Succubus Quest 短編 老司書の短い夢

Side Ayxect(Girl) and Lars and Elvin

- 剣と槍 -

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…目が覚めると、私は女になっていた。

何もかもが、分からない。
本来は男性であるはずの自分がなぜ女性の身体になっているのか、
何故こんなにも身体が火照っているのか。
何もかもが既に曖昧でおぼろげな記憶となり、消え入りそうになっている。

私は誰?
―――私の名前は、アイゼクト。
フルネームは、アイゼクト・ヴィルノイズ。
…ただ、それ以外の私自身についての記憶は
すっぽりと抜け落ちているかのように茫漠としており、虚ろだった。
―――何も思い出せない。
私の、かつて在ったはずの記憶はどこかに消え失せてしまっていた。

いや、これは記憶を失っているというよりは、むしろ
偽りの記憶を本来の記憶の上にべったりと貼り付けられたような…
あたかも、今まで歩んでいた人生を何者かによって
部分的に上書きされたような印象に近い。
そんな違和感を覚えつつも、私は
本来あるべき記憶をどうしても取り戻せなかった。

いつから私は女だったの?
いえ、私は最初から女だった?

そう錯覚してしまうほどに、混乱する私。

そんな私の目の前には…端正な顔立ちの赤い髪の青年が一人。
そしてもう一人、精悍な顔つきの金髪の青年が一人。
私はその二人を知っていた。
二人の名前も、性格も、喋り方も、癖や能力や弱点に至るまで。

なのに、何故だろう?
以前とはまるで違った印象を二人からは受けた。
曖昧な私の記憶を頼りにするならば、別人のように思える。
そう表現するのが最も妥当なところだった。

私の目から公平に見て…共に、とても男性として魅力的な…
それぞれタイプは違うけれど、抱かれたい、とさえ思わせる風貌。

今の私は浮かぶ疑問をどこかに置き去りにしていた。
目の前の男たちの姿に目が潤み、頬が赤く染まるのを自覚するばかりだった。
私の身体はただひたすらに男を求め、熱い肉欲が、激しい劣情が
自らの内側から溢れんばかりに滾っている。
私はそれをはっきりと、頭だけでなく全身で感じ取っていた。

先程から我慢していた感情はいよいよ爆発し、私はたまらず彼らの名前を呼ぶ。

「ラルスさん、エルヴィンさん、私…」

―――そこで私の自我は完全に崩壊し、自らの内に眠る淫らな何者かに
身を委ねてしまうのだった。



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アイゼクトは虚ろな双眸で二人の男の逞しい身体に見とれていた。
発する言葉もどこか虚ろで、まるで夢に溶け込むようにふわふわとしていた。

ラルスは困惑していた。
エルヴィンは不審に感じていた。
二人は、熱い瞳で自分たちを見つめるアイゼクトに異常なほどの違和感を覚え、
そしてその理由に一つの心当たりがある事に、同時に気づいた。

―――夢魔と交わった男性は、そのあまりに強い快感のため、
廃人となってしまうか、人間の女性と交わる事ができなくなる。

また、夢魔と交わった女性は…夢魔となる。

いつか王立図書館で読んだ文献、賢王マグナスから聞かされた話。
そして…オリビアの悪夢。

それら全ての事象が符号し、今この目の前の現実…いや、夢ではあるのだが…
目の前の事実に気味が悪いほど当てはまる事に。

「オイ、こりゃぁ…もしかして、嬢ちゃん」

エルヴィンの言葉に対し、ふるふると首を横に振るラルス。
オリビアがエストに犯され夢魔と成り果てた、あの忌まわしき記憶を
蘇らせているのだろうか。
認めたくない、と言わんばかりの悲痛な瞳を以って、
ラルスはエルヴィンの言葉を制した。

「…だよな。オレも同じ気持ちだぜ、ラルス」

エルヴィンも反吐が出る、と言いたげに吐き捨てた。
これが悪い夢であってくれれば。そう思うも非常な現実は迫ってくる。
艶かしく微笑いかけ、自分たちを誘惑するアイゼクトの姿に
エルヴィンは思わず顔をしかめた。
だが、ラルスは認めざるを得ない事実に、ある種の覚悟を決めた。

「………ラルス?お前、まさか嬢ちゃんを」

意を決したかのように、ラルスはアイゼクトに向き直り
真っ直ぐな瞳で彼女を見つめた。
その力強い瞳には、魔王の力…かつてルヴィッサがラルスに与えた
夢をも退ける深き闇を宿していた。

アイゼクトはそんなラルスの視線に嬉しそうに微笑み
きて、と呟いた。
ラルスはコクリと頷き、彼女の望むように…
愛して、斃す。
そう強く心に決めたのだった。

だが一方でエルヴィンは未だ逡巡していた。
当然だ。
純朴な少女…しかも普段は年上の自分たちを易々とあしらうほどの
理知的な彼女が、夢魔の力によってとはいえ、
かように卑しい姿を見せているのだから。

胸糞が悪くなるぜ、とエルヴィンは心の中でだけ呟く。

何故なら、誰よりも夢魔の侵食によって苦しんでいるのは、
他ならぬ彼女自身のはずだからだ。

そして軽く憤慨もしていた。
ラルスが、あまりにあっさりと。
あまりに簡単に、彼女と…身体を重ねる事を選んだ、その事実に。

勿論、それには理由があり、ラルスなりの悩みもあり、
苦しみがある事は分かっていた。
それでも、オリビアを一途に愛するエルヴィンにしてみれば…
その選択は、本当に最後の最後の、止むに止まれぬ手段だと、
そう思っていたからだ。

自分が今ラルスに協力し、彼女と交わろうとしないのも
全てはそこに起因していた。

エルヴィンは、あまりに生真面目な男なのだ。
ラルスを置いて他にいるとすれば、誰よりも強くオリビアを愛するが故に
彼女以外の女性に対して軽々しく身体を許す事など、あまりに耐え難い事実だった。

ましてそれが、ただの淫らな夢魔であるならまだしも…彼女のように
純朴で清楚な少女であるなら尚更の事だ。
たとえ夢魔になりつつあるとはいえ、彼女の純潔を
そのような形で奪う事は…極力避けたかった。

自分自身へのオリビアの想いのため。また、彼女の貞操を守るため。
エルヴィンは、彼女と交わる事を、頑なに拒んだ。

だが現実は無情にも、ラルスのみならずエルヴィンの身体をも犯そうとしていた。
アイゼクトはラルスと軽くキスを交わした後、すぐにエルヴィンのほうへ向き直り…
きわめて迅速に、そして有無を言わさず彼の唇を奪ったのだった。

