カツ夫人
田中カツの肖像

 カツは嘉永2年(1849)、隣村である安蘇郡石塚村(現佐野市石塚町)の紺屋染物業大澤清三郎の二女として生まれ、文久3年(1863)15歳で正造(23歳)と結婚。夫人は、正造を助けて明治34・35年の一時期、鉱毒被害地に住み込んで救済運動に従事した。
 明治43年、姑(義母)の死後は桐生町の姉宅に身を寄せていたが、大正2年8月、下羽田の庭田家で正造が倒れた報に接し、早速駆けつけて臨終まで献身的な看病を行った。
 晩年は妹の住む田沼町の八下田家の隠居所に住み、周囲の人々の尊敬を受けながら、正造没後23年目の昭和11年(1936)1月にに88歳で死去した。
 カツの生家は、田中正造旧宅から北方へ約3.1kmである。