如来寿量品 (25)
経文: 『衆生見劫盡 大火所焼時 我此土安穏 天人常充満 園林諸堂閣 種種宝荘厳…』 ★29「ここの経文」
「衆生 劫こう 尽きて 大火に焼かるると見る時も 我が国土は安穏にして 天人常に充満じゅうまん せり。
園林おんりん 諸々の堂閣どうかく 種種しゅじゅ の宝にて荘厳しょうごん し 宝樹花果ほうじゅけか 多く
衆生の遊楽ゆうらく する所なり。 諸天しょてん 天鼓てんく を撃って 常に 諸々の伎楽ぎがく を作な し
曼陀羅華まんだらけ の雨ふらして 仏 及び 大衆に散さん ず」
「天上界」:「人間界」
世尊
「衆生の目には 劫こう 尽きてしまう(劫盡)時代に見えても つまり 世界全体が大火に焼かれて
この娑婆世界が終焉しゅうえん であると衆生の目に見えても 仏の国土は 安穏あんのん の状態のままなのです。
仏の国土は 未来永劫みらいえいごう に安穏あんのん な世界であります。
仏国土では 天上界の者や人間界の者が たくさん集まり住んでいて 楽しい生活を送っています。
美しい花園もあります 静かな林もあります 立派な建物もたくさんあります。
それらは 皆 宝玉ほうぎょく で飾られていて まばゆく光輝いているのです。
樹木には きれいな花が咲き乱れ 豊かな果実が たわわに実っています。
その木の下で遊ぶ衆生たちには 何の憂いも ありません。
諸々の天人てんにん たちは 天の太鼓をうち鳴らし 妙たえ なる音楽を 奏かな でております。
天人たちは 曼陀羅華まんだらけ の花を 恵みの雨のように 仏と衆生の上に 散々と降らしています。
仏国土は このように 未来永劫 たいへんに美しくて 平和な世界なのです。
この娑婆世界/現象世界がどんなに変化しても 仏国土(実相世界)は 永遠/不変/不滅の世界なのです。
つまり この世は 常に変化する 無常むじょう の世界なのだが 仏国土は 不変の世界なのです。
仏国土/実相界は 永遠に変化することなく 常に美しく清らかで 楽しい世界なのです。
実相界を 寂光土じゃっこうど ともいい 極楽浄土ごくらくじょうど のことです」。 つづく