「ぐむっ…!う、むっ…」

アイゼクトの激しい接吻。
ラルスのときとは違い、舌を絡みつかせるディープ・キスだ。

「ちゅっ、ちゅぷっ、ちゅぶっ…ちゅぶぅうっ、れろっ、れちゅうっ…」

淫猥な水音がエルヴィンの口内で響き渡る。
口から耳に抜けるように、唾液の絡み合う音がエルヴィンの聴覚を刺激し、
彼の理性を粉々に破壊していく。
エルヴィンは何故か身体に力が入らず、彼女のいいように弄ばれる自分を
口惜しく思いながらも、その甘い口漬けに恍惚となってしまうのだった。

「うっ…く…」

エルヴィンは年下の、それも普段は決してこのような淫らな真似を
するはずのない少女に翻弄される自分に激しい羞恥を覚えていた。
流石のラルスもそれには驚いたようで、思わずアイゼクトの攻めに対して身構えた。

だがアイゼクトはラルスに対してはまるで攻めてこようとせず、
むしろ自分が攻められるのを待ち望むかのようにくすくすと笑いながら
ラルスを焦らすのだった。

ラルスは戸惑いの表情をエルヴィンに向けた。
自分から攻めあぐねた彼は、親友の助けを借りる事でこの膠着状態を
何とか打開したいと考えたようだ。しかしエルヴィンは
アイゼクトの攻めにより全身の力を抜かれて茫然自失としていた。

ラルスが動けずにいると、アイゼクトはラルスのほうを見ながら、
再びエルヴィンに迫るのだった。まるで、ラルスに対して見せ付けるように。

エルヴィンは一切の抵抗を許されず、ただラルスに対しての
誘惑の道具と化していた。アイゼクトは出来る限りゆっくりと、
ラルスからよく見えるように意識しながら…いや、無意識なのかも知れないが、
エルヴィンの服をはだけさせていくのだった。

エルヴィンの、鍛え抜かれた肉体が露になる。ラルスよりも一回り大きく
分厚い胸板と引き締まった筋肉が、その力強さを物語っていた。
アイゼクトは彼の身体に思わずほぅ…と溜め息を漏らした。

そして一言、ぼそりと呟く。

「素敵なカラダね…♥」

エルヴィンは自分が褒められている事を自覚しながら、激しい嫌悪感を募らせていた。
しかし、自分の意志とは裏腹に身体はまるで言う事を聞いてくれない。
これが…夢魔となった少女の魔力だというのか。
かつて自分がエストの配下のサキュバスに襲われた時の事がフラッシュバックする。

(ちっ、ちくしょう…また俺は…何もできねえのか…!?)

精神を全力で抵抗へ向け、アイゼクトの優しい愛撫による快感に耐えるエルヴィン。
かろうじて、イかされる事だけは避けたかった。様々な理由から。

「ふふふ…エルヴィンさん、気持ちいいかしら…?」

アイゼクトは見透かしたようにエルヴィンの耳元で甘い言葉を囁く。
エルヴィンの身体が弛緩し、言う事を聞かなくなって来る。
自らの意思に反して、エルヴィンはアイゼクトの攻めに
身を任せそうになってしまっていた。

そこに、ラルスが助けに加わった。
流石にこのまま傍観していても埒があかない。
そう判断し、自ら攻めに回る事にしたのだ。

ラルスは目でエルヴィンに伝える。
自分が彼女の気をそらす、その隙に恍惚から自分を取り戻せ。
二人がかりで、一気に彼女を…いや、夢魔を片付ける!

ラルスの視線にエルヴィンは気づく。
わかったぜ、とエルヴィンもまた虚ろな目を可能な限り動かし、ラルスに伝えた。
幾多の戦場で培われた二人の絆は、ここでも正常に機能していた。

ラルスはエルヴィンを攻め続けるアイゼクトに対して、
自ら服をはだけはじめた。その身体は華奢なようで
しっかりとしており…とても、人間のそれとは思えぬ魅力が満ち溢れていた。

アイゼクトはぴくりと反応する。そしてうっすらと笑った。

「ふふっ、自分から脱いでくれるなんて…
 そんなに私と、したいの?」

ラルスはアイゼクトの反応に、自らの企みの成功を見た。
これでエルヴィンは解放される。
自分に意識が集中している間に、背後から彼女を抑えこんで貰えばいい。
そして、自分が一気に絶頂に達せられれば…!

だが、ラルスの読みは甘かった。
アイゼクトは怪しく微笑い、ただ一言呟いた。

「…時よ、止まれ」



瞬間、全てのものが凍りついた。
ラルスもエルヴィンも、読書室にいるメルヤをはじめとした
全ての時間が完全に停止した。

だが感覚だけは妙に冴えており、快感から抗う術だけを奪われたような
…そんな奇妙な状態だった。

「うふふっ、面白いでしょ、この能力チカラ?」

ラルスもエルヴィンも、アイゼクトの言葉が耳に届いてはいる。
だが、何も言葉を返せない。その様子にアイゼクトは満足し、
ゆっくりと二人に近づいた…

「いっぱい、気持ちよくしてあげるね…」

そう言うと、アイゼクトは脱ぎかけだったラルス、エルヴィンの服を
完全に脱がせ…生まれたままの姿にしてしまった。
そして、自らは僅かにブレザーを着崩し…艶かしい表情を浮かべた。

「あはっ…いい眺めね。貴方たち二人、じっくり弄んであげる」

まずはエルヴィンから攻撃し始めるアイゼクト。
全身を撫で回し、敏感にしたところで彼の弱点を突く。
耳に息を吹きかけ、胸から下半身へ向けて丹念にキスし、嘗め回す。
特におなか周りから陰部へ向けて、集中的に。

「ちゅっ…ちゅっ…つぅ…れろっ」

普段から腹を露出しているエルヴィンだが
意外にも性的な攻撃に対してはその部分の耐性が弱かったらしく
アイゼクトのキスにびくり、と身体を跳ねさせた。

(うっ…ぐぁ…)

甘い快感に抗えず、エルヴィンは脳が麻痺していくのを感じていた。
一方のラルスも、目の前で親友が夢魔に犯される様を
黙って見ているしかないという状況に苛立ちを隠せずにいた。
尤も…声も出せず、指一本動かす事も叶わないのだが。

