Succubus Quest 短編 老司書の短い夢
Side Merja
- 賢者の贈り物 -
-------------------------------------------------------------------------
「アイゼクト様、何か御用でしょうか?」
いつものように、メルヤがアイゼクトに問いかける。
いつものように、アイゼクトはメルヤにあれこれと頼みごとをする。
―――そんないつものやりとりが。
今日は、ほんの少し違っていた。
「今日は、メルヤ。お前に…その、感謝せねばと思うての」
「はわわわ…か、感謝なんてっ!そのようなお言葉をかけて頂けただけで
メルヤは幸せですぅ!幸せで死んじゃいそうですぅ!」
「まあ、そう言うな。お前にはいつも助けて貰ってばかりじゃからの。
たまには、わしにもお前を労わせてくれぬか」
「あぅう、そういうことでしたら…メルヤは、アイゼクト様に
お願いがあるんですよぉ」
「何じゃ?何でも…いや、流石に何でもはマズいが…
この間のようなことでなければよいぞ」
アイゼクトはこの間の一件―――メルヤとの交わりを思い出すと
ほんのりと頬を染め、一応釘を刺しておくかとばかりに先手を打った。
その言葉にメルヤも同様に紅くなり、慌てて否定する。
「あ、えっと…勿論、そういうことして頂けるなら嬉しいんですけどぉ、
そうじゃなくって…ええっとぉ」
「なんじゃ、歯切れの悪い。遠慮なぞすることはないぞ?」
メルヤの様子にアイゼクトはじれったくなり、
思わずそんな言葉が口を衝いて出た。
「はぅ…それなら…メルヤ、アイゼクト様が作った
『恋のお話』を読んでみたいですぅ!」
「…は?」
********************************************
* *
* 騎士と魔物と夢物語 *
* *
********************************************
―――今は昔のお伽の国で。
国中から寵