
意味:
両親が健在で 兄弟もそろって元気なこと まっとうな生活をしていて 天地にはじることがないこと
天下の英才を教え育てること 孟子はこの三つの楽しみを「人生の至福」と論じている。
天下に王たるは あずかり存ぜずの意味は 王となって権力を振うのは 人生の楽しみではないの意味。
○ 子夏しか 曰く 君子に三変あり
「之を 望むときは 嚴然げんぜん たり 之に即そうときは温おん なり その言を聴くときは烈はげ し」。
意味:
君子の人に与える感じには 三つの変化がある。 君子を遠くから見ると 嚴然とした風格がある。
君子に接してみると 人情味があって温かな人柄である。 君子が説く時は 身が引き締まる激しさがある。