そんなラルスの声にならない声に気づいたアイゼクトは
ニヤリと笑い、こう言った。

「ふふ…そんな切ない表情で見なくたって、ラルスさんも
 ちゃぁんと気持ちよくしてあげるから…♥」

とんだ誤解を受けたものだ。ラルスは苦々しく思いながら、
なんとかこの拘束を振り払おうともがいていた。
だが、動けない。しかし…気づかないうちに、
ラルスの全身から魔王の力が溢れ始めていた。

一方でエルヴィンはアイゼクトに更に激しく攻め立てられていた。
いよいよ彼のペニスに触れ始めたアイゼクトは
最初こそ優しく焦らすように手でしごいていたが、
今にも嘗め回しそうなほどに顔を近づけ、頬を紅潮させていた。

「はぁ、はぁっ…うふふ…ねぇ、早くしゃぶって欲しいでしょ?
 くすくす…そうね、何も言えないんだったわね」

アイゼクトは分かりきった事を敢えて口にする事で
エルヴィンの正常な思考を妨げ、惑わしていた。
元来の厳しい性格に加えて、今のアイゼクトは
更に嗜虐的になっているようだった。

(うぉぉ…や、やめろ…っ)

エルヴィンの必死の抵抗も、時を止められた今は無意味だった。
哀れ、アイゼクトの激しい口淫の餌食となる。

「れろ…ちゅっ、ちゅるっ…」

始めは亀頭を焦らすように舐め回し。

「ちゅっ…じゅるっ…」

次に先走りを、喉を潤すかのごとく飲み干し。

「ぺろっ…ちゅ…じゅずっ…じゅぷぅっ…」

留めに、ディープスロート。
今やエルヴィンのペニスはアイゼクトの口内いっぱいに含まれ、
ねっとりと絡みつく彼女の唾液で濡れそぼっていた。

「んふふ…ちゅるっ。ごくん…」

アイゼクトは喉いっぱいに溢れてきたエルヴィンの先走りと
自分の唾液を飲み下した。
胃の中に、どろりとした熱い液体が落ちていくのを感じながら
アイゼクトは舌なめずりした。

「あぁん…まだまだ足りないよ…一度も射精してくれてないわよね」

確かに、エルヴィンは未だかろうじて、イってはいなかった。
だが、これほどの強い口淫に耐えたのだ。
エルヴィンはもう息も絶え絶えになっていた。

(くそっ…このままじゃイっちまう…)

と、エルヴィンが覚悟を決めた時。
アイゼクトは不穏な空気を感じ取った。

「…え!?」

なんと、時を止められたはずのラルスが…
その拘束を打ち破り、自らアイゼクトへと
腕を伸ばしてきていた。

「きゃっ…♥」

アイゼクトは驚きながらも嬉しそうな悲鳴を上げ、
ラルスになすがままにされていた。

「ふふっ…私の時間停止から抜け出すなんて
 さすがラルスさん…全てが規格外ね」

ラルスはアイゼクトの動きを止めるべく、羽交い絞めにした。
だが彼女はまるで抵抗しない。さっきもそうだ。
自分がいざ身構えたり攻撃に移ろうとすると
さほどの抵抗を見せない。これが夢魔の本質なのだろうか?

「どうしたの?私を犯さないの?
 …ふふっ、できないんでしょう」

アイゼクトは意地悪くニヤニヤと薄ら笑いを浮かべ、
ラルスに対してじわじわと精神的な攻撃を加える。

「貴方は優しいものね?私が夢魔になっちゃったからって
 乱暴な事は出来ないはずよね?」

アイゼクトのその言葉に驚きを隠せないラルス。
口に出すまでもなく、ラルスの瞳がそれを物語っていた。

「ふふふ…さあ、何もかも忘れて交わりましょう…♥」

アイゼクトはそう言うと、自分を羽交い絞めにしていた
ラルスの腕をいとも簡単に振り解くと、逆に自分から
ラルスに身体を絡みつかせ、抱きついてきた。

上目遣いでラルスを見つめながら、アイゼクトは
ラルスの胸をちゅうっ、と吸い上げた。

「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…はむっ」

まるで赤ん坊が母親の乳を飲むような、甘噛み。
ラルスは乳首を刺激され、身悶えた。

「ん、れろ…ちゅぱっ…」

たっぷりとラルスの乳首を唾液で濡らし、弄ぶアイゼクト。
赤い舌をぺろりとチラつかせて、いやらしく誘惑する。

「んふ…ラルスさんも、おしゃぶりして欲しいよね…?」

そう言うが早いか、アイゼクトは体勢を入れ替え、
ラルスの股間にむしゃぶりついた。
激しく屹立したラルスのペニスにうっとりするアイゼクト。
そして自らの股間をラルスの顔に押し付け、舐めるように促した。

「んちゅ、ちゅるっ、れろっ…ぷはっ。
 ラルスさんも私のアソコ、パンツの上からでも
 直にでも良いから舐めてぇ♥」

そういうと、腰を激しくくねらせる。
ラルスは言われるがままにアイゼクトのアソコを舐める。
まずは下着の上から、じっくりと舌を這わせた。
じんわりと滲む液体。濡れている。
アイゼクトは先程からの自らの攻めに興奮し、
既にその幼い秘裂から蜜が溢れ出していた。

ちゅく…ちゅるっ、じゅずっ…

ちゅぴっ、ちゅぱっ、ちゅる…じゅぽっ、じゅぼっ…

アイゼクトとラルスのシックスナインにより、淫靡な水音が聞こえ始めた。
それは静寂に包まれた読書室に、滔々と響き渡る。
エルヴィンはそんな二人の痴態を目の当たりにし、自分の意志とは無関係に
先程までアイゼクトに嘗め尽くされ絶頂寸前になっていたペニスが
ますますいきり立つのを感じていた。

アイゼクトとラルスが絡み合う一方で、
その様子をただ見守る事しか出来ないエルヴィン。
『時よ止まれ』の影響が未だ残り、指一本動かせない。
エルヴィンは苛立つ。

(くそっ…また俺はアイツに託すしかねえのか…!?)

