谷中村連絡ノートより
平成12年(2000)
 栃木県下都賀郡藤岡町・渡良瀬遊水池内の足尾鉱毒事件に巻き込まれて廃村となった谷中村遺跡を訪れた人達が、延命院墓地跡に設置の「連絡ノート」に記した熱き思いを転載してあります。
年月日記          事記入者
H12.1.1  渡良瀬遊水池には幾度か来ましたが、ここ谷中村跡には初めて来ました。田中先生の命を賭して公害問題に取り組んだのには感銘しています。いまだに今日の問題とつながる大事なことと思います。
 この遺跡を大切にしたいものです。そして田中先生の心を少しでも引き継いでいきたいと思います。
松戸市
岡済生
H12.1.1  友に誘われるままに来ました。帰宅したら本のページをめくって見ます。2月には足尾銅山に行く計画もされています。 東京都
藤尾啓二
H12.1.3  未来への知恵めぐり、グレゴリー・マイケル・グレッグとここに来ました。12月26日に足尾鉱毒のことをグレッグは外国人の目を透して、インターネットを介し世界中の子供たちに発信しています。
 「田中正造」の心が日本や世界の子供たちにどのように伝わるでしょうか…
 この2日間(12/26、1/3)で多くの方々にいろいろな話を伺いました。案内していただいた方々に心からお礼申し上げます。
   
H12.1.4  強風、新しき年の初めのいかしけ吉事。谷中湖を一周しようかと思って来ましたが、すごい風です。でも、2時間くらい歩きました。改めて広いですね! N.A
H12.1.4  初めてここを訪れました。後世に伝えていくべき鉱毒事件の地が荒れ果てているのに驚きました。何か保全する計画があるのでしょうか。 埼玉県浦和市
戸塚
H12.1.5  ここにきてとてもべんきょうになりました。こうずいになったとき、かわいそうでドキドキしました。 日だかりほ
小学2年
H12.1.5  こうずいのことをきいて、むねがドキドキしました。うちんちもこんなことがあったらやです。 長野愛(2年)
H12.1.5  こんな近くに、生きた勉強のできるところがあるとは知りませんでした。昔学んだ「足尾銅山事件」が今日初めて分かりました。また来ます。 浦和市中尾
長野秋生
H12.1.6  田中正造は公害の原点であると同時に、教育の原点でもあると、本を読みながら思うようになりました。やっと田中正造の辛酸を読んで谷中村を訪れることができ、谷中湖を見ると深いため息とともに怒りがこみ上げてきます。田中正造と谷中村民の意志を2000年に生かしていきたいと一人からの行動を考えています。 我孫子市
古高
H12.1.7  僕の家は直ぐ近くです。いつも遊水池には散歩できていますが史跡ゾーンにきたのは初めてです。こんなに近くに日本で初めての公害があったことを知ってビックリしました。自然の中にはお墓や役場があって昔の様子が頭にうかんでくるようです。この自然を大切にしなければいけないと思いました。 北川辺
東小学校
増田大介
H12.1.9  今日は娘たちとここへ遊びに来た。娘たちは元気に笑いながら遊んでいた。洋服にコーラのシミができた。その娘たちの笑顔を見ると、とても心が和む。娘たちが無事でいることが何よりも私の幸せだ。   
H12.1.10  歴史ある者に感動しました。遺跡には残るものがあります。いつまでも保存をして頂きたく思います。孫たちが来たときも同じ感動を与えたいと思います。 栃木市
前野
H12.1.18  晴れ、一人で立っています。父と母(故人)の生まれた土地に…また来ます。 フミ
H12.1.22  本日、佐江衆一講演会あり。「田中正造と私」古河市会場にて
 http://www.ryomonet.co.jp/mo/mo/index.html
M.O
H12.1.30  春のような暖かい日、谷中の景色もだんだん春らしくなってきました。2月13日に板倉公民館で田中正造に関するパネルディスカッションが行われます。 M.O
H12.2.6  小学校の同窓会15名にて来ました。感動しました。田中先生のような代議士のいない世の中が残念です。 65歳
H12.2.12  山崎豊子の本を思い浮かべました。目の前に風雪に耐えた墓石を見つめ、子どもたちと感慨にふけりました。   
H12.2.12  孫と共に来ました。歩き出し涙が止まりませんでした。日本人として心から誇りに思える出来事です。田中正造先生を中心に村人の勇気ある行動、私自身力を頂きました。民主主義のスタートを作ったこと、今の国会議員に一人でもこのような人がいたら日本の将来は明るいのですが、がんばってほしいです。 杉戸市
白石
H12.2.12  明日は川俣事件から100年の日、雲龍寺から当時を再現した農民等(谷中村民を含む)が川俣まで歩く。また板倉町でもシンポジウム、佐野市でもシンポジウムと改めて環境問題を議論する一大催事が挙行されます。日本の公害の原点であり、行政代執行(1号)とも聞いています。後世まで皆で語り継ぎ、2度と環境破壊をくりかえさないよう我々に課せられていると思います。 板倉町
長沢
H12.3.21  ヨシ焼きした跡を歩いてみる。夏場は見られない墓石を見つけた。かってはもう少し大きな寺だったのだろう。
   田中正造大学 学生 坂原辰男
   
