今月のひとこと
《4月》
最近TVで「入れ歯安定剤」のCMが目立ってきました。
それだけ入れ歯で不快な思いをしている方が多いのでしょう。かっては総義歯(総入れ歯)の安定が
悪く、落ちてしまうので接着させるために使用するのが一般的でした。最近のCMでは局部義歯(部分
入れ歯)の下に食べ物が入ってしまうので、不快感をなくすために使うとのコメントが多くなっています。
確かに義歯(入れ歯)は歯肉の上に載っているだけですからその隙間に食べ物は入りやすいのです。
弾力性のある安定材により隙間を埋めれば入りにくくはなりますが、粘着性のある糊状の材料以外で
はやはり細かい食塊は入ってしまいます。糊状の材料でも完全に接着は無理で、かえって入った食べ
物は取れなくなり、食事毎に徹底した洗浄が必要になります。
弾力のある裏装材(裏打ちの材料)は診療用としても存在し、痛くて噛めないなどがどうしても解決出
来ずやむを得ず使うこともありますが、咬合理論(噛む力を求めるための考え方)では弾力によって噛む
力が減少する、又、均一でない圧の加わることで骨の吸収変化にむらが出やすいので好ましいとは言
えないのです。診療室で使う弾性裏装材の弾力は1年以上も持続出来ます。
市販の安定材は柔らかければ弾力性を維持するために頻繁に張り替え、固ければ汚れが溜まり易く
張らないのと同じになります。しかも1日限度でないと不潔になりやすいのです。
普通のレジン床(プラスチック)を裏打ちすることによって適合を緊密にして、ある程度は改善され食塊
陥入(食べ物が入る)を最小限にすることが出来るのです。半永久的に入れ歯安定剤に頼るのは面倒
なことですから、主治医に相談してみることをおすすめします。
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