こんな肝心な時に力になれないなんて。
最早、アイゼクトの純潔を奪う事に対する抵抗や良心の呵責よりも
今はただ、ラルスの力になれない口惜しさのほうが上回っていた。

エルヴィンのそんな気持ちを知ってか知らずか、
アイゼクトはうふふ、と微笑むと指をパチンと鳴らした。

するとどうだろう。今まで凍り付いていた時間が、途端に動き出した。
エルヴィンの時間停止が、解除されたのだ。

「っ…!?」

エルヴィンは思わずつんのめった。時間を止められる前の体勢のせいだ。
だが、これは好機。アイゼクトの意図が掴めないままではあったが…
取り敢えず動けるようになったのを機に、猛然と彼女に突進する。

今度こそ動きを封じる!そしてラルスと二人で一気に夢魔を倒せれば…!
そう考えたエルヴィンは、ラルスとシックスナインを続ける
アイゼクトの身体に、今にも掴みかかろうとしていた。

そんなエルヴィンの姿を見てアイゼクトは侮蔑的な笑みを浮かべ、
彼の決意を一瞬だけ揺るがす一言を放った。

「やだぁ、そんなケダモノみたいに…焦りすぎよ?ふふっ♥」

エルヴィンは、頭ではそれが挑発であり誘惑である事は百も承知だった。
だが、この隙を逃してはならない気持ちよりも、倫理観が先立ってしまった。
瞬間、彼女の純潔を奪おうとしている浅ましい自分の姿を
客観的に想像し、つい、動きを止めてしまったのだ。

勿論、その隙を逃すアイゼクトではない。
アイゼクトは狙い通りと言わんばかりの満面の笑みで、
エルヴィンをとりこに、と願った。
彼女の、ただでさえ強力な『願い』は半夢魔となった今
恐るべき命中率を誇っていた。

がくん。
たちまちエルヴィンは恍惚となり、再び身動きが取れなくなる。
しかし今度は『時よ止まれ』と違い、何かしら刺激を受ければ戻れる。
その分、救いはあった。アイゼクトなりの飴と鞭なのだろうか。
それとも、やはり夢魔らしく『深い事は考えていない』のか。

相変わらず全く意図は読めないが、ひとまずエルヴィンは心のどこかで安心した。
まさか、自分が完全にアイゼクトの掌の上だとは、思いもしなかった。

「ふふ…ここで見ていてね、ラルスさん」

そう言うとアイゼクトはラルスから離れると、やおら服を脱ぎ始めた。
またも動けないエルヴィンの眼前で自分と絡み合い、彼を焦らすのかと思えば…
なんと、今度はラルスを放置してエルヴィンを襲うつもりらしい。
これには流石のラルスも戸惑った。

たった今、自分と絡み合っていた少女が、今度は別の男を相手にしようとしている。
身動きを取れぬようにして、易々と。
あまりに爛れたその発想と、あまりに手慣れたその手管に、ラルスはただ呆然とした。

―――これが、仮とはいえ夢魔と化した少女の成れの果てなのか。

アイゼクトが完全に夢魔となった時の事を考えると、ラルスは背筋がゾッとした。
元々、アイゼクトは処女ではあるものの性的な技巧が高く、
その神のごとき手であらゆる夢魔を絶頂に追いやってきた。
それゆえ、夢魔になりつつある今…彼女の技巧は想像を絶するものとなっている。

それにしても、ひとたび彼女を敵に回すとこれ程までに手強い相手になるとは…

だが、今はそんな事を考えている場合ではない。
アイゼクトの余りにも淫らな行動に一瞬困惑したものの、ラルスは直ぐに気を取り直し
再び彼女と身体を重ねるべく近づいた。服を脱ぎ始めている今は、最大のチャンスだ。
こちらの行動に対して警戒が薄れ、更に守りも脆くなる。

…逆に言えば、ここで彼女から主導権を奪わねば、いつまで経っても彼女のペースで
弄ばれ続けるのは明白だった。ラルスは戦々恐々とし、
今まさに全裸となった彼女の腕を掴み、押し倒そうとした―――
その時。

「メルヤ!ラルスさんを拘束して!」

!?

ラルスはアイゼクトの絶叫に、身体をびくんと硬直させた。

「はぁい、アイゼクト様」

メルヤの鼻にかかるような声。そして、続けざまに紡がれる呪詛の言葉。

ラルスはまさかの伏兵に意表を突かれ、メルヤの唱えた『バインド』の魔法を
まともに喰らってしまった。
…いつの間に。いつの間に、メルヤを従わせたのか?

半夢魔と化したアイゼクトを支援するなど、いくら天然のメルヤでも有り得ない。
彼女ならば、きっと自分たちと同じ気持ちでアイゼクトを元に戻そうとするはず。

しかし、理由はともあれメルヤを味方につけていたアイゼクトに、隙は無かった。
アイゼクトは勝ち誇ったように、ラルスを見下して悦に入った。

「惜しかったわね。もう少しで私を捕らえられたというのにね?
 …ふふっ、いい眺め…♥文字通り、手も足も出ないでしょう?」

メルヤの魔力もアイゼクトによって強化されていたのだろうか?
手足のみならず、口すらも動かせない。
ラルスは口惜しそうに表情を歪め、全身の拘束を振り解こうともがいていた。
その様子を満足そうに見つめると、アイゼクトはメルヤに向かって労った。

「ご苦労様、メルヤ。後で貴女もじっくりと可愛がってあげるわね…♥」

「あぁ…アイゼクト様ぁ…♥メルヤ、楽しみですぅ〜…♥」

メルヤは虚ろな瞳で嬉しそうに微笑むと、そのまま昏倒した。
―――やはり、操られていたか。
ラルスは拘束から逃れようともがきながら、そう確信した。

そしてアイゼクトは、今度はラルスに向き直り
「さ、見ててね」
とだけ言うと、つかつかとエルヴィンに近づいていった。

そして、そのままエルヴィンを横に寝かせる。
互いに生まれたままの姿となり、視線が交錯する。
尤も、エルヴィンは恍惚となっていて、その瞳は虚ろにアイゼクトを映すばかりではあったが。

甘い空気とはまるでかけ離れた、それでいて不思議と気分が高揚する奇妙なムードの中…
アイゼクトはエルヴィンの上に、ゆっくりと跨った。

「んっ…もう準備万端ね…さ、入れちゃうわよ…っ」

そう言いながらアイゼクトは、自分のアソコにあてがった
エルヴィンのペニスの熱さとその凶悪なまでの超大さに
僅かばかりに戸惑うような表情を見せた。
いくら夢魔になりつつあるとはいえ、流石に処女だからなのだろうか。
彼女は、ここで初めて逡巡する素振りを見せた。

