秋本あまん
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本当にあった超怪奇体験夏の悪夢篇 ワニ文庫
「海で見たもの」

釣り好きの石原さんは、S岬で霊に釣竿を持って行かれるという強烈な体験をした。
その後はしばらくS岬へ行かなかった石原さんだったが、夜の十一時には引き上げることに
決めて、S岬通いを再開した。
そんなある晩のことだった。
『しまった。こんな時間か・・・』
その日はなかなかの大漁で、つい夢中になり、時刻は十二時近くになっていた。
あわてて帰り支度を始めると、若い男性の二人組がやってきて、石原さんの隣で釣り支度を
始めた。
二人組は、石原さんのクーラーボックスをのぞいて、釣れてますね~ などと言っている。
『ここ、なんか変なものが出るみたいだから、早く帰ったほうがいいですよ』
石原さんは、彼らにそう言うと車の場所まで歩いて行った。
服を着替えたところで、二人組が血相を変えて走ってくるのが見えた。
『何かあったんですか?』
と彼らに聞くと・・・・
足元の海で誰かが話している声が聞こえた・・・・二人ともはっきりと声を聞いたとのこと。
もちろん、その晩は船など一艘も出ていない。
無人の海面から話し声がしていたのだ。

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本当にあった超怪奇体験恐怖夜話篇 ワニ文庫
「天袋のトランク」

ある姉弟が体験した小学生の時の話。
白血病で同居していた叔父さん(大学生)が亡くなり、家で葬式をあげた。
そして、49日を過ぎた頃、夜中のトイレで二人が叔父の霊を目撃する。
生きていた時のままの姿に、死んだことは頭でわかっていても怖くはなかった。
そして、最後に叔父の霊を見た時に
『天袋のトランク』
と叔父が言って消えた・・・・
天袋を見るとトランクがあり、中にはB5ノートに書かれた大量のマンガが出てきた。
叔父が一生懸命に書いたマンガだった。
マンガは姉弟で分けて、大切にしまってあるとのこと。
もうすぐ、姉の彼女には子供が生まれるが、生まれた子には絶対に叔父のマンガを
読ませるんだとか。


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