林家三平 |
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林家三平の 実話怪談 林家三平 竹書房 |
「間違えた幽霊」 ある夏の夜、ボクの友人が文京区の炭団坂をひとりで歩いていた時のこと。 突然、後ろから背中を パシッ と叩かれて 『しっかりしろよ!』 男の声で言われたそうです。 振り返っても誰もいない・・・・ 炭団坂を歩いているのは自分ひとりだけだった。 確かに背中を叩かれた感触はあるし、しっかりと男の声も聞こえた。 首をかしげながら、歩き出した。 5~6歩歩いたところで 『ヨシノブ、父さんは見ているぞ!』 再度、同じ声が聞こえ、また背中を パシッ と叩かれた。 これは人違いだと解り、頭にきた彼はここぞとばかりに怒鳴り散らした。 『俺はヨシノブじゃないし、親父も生きているよ!」 その後の彼は、声を掛けられることも、背中を叩かれることもなかったそうです。 |