Q1.相続登記に必要な書類は?

A1. 以下のものは、一般的な遺産分割による相続登記に必要な書類です。
□被相続人(亡くなった人)に関する書類

被相続人が10歳位の時から死亡するまでの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本等
死亡時の住民票の除票(本籍付きのもの)又は戸籍の附票

□相続人に関する書類

相続人全員の現在の戸籍謄本

相続人全員の住民票(本籍付きのもの)または戸籍の附票
遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書付)

□相続の対象となる不動産に関する書類

固定資産評価証明書(一番新しい年度のもの)
登記簿謄本

※この他にもケースによっては様々な書類が必要な場合があります。
また、遺言書がある場合も、必要書類が変わります。
お集めになる前に、司法書士等の専門家に相談されることをおすすめいたします。

■当事務所にご依頼いただいた場合

ご自身で取得できる分のみご用意いただいて、不足するものをこちらでお取りするということも可能です。ご相談ください。

Q2.< 相続人になるのは誰ですか?また、各相続人の相続割合(法定相続分)はどのように決まりますか?

A2. 民法では相続人とその相続分について、つぎのように規定しています。
●ケース別で見る法定相続分

※ 婚姻による子と婚姻外の子がいる場合、後者の法定相続分は前者の1/2になります。 なお、婚姻外の子で認知されていない者は、相続人にはなりません。

※実子と養子の相続分は同じです。
※相続人になるはずだった子が死亡していても、その死亡した子に子(被相続人の孫)がいる場合は、その孫が子の相続権を引き継ぎ、第1順位になります。(「代襲相続人」といいます。)

※兄弟姉妹についても代襲相続の制度が適用され、相続人になるはずだった兄弟姉妹が死亡しており、その兄弟姉妹の子(被相続人の甥、姪)がいる場合は、その甥、姪が相続人となります。

Q3.相続は必ず法定相続分どおりの割合でするのですか?

A3. 相続人間で、遺産分割協議をして相続分を決めるのが一般的です。 また、遺言書があれば、それに従います。

遺産分割の方法には次の3つのものがあります。

▼現物分割

「土地は長男に、建物は次男に、預金は妻に、農地は長男と次男が2分の1ずつ共有で」というように、個々の遺産をそのまま分割していくことを、現物分割といいます。

現物分割は、分かりやすく手続きも簡単で、遺産をそのまま残せるというメリットがありますが、遺産を公平に分けるのが難しいというデメリットがあります。

▼代償分割

「土地を長男が取得する代わりに、長男は次男に500万円支払う」というように、ある相続人が遺産を多く取得する代わりに、別の相続人にお金を払うという方法を代償分割といいます。

これにより、遺産を細分化せずにそのまま残せると同時に、遺産を公平に分けることができます。ただし、金銭を支払う相続人に支払い能力がなければ実現が難しいでしょう。

@現物分割もA代償分割も難しい場合、次の換価分割という方法を考えましょう。

▼換価分割

「土地を3000万で売って、妻が1500万円を、長男と次男が750万円ずつ取得する」というように、遺産を売って、その代金を分配するという方法を換価分割といいます。

これにより、遺産を公平に分割することができますが、現物を処分しなければならず、また、売却に手間と費用と譲渡所得税等の税金がかかるというデメリットもありますので、慎重に考慮しましょう。

以上のように、3つの方法をどのようにうまく選択していくかが、遺産分割のポイントになるでしょう。

Q4. 財産より借金の方が多いときでも、必ず相続しなければならないのですか?

A4. 相続が開始したことを知った時及びあなたご自身が相続人になったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に「相続放棄」の申述をすれば、相続しなくてすみます。

これにより、その申述をした人ははじめから相続人にならなかったことにしてもらえます。被相続人の財産も相続しない代わりに借金などの債務も抱え込まなくてよくなります。

Q5. 相続人の中に未成年者がいる場合の遺産分割協議は、どうすればいいのですか?

A5. 未成年の子の親も相続人となる場合や、相続人に未成年の子が数人いる場合は、家庭裁判所に特別代理人選任を申し立てます。そして、特別代理人が未成年者に代わって遺産分割協議をする必要があります。

Q6. 遺言書を見つけたときの手続きはどうするのか?

A6. 遺言が有効であれば、その内容にしたがって相続することになります。

まず遺言書の有無を確認してください。相続人が知らされていない場合は、弁護士や税理士に託されている場合もあります。また、亡くなられた方が、公正証書遺言を作成していた場合、日本公証人連合会の遺言書検索システムを利用すると便利です。相続人等の利害関係人であれば、最寄りの公証役場で遺言書があるかないかを確認してもらうことができます。その際、遺言者及び相続人等請求者の戸籍謄本、請求者の身分証明書(運転免許証)が必要になります。そして、遺言書を見つけた場合、勝手に開封せずに、速やかに家庭裁判所に提出して、「検認」の申し立てをします。この「検認」の手続きは、相続人全員に遺言書の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の偽造や変造を防止するためのものです。検認を怠ったり、勝手に遺言書を開封したりしても遺言書自体が無効になるわけではありませんが、5万円以下の過料の処せられます。また、検認をしないと相続登記や預金通帳等の相続手続きが行えません。なお、見つかった遺言書が公正証書遺言の場合、検認の手続きは不要です。