6.墓参り
我が家の南方向200メートルくらいの距離に墓地があります。
妻方のご先祖が眠っていることから、盆、彼岸には欠かさずお参りに行く場所。
いつものように、花と線香を持って墓地へ向かう。
ちょうど、墓を整理していたようで、墓石が所狭しと並べられていた時のこと。
「すごい量の石だなー」と思いながら視線を上げると
約50メートル先に6角堂のような建物が見えます。
その建物のガラス窓から1人のおじいさんの話をしているような顔が見えました。
「中で、何人かの人が話しているのかな」と思ったものの、少し気になったので妻に聞いたのです。
「あの、50メートル先にある建物はなんだ?」
「あ〜、あれ。あれは納骨堂。今、作っている墓のお骨が納められているの」
「お茶したりする場所じゃないの?」
「なにバカなこと言っているのよ。誰も入れないわよ」
不思議に思った私は、建物の所に行ってみました。
なるほど、鍵がかかっているから中には入れない。
じゃあ、窓は?と思い、見た瞬間に我が目を疑いました。
窓だと見えた物は、窓ではなく、黒い壁だったのです。
では、さっきのおじいさんは・・・・



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