3月18日~24日は春の彼岸会です。彼岸は到彼岸(とうひがん)ともいわれ、彼(か)の岸に至ることを意味しています。むろん彼の岸とは「向こう岸」という意味で、そこは迷いのない悟りの境地であり、その境地に達した仏の

世界とされています。一方「こちらの岸」は此岸(しがん)といい、苦悩や迷いに満ちた世界、即ち、私たちが生きる現世ということになります。
仏教では、常日頃からこの彼岸を求めて精進することの大切さを説いていますが、日々雑事に追われて心が疎かになりがちなのも現実です。そこで、春秋の彼岸だけでも先祖供養をしながら、自らを見つめ直し清らかな魂を取り戻して頂きたいというのが彼岸の考え方といえます。春秋の彼岸には、太陽が真東から昇り真西に沈みます。西方浄土という言葉もありますから、晴れた日の夕刻、西の空が黄金色に輝く情景の彼方に「彼岸」を観じてみては如何でしょう。
※詳しくは
こちらを参考にしてください。
また、3月21日は弘法大師が「この世のある限り、救いを求める人がいる限り、悟りの世界がある限り、私は仏の教えを説き続ける」という永遠の誓いを立て高野山奥の院にて静かに入定を果たされた日でもあります。本堂を正面にして左手にある鐘楼堂の前にお立ちの願通大師像こそ弘法大師ですから、「南無大師遍照金剛」と唱えながら祈れば、弘法大師の御心をより深く感じられることでしょう。