そして、ゆっくりと、ゆっくりと…
彼のペニスを受け入れていく。

つぷ、づぷっ…

「はぁっ、うん…っ!
 …ゆ、ゆっくりでごめんなさい、エルヴィンさん…
 私、初めてだから…このぐらいは多目に見て、ね…」

そんな風に健気な表情を繕うアイゼクトに、エルヴィンは…

不覚にも。
…不覚にも、心を揺り動かされてしまった。

そして、直ぐにエルヴィンは恍惚から解放された。
自らのペニスが処女の狭くきつい膣内に侵入していく感触。
ぷちぷち、と裂けていく処女膜の、破瓜の音。
アイゼクトが必死になってエルヴィンのペニスを受け入れようとする眼前の光景。

それら全ての事象が、エルヴィンの気分を高揚させ…
彼女と交わる事に対する抵抗や倫理観を、完全に消し去っていた。

…全て、彼女の計算づくだった。
事前にエルヴィンを焦らしに焦らしたのも。
エルヴィンと自分が交わる眼前でラルスが動けずにいるこの状況も。

そう、全ては彼女の思惑通りだった。

エルヴィンの少なからずラルスに対して抱いている劣等感を刺激し。
健気な少女を演じる事で、彼の愛する女性の面影を見せ。

そして、狙い通りに、エルヴィンを籠絡した。

「あはぁっ…♥
 はいっ…た…ね」

エルヴィンは、思わずコクリと頷いてしまった。

「あぁ…嬢ちゃん、大丈夫か…?」

アイゼクトを気遣う台詞。
彼女をただ倒すべき夢魔としてしか認識していなかった先程とは、明らかに違う。

「ええ…すぐに慣れる…とは、言えないけど…
 がんばる、ね…」

アイゼクトはにっこりと微笑むと、エルヴィンの上で徐々に、徐々に
気づかぬほどにゆっくりと、ペースを上げていく。

そしてそれが、エルヴィンを絶頂に達させるまでに
ラルスが拘束から逃れられないという、絶妙な間隔によるものだとは
まるで気づかせないように。
…アイゼクトは、ゆっくりと動いた。

ぐちゅ、ぐちゅっ…じゅぼっ、じゅぼっ…

淫猥な交差音がアイゼクトとエルヴィンの股間の間で激しく鳴り続ける。
その音、目の前で健気に腰を振る少女。
たまに漏れ聞こえる苦痛を孕んだ喘ぎ声。

「あっ、あぁ…んっ!ぃた…っ」

「お、おい…無理するなよ」

エルヴィンは心底、アイゼクトを愛しいと感じ始めていた。
それが罠だと自覚するのは、もう少し後の事だった。

「うん…♥平気…ほら、見て…エルヴィンさんのおっきいのが
 私のアソコにずっぷりだよ…気持ち…いいの…♥」

「あ、ああ…そうだな」

エルヴィンは複雑な表情を浮かべた。
その表情の意図する所を目聡く理解したアイゼクトは、すぐさま次の一手を打ってきた。

「ねぇ…エルヴィンさん、こんないやらしい私…嫌い?」

否。
そう答えるしかない問い。
そんな卑怯で、甘く健気な言葉を…
アイゼクトは、ぼそりと、エルヴィンにだけ聞こえるように呟いた。

「そんなこた…ねぇよ…」

予想通りに。
あまりに、アイゼクトの思惑通りに。

順調に、エルヴィンは溺れ始めていた。

一方でラルスは、拘束から逃れるべく、未だもがき続けていた。
予想以上の魔法の強さに、ラルスの魔王の力もさしたる抵抗にならない。
目の前で、親友が、夢魔に犯されている。
しかも、あのままでは…

そう思うとラルスは、今まで以上に身体に込める力が強くなるのを自覚した。
ルヴィッサ、僕に力を…!

ラルスは無意識のうちに、そんな風に願っていた…

アイゼクトは相変わらずスローペースで、だが確実にエルヴィンを絶頂へと導く
艶かしいグラインドで、彼の弱い部分を的確に攻撃していた。

「んっ、くっ、ここが良い?それとも、こっち?」

エルヴィンの上で8の字に腰を振りながら、アイゼクトは
リズミカルにきゅっ、きゅっ、と膣内を締め付ける。
恐ろしいほどの快感が立て続けにエルヴィンのペニスから全身に送り込まれる。
下半身から脊髄へ、脊髄から脳へ。
快感の波はやがて、射精感を伴ってエルヴィンの頭を真っ白に染め上げていった。

「ぐっ、だ、ダメだ…もう…いっ…」

「イくのね?イっていいよ、私の、初めての膣内に
 いっぱい…いっぱい射精してぇっ♥」

エルヴィンは頭の片隅でおかしい、と思い始めていた。
先程よりも、明らかに苦痛の声が減っている。
快感を求める、淫乱なアイゼクトの喘ぎ声。
その嬌声には、微塵も戸惑いや痛みを感じなくなってきた。

だが、ここまでこみ上げてきた射精感を堪えるのは
…もはや無理だった。

エルヴィンは、たまらずに欲望の塊をアイゼクトの膣内に向けて力強く放った。

「うぁあっ…!」

びゅく、びゅる、びゅるるっ!

凄まじい勢いで流し込まれるエルヴィンの精液が、
アイゼクトの膣内を、子宮を満たしていく。
溢れんばかりの勢いで、続けざまに射精するエルヴィン。
体中の力が抜けていく。彼女の膣内から、ごぷ…とエルヴィンの精液が流れ落ちた瞬間。

エルヴィンは、気を失った。

膣内に放たれた精を全身で味わうように、アイゼクトはその身体をぶるっと震わせた。
そして、自らの股間に手をやり…零れ落ちる精液を掬い取ると、
そのまま口に運び、ぺろりと舐めた。

「おいしぃ…♥」

アイゼクトは恍惚の笑みを浮かべ、淫らに濡れた唇をその華奢な指先でつぅ、となぞった。
やがて零れ落ちる精液を残らず掬い取り舐め取ると、
アイゼクトは遂に拘束から逃れたラルスに向き直った。

「あら、いいタイミングね…ふふっ♥
 それじゃ、次はラルスさんの番ね。
 いっぱい、搾り取ってあげる♥」

そう言って妖しく微笑むアイゼクト。
ラルスはエルヴィンの姿を見やり、なるべく時間を稼がねば…と思った。
自分一人では、とてもじゃないがこの少女を絶頂に達せられない。
エルヴィンと協力して、押さえ込むのがやっとだろう。

