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| 學校奇譚 ありがとう・ぁみの だいわ文庫 「宿直奇談」 彼は、かつて中学校の教師をやっていました。 『僕が働いていたときってね、宿直ってのがあったんですよ』 男性教員がローテーションを組み、毎日必ず誰かが学校の警備のために泊まっていた。 『決まった時間になると、校内の見回りをしなくてはいけないんですよ』 だいたいは何事もなく終わるとのことだが、たまに開いていた窓を閉める程度とのこと。 『その日もね、いつも通りのコースを回っていたんですよ。校舎の三階の廊下を歩いていて ある教室を覗いたんですよ。そしたらね、教室の奥の窓、その向こうから子どもが顔を出して いるんですよ。その窓の向こうはベランダとかないんですけどね』 彼、顔を出している子どもと目があったそうです。 でも、見なかったことにして、その教室をあとにした。 その後、二度とその子を見かけることはなかったそうです。 |