吉夏社(kikkasha)
【アメリカ文学・ユダヤ文学・ホロコースト】 |
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愛されえぬ者たち
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ホロコーストと〈記憶〉 絶滅収容所へと向かう、 ある少女の日記 ●ナチ支配下のチェコ。子供の頃から性に強い関心を抱き、生きるために17歳にして娼婦となったユダヤ人少女が、ドイツ軍将校や長老者会議のメンバーなどを相手にしながら、収容所に移送されるまでの数カ月間、自らの存在を日記に刻印する。生と死、性と愛を織りまぜ、〈記憶〉のあり方を追求した第一級のホロコースト小説。全米ユダヤ図書賞小説部門受賞作。 (原著の英訳版初版刊行は1985年) |
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著 者 |
アルノシュト・ルスティク Arnost Lustig アメリカのユダヤ人作家。1926年、チェコのプラハに生まれる。ホロコーストの間は、テレージェンシュタット、アウシュヴィッツ、ブーヘンヴァルトの収容所を生き延びたあと、処刑のためダッハウへ移送されることとなったが、途中で移送列車から脱走することに成功し、反ナチ抵抗組織に加わった。戦後、執筆活動を開始し、1970年に米国アイオワ大学国際創作プログラムに招かれたのち、ワシントンDCのアメリカン大学で30年以上にわたり文学教授を務めた。現在、同大学名誉教授。全米ユダヤ図書賞、エミー賞、カレル・チャペック賞など、欧米において数々の権威ある賞を受けているホロコースト作家である。 主な作品に、『闇に影はない』、『一口の食べ物』、『カテジナ・ホロヴィツォヴァのための祈り』(以上、恒文社)、『ディータ・サクソヴァー』、『愛らしい緑の瞳』などがある。本書『愛されえぬ者たち』は、1986年度全米ユダヤ図書賞(小説部門)受賞作品。 |
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目 次
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第一部 第二部 第三部 訳 註 訳者あとがき |
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関連書 |
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書評・紹介 |
『図書新聞』2007年6月9日号(書評) 《二〇世紀が二〇世紀たる根本的なものを内包した物語 ――「歴史における人間」の自由とその省察》 この人は実際にどういう人であって、どういう人でなかったかと、万人に対して最終的に審判を下せるのは死だけなのだ。そのときはじめて、生について知ることができる――そう本書は物語る。それは二〇世紀が二〇世紀たる根本的なものを内包した、ルスティクの歴史経験の真実だった。彼は現代に、その経験の意味を問いかける。 【米田綱路氏評】 |
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リンク |
Northwestern University Press |
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