そう考えたラルスは、ひとまずは守りに徹することに決めた。
アイゼクトのペースでも構わない。こちらがイかされなければ
勝機は見えてくるはずだ。ラルスは精神をしっかり持ち、快感から身を守った。

アイゼクトはその控えめながら整った可愛らしい乳房を
ラルスのペニスに、すりすりと擦り付けてきた。

「どぉ…?私のおっぱい、あんまり大きくないけど…
 柔らかくて、気持ちいいでしょう…?」

そんな風にストレートな誘惑を口にするアイゼクト。
エルヴィンとは違い、ラルスにあの手の演技は通じないと思っているのか
それとも、ラルスは直接的な誘惑に弱いと思っているのか
どちらかは分からないが、最早純情少女の演技はやめたらしい。

ラルスはすっかり頭を冷やし、努めて冷静でいたため
そんな誘惑の言葉には惑わされなかった。勿論、自らの下半身を伝う
柔らかな乳房の感触には、男の本能がどうしても反応はしてしまっていたが…

「ふふふっ、言葉にしなくても伝わってくるわ…
 ラルスさんのこれ…凄く熱くて、火傷しそう…♥」

そう言うと、アイゼクトは更に強く自分の胸を擦り付けてくる。
両手でその膨らみを精一杯に寄せ集め、ラルスのペニスを
包み込むように擦り上げた。
ボリュームはさほどでもないためラルスのモノは
完全に挟めていなかったが、その柔肌の滑らかな事。
絹のような感触に、快感を堪えていたラルスも徐々に甘い喘ぎを上げ始めていた。

アイゼクトはラルスの反応を窺いながら、時折上目遣いで
ペニスをちろり、と舐めるような仕草を見せた。
実際には舐めず、焦らしているだけだ。

ラルスはその光景を目にしてしまう度に、否応無く下半身が反応する自分に羞恥した。
夢魔の魅力。魔力。そういったものが影響してか、ラルスはアイゼクトへの視線を外せずにいた。

「んっ…ラルスさん、先っぽがふるふるって震えてるよ…
 もう少しで、イきそうなのね?ふふふ…♥」

そう言うと、アイゼクトはおもむろにラルスのペニスを口に含んだ。
あまりに唐突だったため、ラルスは抵抗すら出来なかった。

「ちゅぷっ、じゅっ、じゅるっ、じゅぶっ、じゅぞっ…」

ぴちゃぴちゃとわざとらしく水音を立ててラルスのペニスを舐め回すアイゼクト。
時折胸でラルスの睾丸をふにふにと刺激しつつ、上目遣いも忘れない。
更に胸で刺激されるのにラルスが少しでも飽きたと感じたら、間髪入れずに
彼のお尻を弄り回す。そのまま人差し指を優しく動かし、ラルスのすぼんだ菊穴から
じわじわと奥へ侵入させていくのだった。

「ふふ…男の人って、お尻の奥のほうにとっても感じる部分があるんですってね」

アイゼクトはうろ覚えの知識を試そうとする好奇心剥き出しの少女の如く
無邪気な笑顔をラルスに向け、少しずつ少しずつ彼の前立腺へ向けて
細く綺麗な指をめり込ませていった。

ふにっ…。
アイゼクトの指先に、ゴム鞠のような感触が伝わった。
届いた。彼女はそう確信し、ラルスの前立腺を激しくまさぐる。

今までがゆっくりだったため、ラルスはいきなりの前立腺マッサージに
全身に電撃が走ったような快感が突き抜けていった。
その、あまりの快感のため、目を白黒させるラルス。
その様子に歓喜したアイゼクトは、容赦なく彼のお尻に挿れた指を動かす。

「あははっ、ラルスさん、かわいぃ…♥」

アイゼクトはそんな風に笑うと、相変わらず激しい口淫と共に
ラルスの後ろを攻め立てるのだった。

「ちゅ、ちゅるる…じゅぷぅぅぅっ!」

更に、留めとばかりにバキュームフェラを食らわせてくるアイゼクト。
激しい吸い付きにラルスは意識が飛びそうになった。
まさか、快感を受けないよう意識を集中しているというのに
絶頂に達せられるというのか。
このままでは、まずい。未だ意識の戻らないエルヴィンを横目で見ながら、
ラルスは全身全霊を込めて快感に耐えた。

その時。

(あきらめちゃ、ダメ)

ラルスは驚愕した。
その、声は…
まさか。

自分自身の内側から溢れてくる、魔王の力。
聞き覚えのある、猫の鳴くような愛らしい、甲高い声。
それは、まごうかたなき…使い魔ルヴィッサだった。

知らず知らずのうちに、その身の裡に宿していた魔王の力。
それが今、再び。
ラルスの窮地を救うべく、彼の全身に漲ってきた。
まるでルヴィッサの使う、『グリマギルデ』の魔法がかかったようだった。

ラルスはルヴィッサの、言葉では説明できない
不思議な支援を得て、一気に反撃に出た。

「きゃっ…?」

激しい口淫を続けていたアイゼクトだったが、ラルスに強引に引き剥がされ
戸惑ったように彼の姿を見据えた。アイゼクトは戦慄した。
なにやら、ドス黒いような、神々しいような…不思議なオーラを感じた。

突如として勢いを取り戻し、自らの攻めにも反応しなくなったラルスは
奇妙な威圧感を全身から漂わせていた。
今まで優位を保っていたアイゼクトだが、ここへきて力の均衡が崩された。

そして、ラルスはアイゼクトの身体を強く抱きしめると…
有無を言わさずに、挿入した。

ずぷううううっ!

