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北の幽霊 合田一道 南の怨霊 友成純一 同朋舎 角川書店 「花魁淵のの怪」 札幌市豊平区の会社役員は、自家用車を運転して定山渓温泉へ向かっていた。 途中、藻南公園そばの商店で土産を求めようと車を左端に寄せて降り立ったところ 急に物凄い地吹雪が吹き抜けてあたりが見えなくなった。 と、さっと吹雪が消えて、店の裏手に延びる豊平川ほとりにぼんやり女が立っているのが 見えた。おやっ、と思ってよく見ると、女は古風な感じの丸髷を結っており、テレビドラマに 出てくる花街の女性のように見えた。 これが少年時代に聞かされた花魁の幽霊なのだろうか。慌てて車に乗り込もうとして 足元を奪われ転倒した。起き上がり、もう一度そちらを見ると、吹雪の先で女は微かに 笑みを浮かべて、おいで、おいでをしている。 『助けて』 彼は夢中で車に乗り込み、ぶっ飛ばした。 夢中になっていたせいか、ハンドル操作を誤り、車を雪の壁に深々と突っ込んでしまった。 バックしゆとしても動かない。何気なく後ろの席を見てゾッとなった。座席がしっとりと濡れていたのだ。 |
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北海道 こわいこわい物語 合田一道 幻洋社 「精液を発射させる幽霊」 ある作家とスタッフ数名がテレビ局の依頼で北海道の僻地の集落へやって来た。 集落に着くと、学校の校長先生と今夜の宿となる牧場主が歓迎の宴を開いてくれた。 作家もスタッフもベロベロに酔ったところで、今夜の宿に案内された。 牧場主は、寒い夜だったのでストーブをガンガン焚いてくれた。 作家は酔いと暖かさで眠りに落ちた・・・・ 太陽の光がまばゆいばかりの草原に美しい花が咲き乱れ、小鳥のさえずりが聞こえる 丘に立っていると、良い匂いが漂ってきた。 見れば、美しい女性が色気を発散させながらやって来る。 作家は女性の手を取り、草原をいっしょに駆けた。 ふいに女性が作家に両手を絡めると、二人は互いの唇を吸った。 そのまま花の中に倒れこむと、作家は女性の膨らみを感じながら行為に没頭していった。 朝、目覚めると、股間が濡れていた。 次々に起き出すスタッフ全員も、夢で女性といたして夢精していた。 その話を牧場主にすると・・・・ その部屋には以前、夫婦が住んでいたが夫が亡くなって妻は自殺。 その後に住んだ男性は、女性の霊に精液を搾り取られて痩せ細り 命の危険を感じて出て行ったとのことだった。 |
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北海道 幽霊の住所録 合田一道 幻洋社 「形見分けした人にたたり?」 何年か前、知人の女性が亡くなり、葬儀の後に形見分けを行った。 それから何日も経たないうちに、形見分けをされた人の5人が 奇妙な出来事に遭遇した。 投稿者自身も、車に轢かれそうになったり、体調を崩して病院通いを することになったり・・・。 それで、形見のせいじゃないかと思って、形見を焼いた。 すると、嘘のように何も起こらなくなった。 形見分けは、49日が過ぎないと、やってはいけないそう・・・ |