吉夏社(kikkasha)


【演劇、戯曲】


カバー写真

KAN-KAN男

佃典彦

四六判・上製・230頁
定価
本体2000円+税

ISBN4-907758-02-2


在庫あり







シニカルでナンセンスな不条理劇
●読売演劇大賞優秀作品賞、劇作家協会優秀作品賞(決定版が本書)などを受賞した、劇団B級遊撃隊主宰の劇作家による作品集。表題作は、二人の鉄道職員が真夜中の踏切で繰り広げるちょっぴり怪しくて不気味な物語。
 併録する『カレー屋の女』は、女性だけが住む小島に足を踏み入れてしまった一人の男が体験するホラーな物語。





著 者  

佃 典彦
Norihiko Tsukuda
 
一九六四年、名古屋市に生まれる。劇作家、俳優。劇団B級遊撃隊主宰。名城大学演劇部を経て八六年に劇団B級遊撃隊を旗揚げ、以後「観念的な構造を具体的なシチュエーションで包み込むシニカルでナンセンスな不条理劇」を展開し続けている。
【主な受賞歴】
一九八七年、第三回名古屋市文科振興賞
一九九五年、平成六年度名古屋市芸術奨励賞
一九九六年、第二回劇作家協会優秀新人戯曲賞
一九九六年、第四回読売演劇大賞優秀作品賞
二〇〇〇年、第六回劇作家協会優秀新人戯曲賞
二〇〇一年、第五回 松原英治・若尾正也記念演劇賞

劇団B級遊撃隊
 
一九八六年、名城大学OBの佃典彦、神谷尚吾らを中心に旗揚げ。
 一九八九年に東京に、九一年に大阪に進出し、九二年からは下北沢に定着する。年一回のホール公演とアトリエ公演をベースに活動。また名古屋、東京などの各地の演劇祭、フェスティバルへも参加している。
 まるでアドリブのような手口で、不条理世界に切り込んでいくのが特徴。シニカル、ナンセンス、不条理劇を得意とする劇団。



目 次  

KAN-KAN男

カレー屋の女

あとがき
上演記録



著者あとがき  
 九五年の初演の時、この作品はベッドの中で書かれた。十二指腸潰瘍でぶっ倒れた僕は点滴の管をぶら下げながら、他の入院患者がいる病室(六人部屋だった)でバラバラ死体の部品を集める話を書いていたのだった。その頃はまだワープロを使っていなかったのでベッドの上は消しゴムのかすだらけ。看護婦さんに叱られた。当然病室だから消灯時間も早い。ベッドの小さいライトを頼りに夜中(といっても十一時頃)にコソコソ書いていて看護婦さんに叱られた。



  




リンク  

劇団B級遊撃隊