勢いよくアイゼクトの膣内に突き入れられたラルスの怒張は、
一気に彼女の子宮口まで届いた。先程までのエルヴィンとの交合による潤滑液のお陰で、
挿入自体にはまったく抵抗が無かった。

「ぁあっ…!んっ…ら、ラルスさん…?」

さしものアイゼクトも、ラルスの変貌ぶりに驚く。
主導権を奪われたばかりか、荒々しく強引に自分の身体を貫くラルス。
その、まさしく魔王と呼べる凶行に…軽い恐怖を覚えながらも
アイゼクトはぞくりと、背筋の凍るような奇妙な快感を得ていた。

一言で言えば―――スリルを愉しんでいる。
彼女にとってみれば、そんなラルスの反撃すら想定のうち。
そんな余裕がアイゼクトにはあった。

「はぁ…んっ…♥
 いいわぁ…急にどうしたのか知らないけど、とっても素敵よ、ラルスさん♥」

そんな風に余裕を見せ付けるアイゼクトに、ラルスは容赦しなかった。
激しいピストン。2回、3回、4回と、連続で彼女の膣内を抉る。
子宮口がコツコツと音を立てそうなほどに突かれ、弱点部分を無遠慮に擦り上げられ、
そのあまりの快感にアイゼクトも徐々に弱ってきていた。

「あんっ、あっ、あぁああっ!だ、ダメ…激し…すぎるよぉっ♥」

だがラルスは手を緩めない。グリマギルデの魔法は威力が凄まじい分、持続時間は非常に短い。
一気にカタをつけなければ、再び主導権を奪い返されてそこで終わりだ。
ラルスはピストン運動を繰り返し、更には彼女の唇を奪いつつ
クリトリスを刺激するという波状攻撃を行っていた。

「んぐっ…ちゅ…ちゅぅ…んんん〜〜〜っ!んんんっ♥」

連続で来る快感の波。
いよいよアイゼクトはラルスの超絶な攻めに、翻弄され始めていた。
近づく絶頂の予感。
アイゼクトは全身を弓なりに伸ばし、より強い快感を得ようとしていた。
きゅんきゅんと自然にアソコに力が加わる自分には、まるで気づいていなかった。

そんな激しい攻めの最後の仕上げとしてラルスは…
一度ゆっくりとペニスを引き抜こうとした。
当然、アイゼクトは「え?」と、戸惑う表情を見せた。

その、刹那。

ラルスは予告も前触れもなしに、一気にアイゼクトの膣内に
自らの肥大したペニスを突き入れた。

気が緩んだアイゼクトは、抵抗を一切することなく
ラルスのピストン攻撃を喰らってしまった。

「あぁあああああああああああああああああああああああああっ♥」

絶叫。
咆哮。
激しい喘ぎ声と共に、それは来た。
―――そして遂に、半夢魔と化したアイゼクトが一度目の絶頂を迎えたのだった…。

エルヴィンがようやくの事で意識を取り戻した時、目の前には驚くべき光景が広がっていた。
ラルスも、アイゼクトも、ぐったりしたように倒れていた。
お互いに無防備な状態で、どこか夢見心地だった。
だがエルヴィンからすれば、死んだようにも見えていた。
そのため、エルヴィンは動揺しラルスに駆け寄った。

「なっ…何があったってんだ?
 …おい、ラルス!しっかりしろ!」

そう言ってラルスの肩を掴み、ガクガクと揺らすエルヴィン。
ラルスは瞑っていた目を開くと、自分の眼前にいるエルヴィンの姿に焦点を合わせた。

「はぁ、生きてたか。心配させんなよ…」

エルヴィンはホッと息をついた。

「何があったんだよ?お前も嬢ちゃんもブッ倒れてるなんて、
 ただ事じゃねぇぜ」

そこでラルスはこうなった経緯を語った。
エルヴィンはその話を聞きながら、徐々に落ち着きを取り戻していった。
ルヴィッサが力を貸してくれたことを知ると、驚きながらも感心した。

「へぇ…あの使い魔がねえ。夢の中にまでお前を助けに来るなんざ
 健気で可愛いところあるじゃねぇか」

コクリ、とラルスは頷いた。心なしか嬉しそうに笑う。

「それにしても、この嬢ちゃん…半端なく強ぇな」

ラルスは激しく首を縦に振る。ルヴィッサのグリマギルデがなければ
ガードしていたにも拘らず、イかされる所だったのだ。
驚異的なアイゼクトの技巧に、二人は怖気が走った。

「今のうちに…組み伏せとくか?気分は良くねぇが」

ラルスも同じ気持ちではあったが、確かに今までの事を考えると
ここで動きを完全に封じてしまうのが最良だと思われた。

そこで二人は、アイゼクトの口とアソコを同時に攻めることにした。
ラルスが前…彼女の口を塞ぎ、エルヴィンが後ろ…彼女のアソコに挿入する。
若干、鬼畜な絵面になることは分かっていたが…相手は夢魔。
しかも、そう割り切らざるを得ないぐらいの強さを誇っている。

情けは、無用だ。

ラルスとエルヴィンは、絶頂の余韻から未だ冷めずにいる
アイゼクトに向かって、近づき始めた。

二人の男が、少女の身体を無遠慮にまさぐる。
そういった具合に想像すると、あまりに下衆な光景に見えるが
これも彼女を夢魔化から戻す為…

ラルス、エルヴィンは激しい罪悪感に苛まれながらも
アイゼクトの胸を刺激し、アソコを舐め、彼女の快感を高めていった。

一方で絶頂の余韻が残るアイゼクトは、ボッとしていた。
なにやら自分の身体を弄り回す感触だけが、頭のどこかで認識出来ていた。
しかし身体は全く動かせない。拘束されているわけではないが
やはり先程のラルスの攻撃が効いているのか、下半身に残る甘い痺れと
全身を突き抜けた電撃のような快感の余韻が、彼女の身体の自由を奪っていた。

「ん…んんっ…」

ぴちゃ、くちゃ。

ふにっ、ふに…

自分の身体を這い回る指や舌の感触…
それらは、意識を半分以上失っていたアイゼクトを徐々に目覚めさせていった。

「んはぁ…んぅ…っ♥」

甘い喘ぎ声がアイゼクトの口から漏れ出す。
いよいよ、覚醒の刻が迫っていた。

ラルスとエルヴィンは短くアイコンタクトを交わすと、
完全に目覚め切る前に…アイゼクトの口と、アソコを封じる策に乗り出した。

ラルスがゆっくりと、目覚めかけているアイゼクトの口を開く。
そこへ少しずつ、噛み千切られないように顎を固定して
ペニスを差し挿れていく…いわゆる、イラマチオの体勢。
罪悪感は拭えない。だが、こうするしか…ない。

一方でエルヴィンは、再び彼女の膣内を犯すべく…お尻を掴み、
ゆっくりと挿入していく。今までの交わりでドロドロになった彼女の中は
すんなりとエルヴィンのペニスを受け入れていった。

ずぷぅうううっ!

