柱の傷はおととしの   5月5日の背比べ
ちまき食べ食べ兄さんが   計ってくれた背の丈

皆さんはこの曲をご存知ですよね?そう、有名な童謡「背比べ」です。 この曲の歌詞に「柱の傷はおととしの〜」とありますよね? これは何で去年ではないのでしょうか?

とりあえず伝え聞いた話では、この曲の作詞者、海野厚さんは、 毎年5月5日に実家の静岡に帰省していたそうなのですが、 ある年、病を患って帰省できなかったそうです。 そのため、故郷で自分の帰りを待っている弟の気持ちになり、 翌年帰ることを想定して書いたからだそうです。

しかし彼はその年に結核によってなくなってしまったそうです。 当時早稲田大学の学生だったと言うことですから、俺と同い年くらいの年齢と言うことでしょうか。 この曲が作られたのは戦前のお話ですから、まだまだ結核が不治の病といわれていたころです。 そういえば同じく童謡「しゃぼん玉」も、シャボン玉を幼くしてなくした自分の子供に例えて 歌われているのだそうです。童謡も意外と奥が深いものです。

さて、子供の日の歌として有名な童謡、せいくらべも最近の音楽の教科書には載ってないそうです。 理由は「背比べ」「ちまき」等が一般的な言葉ではなくなってしまったからだそうです。 ちまきはともかく、最近の住宅事情を考えると柱に傷をつけて背比べなど、 したくてもできない家庭が多いですしね。賃貸住宅ならもちろんのこと、 高いローン払って買った我が家に傷をつけるなどもってのほかだと思っている方も多いではないでしょうか?

日本は戦後確かに物質的に豊かになりましたが、それと同時に色々と大切な物をなくしてきました。 古来からの伝統もその一つですよね。正月に凧揚げをする姿もめっきりと減りまして、 たまに見かければゲイラカイト。俺がガキの頃は親父が手先が器用だったこともありまして 和凧を作ってもらって近所の空き地で揚げていたものですが、 今ではそんな空き地すら確保するのが難しい状況ですしね。 そういった古きよき時代のものが消えていく姿は少し悲しいことかもしれません。







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