104
(トシ)
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104(とし)
禁足怪談 野晒し村 104(トシ) 湧田束 三石メガネ 三塚章 竹書房文庫
「讐愕旅行」 104(トシ)
これは、私104が高等専修学校時代に体験した恐怖実話である。
今は無き母校を一言で表すなら『最悪』に尽きる。
その修学旅行でのこと。
場所は韓国。バスに乗ること数時間。人里から遠く離れた場所に、その建物は存在していた。
壁を這うように巻きつく蔦、割られたままの窓ガラス。
生徒全員が不安に思うことは二つ。建物自体が左に傾いていることと、まさかこんな場所に
寝泊りさせるつもりじゃないよなという思い。
しかし教師達は、狭い駐車場に停められた数台のトラックを指さし『各自、布団と枕を部屋に運べ』と言う。
部屋に入ると、壁に弾痕と血痕・・・・
その後、全生徒が心霊体験をして、一行は建物からバスへ逃げ帰る。
次の日の宿が決まらず、生徒はまる一日自由行動。その時にたまたま遭遇したバスガイドに真実を聴く。
そして、夜食を買いに言ったはずの店も存在しておらず、買った品物は10年前に販売停止になっている物だった。

104(とし)
霊感書店員の恐怖実話 怨結び 104(トシ) 竹書房文庫
「初めての友達」
大学に入って一番最初に仲良くなった男の名は片瀬といった。
彼は時折、ひゅぅひゅぅと喉を鳴らすことがあったし、苦しそうにすることもあった。
『大学に入ってから、どうも調子がおかしいんだよ。喘息にでもなったのかもしれない』
ある日、片瀬のアパートで遊ぶことになった。
築三十年は経過しているであろう建物から感じるものは不気味さだけだった。
結局、その日は片瀬のアパートに泊まることになった。
『おやすみ』 と言って布団に入る、睡魔がやってきた・・・・と
ぴしり、と身体に電気が走ったような感覚がしたかと思うと体が動かない。
金縛りになったが、目だけは動かせたので横を見ると、片瀬の上に女がいた。
女は片瀬の首を絞めている・・・・片瀬からは ひゅぅひゅぅ という声が漏れている。
(喘息・・・・なんかじゃなかったのか・・・・) 背筋が震えるのがわかった。
すると女は、片瀬から手を離すと、ゆっくりとこちらへ向かってきた・・・・
(やばいやばいやばい・・・・自分は殺される!)と思った時、意識が途切れ、目覚めると
明るくなっていた。
昨晩のことが現実なのか、夢なのか・・・・と考えていると、片瀬の首筋に目が留まった。
片瀬の首筋は、激しく締め付けられた後のように真っ赤になっていた。


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