H12.3.28  関東平野にこのような地があるのを知って、足尾鉱毒問題を再認識させられました。驚きました。田中正造と川俣事件の方々、そして谷中村の方々の思いをからだに刻み込んだつもりです。雨の中… 狛江市
高橋 庸
H12.4.22  佐野日大高の飯田さんの案内で東京私退教の一行21人の一人として初めてここに来ました。美しい田畑を汚されることへの怒り、田中正造のがんばりも体でわかってきました。守る会も針谷さんをはじめ良い仕事をされていますね。感謝します。追伸;ゴミは持ち帰って! 遠山
H12.4.29  国語教科書の「田中正造」も消え、何か過去を忘れるような現在、全教教師として退職までやりぬく決意を固めました。 黒磯市
斉藤
H12.5.7  東京の学生です。実家のある佐野市から東京へ自転車で帰る途中、偶然立ち寄りました。20年近く栃木に住んでいながら谷中村跡の存在を今日初めて知りました。改めて足尾鉱毒事件、田中正造について調べてみたいと思いました。(中略)守る会の皆様大変ご苦労様です(攻略)    
H12.5.18  近頃、私の勉強会では、公害問題の議論が活発に行われています。様々な資料に目を通していくうちにどうしても「ここ」にこなくてはならないような気持ちになり訪れました。「ここ」にも数十年前まで人々の生活があったのですね。何とも感慨深いものがあります。これから足尾へ行って来ます。また初冬に訪れる予定です。 岩槻市
関根明子(27)
H12.8.13  疑問、なぜ近隣の市町村特に藤岡町は世界に誇れる公害の文化遺産をもっと高く評価し町の宝として残し繁栄させないのか。当局の考えがとれないでしょうか 世田谷区
金 昭二
H12.8.14  谷中村遺跡は21世紀にそのまま残したいものです。公害問題の原点として自然を守る教訓にしたいものです。効果のない浄化施設建設は第1期で終わりにして、無駄な公共事業の見直しを進めるのが今の世界の流れですから 東京都
木村陽治
H12.8.19  遺跡を守る会のお骨折りに感謝します。折にふれて参ってはおります。記帳するのは初めてです。
   遺民の子孫の一人 沖縄大学教授 宇井純
   
H12.8.21  北海道酪農学園大学から来ました。環境問題を勉強しています。谷中村を通じて行政、住民たちの関係を学び、北海道の公共事業を考えていきたいです。矛盾ばかりの世の中をどうしましょうか?酪農学園は熱い連中がそろっています。
   環境システム学部地域環境学科11人
 http://www.rakuno.ac.jp/index.html
   
H12.8.26  正造の生誕地佐野から来ました。「谷中村だより」というものが今でも発行されていることにビックリしています。今後も続けてください。 小野外2名
H12.8.26  国語の教科書で見たことあるけど本物は、ヤッパりちがいました。すごく悲しくなりました。 持田(中2)
外2名
H12.9.3  久しぶりに歩きに来ました。何度来ても、ここにたたずんでいると悲しくなってきます。昨日八千代町図書館で鉱毒事件を題材にした版画展を見てきました。涙が出てきた。この遺跡いつまでも… 総和町
佐々木
H12.9.21  今年は天候の具合もよく、彼岸花が今までになくよく咲きました。 守る会
H12.9.24  彼岸花 今を盛りに丘を染め
 雨ひとしきり 原静かなり
A.N
H12.10.2  10年前、北川辺町に転居し、最初に来た場所で田中正造先生のことを知り、恥ずかしい思いもありながら、大変な御苦労をされて今の時代があるのだと感謝の気持ちです。
 少しでも世の中の人々に先生外の皆様のされてきた足跡を伝えられたらという思いでいっぱいです。
北川辺町
田中英之
H12.10.9  忍(10)=土地全たいが、しずまっていて、ひがん花などがあって、少しぶきみだったけれど、話をきくと村に住んでいた人たちが、とてもかわいそうに思える。
 真弓(12)=しずかで、村人たちがなくなったのを、なんか悲しく思います。10円をつくるために、人々が死んでいくなんて許せません。
 佳(10)=どくがひろまって、作物などがとれなくなり安全なふつうのとちに、ひっこしたり自分の家からはなれて、くらすのはかわいそう。
  
H12.10.15  くやしさを語る墓石が生きている
 コスモスの花に聴きたい 地下の声
 鉱(公)毒に病されて逝く 民の声
東京
辰沼あきら
H12.11.4  今年は彼岸花がよく咲き、あとに芽が元気よく育っています。来年はたくさん咲くでしょう。 守る会
H12.11.5  本日、花企画本隊、谷中村に着く。「明治の柩」をより良いものにするべく精一杯演じようと思います。 杉田 圭
H12.11.12  第5回かながわ反戦ツアー、かながわ平和憲法を守る会 16人参加    
H12.11.22  先日、大学の講義で足尾銅山鉱毒事件と田中正造の関わりについての授業があり、その犠牲として谷中村が廃村になったという事実を知り、大変ショックを受けました。谷中村の史跡が保全されているとの話を聞いたので、講義の合間に見学に訪れました。
 私は大学で主に環境問題を学んでいますが、足尾銅山での問題は日本で第1号の公害問題であり、後世まで語り継がなければいけないと思います。「谷中村の遺跡を守る会」の皆さん、いつまでも谷中村を守り訴え続けてください。
   
H12.12.2  平成12年7月に、映画を鑑賞したので来ました。今の世も金力と権力時代で、貧しい人には生活しにくい時代です。 結城郡
八千代町
H12.12.20  30年前現地を視察し勉強になった。今日、昔を思い出して線香をあげに来ました。身体障害者で杖をついて参りました。大変環境も整備されて満足に思います。もっと老人や身体障害者が気楽にお参りできるようお願いします。 小山市住人
H12.12.26  以前から興味を持っていましたが、今日ここに来てやっと体で感じることができました。当時の方々の気持ちを思うと、とても悲しくなると同時に、今に生まれた自分がとても幸福だと思いました。後世に残し伝えていって下さい。 24歳
フリーター