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法話集

「師」に巡り会う為にも「出会い」を大切にしたい

 
先日、お参りに来られた若いご夫婦とお話をさせて頂いていた時、 ご夫婦の馴れ初めの話から 「人が一生に出会う人の数は何人いるのだろうか?」という話題になりました。 ご主人によると 「何かの本で読んだが、およそ1万人から3万人と書いてあった」そうですが、 奥様は自らの実感として「どんなに多くても、せいぜい2000人、いやもっと少ないかも・・・」ということでした。 アメリカ合衆国統計局の推計によると、世界の人口は2007年7月現在の推計で約66億人だそうですから、例えば3万人と出会ったとしても、その一人ひとりが22万人に1人という、途方もない確率の出会いということになります。仏教では、これを「縁(えにし)」といい、茶道では「一期一会」といって、 人との出会いは 「一生に一度かぎりである」というくらいの思いを込めて、相手に対して誠心誠意、真剣に対峙すべきである、と出会いの大切さを教えています。
こうした出会いは私たち僧にとっても重要で、僧侶になる上で最も大切なことは、どのような師僧に巡り会えるか、にあるといっても過言ではありません。何故なら如何に本人に素質があったとしても、それを磨き輝かす方法を教える師の存在なくして魂を修練するのは困難であるからです。 そのことは恵果阿闍梨と弘法大師の師弟関係からも、うかがうことができます。 阿闍梨(あじゃり、アーチャーリャ)とは、サンスクリットで「軌範」を意味し、密教では衆僧の規範となる高僧の称号で、法を正式に受け、それを弟子に授ける資格をもつ師僧のことをいいます。
さて、密教の秘法を授けられる資格というものは、長年の学習や修行を重ねても、そのまま認められるというものではありません。受ける弟子の素質と、弟子がそれまでに積んできた行の質が問題となるからです。阿闍梨は、弟子を一目見ただけで、その人が受法する資格を持つかどうかを見抜く力を備えています。そうした阿闍梨・恵果和尚の遷化(せんげ)に際し、弘法大師が全弟子を代表して撰した「碑文(ひもん)」の中で、師との出会いを弘法大師は「私は、東海の東の国から、幾多の艱難を乗り越えて恵果阿闍梨の許にやって参りました。ここまでやって来れたのは私の力ではありません。 帰ろうとするのも私の志とは言えません。 私は大きな宿命の鉤でもって招かれ、索でもって引き寄せられるように、師の許にやって来たのです」と師弟の間にめぐらされた宿縁の強さを述懐されています。
恵果阿闍梨は幾千人を数える弟子、それも、東アジア全域から集まってきていた大勢の弟子の中から最後に入門を許された弘法大師を密教の法灯を受け継ぐ継承者に選ばれました。 そして「あなたが来るのを前から私は知って待っていた。会えてよかった。 よかった。 私が受け持してきた密教を、伝えるべき人材に恵まれなかった。あなたにそれを早速授けたい」と出会って半年あまりでインド伝来の両部(胎臓法と金剛界法)の秘法を、灌頂の儀式を通じて授けたのです。 それから4ヶ月もしない内に恵果阿闍梨は逝去されました。まさに、奇跡とも言うべき師弟関係ですが、法の強い縁によって結ばれていた二人にとっては必然であったといえます。
また、密教では、人との出会いは法との出会いをも意味しています。最高の教えであるインド伝来の密教との出会いを、弘法大師は 「冒地の得難きにあらず。この法に遭うことの易からざるなり」と感激をもって述べています。つまり、恵果という阿闍梨を通じて密教の法に出会ったことに比べると、悟りを得るとか得ないとかは問題ではない、この一人の阿闍梨に出会えたことこそすべてに値する・・・・と弘法大師にして、ここまで言い切らせているのですから、いかに密教にとって師僧が大切かを如実に物語っています。
こうした師と弟子との関係は僧侶にかぎらず、どの道でも大切な出会いです。 もし、深い前世からの宿縁で出会えた師匠がいるなら、また、これから出会えたとしたら、そのことの大切さを心より噛みしめて自分が今世に生かされている意味を、もう一度強く心に受け止めて頂きたいと思います。
                                                          合 掌

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