そのスムーズな挿入に、エルヴィンも驚く。
先程まではあんなに痛そうにしていたのに。
更に、軽く往復した瞬間に、先程とはまるで感触が違う事に気づく。

「うぉ…なんだこりゃ…」

意識を取り戻しつつあるアイゼクトの、ごく自然な動きなのだろうか。
まるで数百の軟体生物が絡み付いてくるような、膣内の襞による
ペニスへの吸着。その攻撃にエルヴィンは軽く怯んだ。

「くっ、あ…」

エルヴィンが苦悶…いや、快楽に表情を歪める。
ラルスはアイゼクトの口内を犯しながら、親友を気遣う表情を見せた。

「だ、大丈夫だ。お前はお前のやるべき事を…やれ」

声を絞り出し、エルヴィンは必死に快感に耐えた。
こんな所で、やられてたまるか。…ラルスに負けてもいられねえ。
エルヴィンは気を強く持ち直すと、腰に力を込めて…
アイゼクトと激しく交わり合った。

づぶっ、ずぶっ、ずぶぅううっ!
エルヴィンの力強く突き入れられたペニスが、アイゼクトの中をかき回す。

「ん…んうぅうっ!」

アイゼクトが意識を完全に取り戻し、驚愕と快感の喘ぎ声を上げた。
だが、抵抗はできなかった。
口はラルスのペニスによって塞がれ、彼がアイゼクトの頭をしっかりと押さえ込み
揺さぶっていたからだ。流石のアイゼクトも、これには一切の反撃を許されない。

じゅぶ、じゅぼっ、じゅぼっ!

アソコから泡が立ちそうな程に溢れ出し、止まらない愛液。
その潤滑に促されるがままに律動を繰り返すエルヴィン。
相変わらず淫猥に絡み付いてくるアイゼクトの襞。

「ぐっ、ふっ、うっ…」

エルヴィンはひと突き毎に訪れる快感の波、
こみ上げる射精感を全力で我慢しながら、一刻も早くアイゼクトをイかせるべく
彼女の弱い部分だと直感する場所を…思う様、突き上げていった。

その不器用ながらも熱の篭ったピストン、パワフルな動きが功を奏したのか
アイゼクトの攻撃が徐々に緩んできた。膣による締め付けが弱まり、
腰の動きが緩慢になり…いよいよ、その時が近づいてきた。

「んーっ、んっんっんっ、んぷっ」

一方、口を犯し続けるラルスは。
時折ペニスが彼女の口から抜けてしまう事もあった。
だがその度にラルスは手早く彼女の口を開かせ、
舐め続けるように促した。

アイゼクトも最初こそ反抗的な目をラルスに向けていたものの、
徐々に徐々に、自らラルスのペニスをしゃぶるような動きに変化してきた。
…こちらも、刻が近い。

ラルスは必死で彼女の膣内を抉り続けるエルヴィンに、ちらりと視線を送った。
エルヴィンはその視線に気づくと、ただ無言で頷く。

―――次の攻撃で終わりだ。

二人は、阿吽の呼吸で射精のタイミングを計る。
それで、全て終わりだ。
彼女を満足させ、絶頂に至らしめる。
3人が同時に絶頂する、という極めて難易度の高い終幕を
ラルス、エルヴィンは目論んでいた。

それは、アイゼクト自身の望みであると。

二人は、言葉を交わすこともなく、何故か
全身で理解していた。いや…感じ取っていたというべきなのか。

じゅぶ、じゅぼっ、じゅぶぅぅぅっ!

エルヴィンのラストスパート。
イきそうになりながら、半ば絶叫気味に言葉を紡ぐ。

「嬢ちゃん…っ、イくぜ…!もう、ちょっとだ…!!」

その言葉に、口を塞がれて返答は出来ないものの
可能な限り首を縦に振り同意を示すアイゼクト。

ラルスも無言のまま、アイゼクトと視線を合わせ
絶頂のタイミングを計る。

アイゼクトは…ただ、一心不乱に二人の男の攻めによる快感を享受し、
雌の悦びに全身を打ち震わせていた。
ラルスのペニスをしゃぶり尽くし、エルヴィンのペニスに子宮口を突かれ。

アイゼクトは、遂にイきそうになってきた…!

そして、刹那。

「うっ…あああああっ!!!」

「ぐぅ、おおおおおおおおっ!!!」

「んんんん〜〜〜〜〜っ!!!」

―――ラルス、エルヴィン、アイゼクトの3人が同時に絶頂したのだった。

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…気づけば、わしは元通りじゃった。
あれは一体何だったのじゃろうか?
記憶は薄れ、曖昧なものとなっているが…
身体だけは、妙に熱く…忘れられない出来事となって
わしの魂に刻み付けられておった。

全ては夢物語。
そう、割り切ってしまえばラクなのじゃろうが…

ラルスとエルヴィンのわしを見る目に入り乱れる複雑な感情。
わしもまた、彼らの視線に妙な感情が沸き上がる自分を隠せずにいた。

赤面し、わしはおずおずと尋ねた。

「…のぉ、ラルス。エルヴィン。
 わしは…おぬしらと何か…妙な事をせんかったかの?」

目の前にいるわしに、ラルス、エルヴィンは
苦笑いを浮かべた。…なんなんじゃ、一体。

わしはただ困惑し、メルヤに尋ねてみる。

「おい、メルヤ。お前は覚えておらんかの?」

するとメルヤは、

「あぁ〜っ、ヒドいですぅアイゼクト様!
 メルヤ、頑張ったんですからぁ〜!」

と、意味不明なことを言う有様。
…なんなんじゃ、本当に。

わしは自分の心と身体に残る熱い感触の正体を知りたかった。
じゃが、それを知ったところで…

いつからが夢?

いつからが現実?

それは結局のところ、誰にも分からぬもの。

わしは疑問を打ち捨てて、まずはこの胸の疼きを消し去ろうと考えた。
恐らく、この感情は夢魔による一時的なものに過ぎぬ。
ならば、夢魔どもを消し去るのが最良の一手じゃろうて。

わしは、そのように思考を切り替えた。

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そしてアイゼクトは、夢の中を彷徨う。

時に少年として、時に少女として。

再びアイゼクトが少女として夢を移ろい、
そして自らの写し身が夢魔として現れたとき
彼は…いや、彼女は如何なる思いを馳せるのだろうか?

それは、鉄の如き意志を持つアイゼクト自身にすら
分からないことだった。

全ては、アイゼクトの夢を支配する彼女・・のみぞ知る事なのかも知れない…

- Fin -