如来寿量品 (20)
 経文: 父作是念 此子可愍 為毒所中 心皆顚倒 雖見我喜 求索救療 如是好薬』   ★21ここの経文
 「父 是の念を作さく この子等をあわれ むべし に中やぶ られて皆 顚倒てんどう せり。
  我を見て喜び
 救療くりょう 求索もと むといえど  の如ごと き好よ き薬を しか も肯あえ て服せず。
  我
今 当
まさ  方便ほうべん を設もう けて 此の薬を服しむべし。
  即ち
是の言葉を作
さく 汝等なんだち まさ に知るべし。 我 衰老ろうすい して 死の時 すでに 至りぬ。
  是の好
良薬ろうやく を今留とど めて ここに在く。 汝 取って服すべし えじと 憂うることなかれと。
  是の教えを作
おわ   また 他国たこく に至り 使いを遣わして還って告ぐ 汝が父すでに 死しぬと」
  

  世尊                                                  「三宝印般若心経の顚倒
 「医者の父は思いました ああ!可哀そうに 子供たちの身体に毒が回り 心が顚倒てんどう しているのだ。
  帰宅した父の顔を見て喜び
早く治療して毒を消して助かることを願い 希望しているはずだが
  父の調合したこんな良い薬を
なぜ 飲もうとはしないのだろう。
  父は
子供たちを早く助けるために なんとかして 子供たちに薬を飲ませてたいのです。
  そこで父は
子供たちが必ず薬を飲むよい方法はないものか? と考えました。
  良い考えが思いつきました。
 父は子供たちに言いました。
  子供たちよ
父の話をよく聞きなさい。 私は年をとっているので死期が近いのです。
  それでも
今又 用が出来たので 他国へ仕事で行かなければなりません。
  それで
この良い薬をここへ置いておくから 必ず 自分で取って飲むのですよ。
  この薬を飲むと
必ず治るのだから ちゃんと飲むのですよ と父は子供に言い聞かせ他国へ出発しました。
  そして
方便として 旅先から使いの者を 家に遣わせたのです。
  使いの者から
父上はお亡くなりになりました と子供たちに告げさせました」。
                え~!世尊 そんなはだめですよ 仏の教えの話なんですから‥‥‥‥ボサツマン
 世尊ボサツマンよ なにも慌あわ てることはありません。この話はまだ続くのです‥‥
               あ ハイ オイラは 思ったら我慢できず すぐ口に出しちゃうタイプで すみません‥‥‥‥ボサツマン
  世尊 つづける
 「父
毒に犯されて 心が顚倒てんどう している子供達衆生等に 良い薬を与えようとします。
  父は
 この薬を飲んで早く病の苦から離れるのだよ と教えるのだが 子供たちはアッチャ向いています。
  この子供たちは
父が勧めた尊い価値のあるもの良い薬 全然 理解しようとしません。
  なぜなら
 この子供たちの心が 顚倒てんどう しているからなのです。
  それでも 父
ああ!かわいそうに 慈悲の心をもって 必ず助けるぞと固く決めています。
  あらゆる手段を考え尽くして
子供たち衆生たちを救おうとするが
  残念ながら
子供たちは 父の調合した薬を飲んでくれません。
  そこで父は
 旅先から方便として 父は死んだと子供たちに 伝えました。
  仏が
滅度この世から姿を消すすることは 方便としての 衆生を救うひとつの手段なのです。
  仏が
滅度すると 衆生子供等は もう頼る人がいなくなったので もう甘えることはできません。
  これからは
自分ひとりで生きていかねばなりません。
  これが
人間が成長できる道 つまり 仏の導きの道なのです。
 滅度とは 仏が衆生を教化するうえで 最も痛切な手段であり 最も慈悲に満ちた手段です。
  仏が姿を消してしまうと
仏の教えはいつでも聞けると思っていた衆生ノンビリ屋さん
  仏の教えに厭きてしまった衆生
怠け屋さん これじゃまずいと 真剣に教えを聞くようになります。

  顚倒とは ものごとを真理と逆に考えて 実相じっそう を見まちがうことで 四つの顚倒があります。
  
常顚倒 じょうてんどう  無常むじょう 変化するもの じょう 変化しないと見る顚倒。
  
顚倒 らくてんどう   なものを 一時的現象だけ見て らく と考える顚倒。
  浄顚倒
じょうてんどう  不浄なものを 表面の姿だけを見て じょう と考える顚倒。
  
顚倒 がてんどう   世の中は諸法無我しょほうむが なのに 自分中心で成り立つと考える顚倒。     つづく