朝業るみ子
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朝業るみ子

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もう二度と話せない恐怖実話 朝業るみ子 青春文庫
「座敷童子」

OLをしているスハルさんは、趣味のタロット占いが口コミで評判になり、今では
週末だけだが占い部屋のオーナーとなっている。
近所の手芸店を経営している人が、奥の部屋が空いているから、使ったら?と
言ってくれたおかげなのだが・・・。
ところがこの部屋がただの部屋ではなかった。
何かいるのだ・・・・
そんなある日、近所の花屋に勤務する女性が、人から聞いたと店にやって来た。
いつも通り、恋愛、仕事とその他の人間関係をタロットで占った。
占いが終了すると、花屋の女性はこんな話をした。
『ここにいるボクね、うちの店にも来ますよ』
彼女は、俗にいう見える人だった・・・・
ボクは見える人にはちょっかいを出すが、見えない人には何もしない。
それに、このボクが出入りする店は、皆、羽振りが良いとのこと。
『ほんとかなーって思ったけど、まあ私も何か感じていたのは確かなので、お遊びの
つもりで、部屋の入口にこんな張り紙をしたのです』
”この部屋には天使が来ます。入室の際、挨拶してから入ってください”
『ボク』が喜んだのか、占い部屋は大層繁盛していて、今、スハルさんは会社を辞めて
本業にするか迷っているという。

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誰にも言えなかった怖い話 朝業るみ子 青春文庫
「異界への扉」

ある人の実家は、山奥の旧家で曾祖母は今で言うところのシャーマンでした。
村人の問題を解決する、霊力も人格も尊敬されなければなることのできない巫女。
ある日、村の少年が行方不明になり、八方手を尽くしたが見つからずに曾祖母の元へ
相談に来た。すると、曾祖母は立ち所に少年の居場所を言い当てた。
少年は狐の柿の実を再三にわたり盗んで食べたので、狐に化かされて渋柿を
甘柿だと騙されたまま、黙々と渋柿を食べ続けていたのでした。

曾祖母曰く
狐狸の類に化かされた時は落ち着いて生の火で一服するか、狐狸に向かって
唐突な質問をすれば、返事の言葉を間違えて逃げて行くという・・・。
行けども行けども同じ道に戻って来てしまう時には、お試しあれ。

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体験した者だけが知っている恐怖の記憶 朝業るみ子 青春出版
「フジツボ」

彼女が幼少を過ごした父親の実家に住んでいた時のこと。
近所には『イッサ』という名の目の鋭い初老のおばさんが住んでいた
大人からは変わった人と言われて嫌われていたが、子供には優しかった。
子供が遊びに来ると、喜んでお菓子をくれた。
ある時、友達と二人で訪問した彼女はトマトが食べたいとイッサに言った。
トマトは隣の畑にあるというので、彼女たちは自分で採って食べると言って畑へ行った。
その際、『裏へ行ったらいかんよ』と言われたが、ダメと言われると行きたくなるのが子供。
トマトを食べながら、彼女たちは裏への道を登って行った。
しばらく行くと灯篭があって、灯篭の中にはフジツボのような物が張り付いていた。
中からは白い芋虫のような物が時々顔を出す・・・。
数日後、イッサの家の前を通ると親戚筋のミズエばあの声が聞こえた。
ミズエばあはお嫁さんと仲が悪いことが有名で、彼女の家にも愚痴をこぼしに来ていた。
彼女がイッサの家に近づくと、話の内容が断片的に聞こえてきた。
『もう言うな。あんたの恨みは十分わかった』イッサの声。
『で、いつごろになる?』ミズエばあの声。
『昨夜、お伺いをたてたら、秋ごろには・・・』イッサの声。
『あ~、秋になったら私の恨みが晴れるんだね」ミズエばあの声。
ミズエばあがイッサに何かを頼んでいて、それが秋までに終わるということらしい。
二人の会話が終わった頃を見計らい『こんばんは』と入って行った。
二人は彼女を見ると、ギョッとした顔をして
『いつから、そこに居た?』と怖い顔でミズエばあに詰問された。
さっき来たばかりというと、さっきとはいつだと怒鳴られた。
彼女が返事に窮して黙っていると
『今日、ここで会ったことは誰にも言うな』と5000円札を彼女の手に握らせた。
1週間後、ミズエばあの家のお嫁さんが亡くなった。まだ40歳の元気の良い人が。
彼女も両親に連れられ、葬儀に行った。
お嫁さんの旦那さんであるミズエばあの長男は憔悴しきった様子で
『お別れしてくれ』と言いながら白い布を取った。
お嫁さんの耳から首筋にかけて、彼女が見た『フジツボ』が張り付いていた。
『まだ瘡(できもの)が取れないんだ。医者も奇病だと言って検査している間に・・・』

ミズエばあは無表情で座っていたとのこと。

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誰にも言えなかった怖い話 朝業るみ子 青春出版
「異界への扉」
ある人の実家は、山奥の旧家で曾祖母は今で言うところのシャーマンでした。
村人の問題を解決する、霊力も人格も尊敬されなければなることのできない巫女。
ある日、村の少年が行方不明になり、八方手を尽くしたが見つからずに曾祖母の元へ
相談に来た。すると、曾祖母は立ち所に少年の居場所を言い当てた。
少年は狐の柿の実を再三にわたり盗んで食べたので、狐に化かされて渋柿を甘柿だと
騙されたまま、黙々と渋柿を食べ続けていたのでした。

曾祖母曰く
狐狸の類に化かされた時は落ち着いて生の火で一服するか、狐狸に向かって
唐突な質問をすれば、返事の言葉を間違えて逃げて行くという・・・。
行けども行けども同じ道に戻って来てしまう時には、お試しあれ。


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