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樋口明雄



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樋口明雄

樋口明雄
「超」怖い物語
-壱-
屍村

樋口 明雄


竹書房文庫
「雪女」
雪山で仲間に見捨てられて死を待つばかりの
彼の前に姿を見せたのが真っ白い雪女。
雪女は、彼を助け、彼を見捨てた5人を殺すと言う。
彼が目覚めた時に聞いた話は、彼を見捨てた5人の死。
普通、雪山で亡くなる場合は安らかな死顔が多いが
5人の死顔は、何かの恐怖に襲われた直後になくなった
ような感じだという・・・


樋口明雄
「超」怖い話(∞(エンドレス))
樋口明雄

「超」怖い話
エンドレス

樋口明雄

竹書房文庫
勁文社の「超」怖い話の復刻版。

「キューピット様」
幼い二人の女の子がキューピットさんをやっていた。
10円玉が『の・ぞ・み・を・か・な・え・る』と動いたので
天国へ連れて行って、とお願いしてみた。
すると『そこ木の枝から飛べ』と10円玉が動いた。
二人は、近くの木の一番低い枝から飛び下りて
キューピットさんの元に戻ってきて『天国へ行けないよ』
と言うと『も・つ・と・た・か・く』と10円玉が動く。
いくら飛んでも天国へ行けないということで、二人は
バカバカしくなり帰宅。
家にいた母親にキューピットさんをした時の話をすると
顔面蒼白となり、二度とやるんじゃないと怒られる。

樋口明雄

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「超」怖い話0
(ゼロ)

樋口明雄

竹書房文庫
勁文社の「超」怖い話の復刻版。

「霊と格闘した話」
古式拳法を習うツワモノの彼が霊と格闘したエピソード話。
ある夜、自室で眠っていた彼は、ふと目を覚ました。
すると、体が全く動かない。
いつもの金縛りか~と思っていると、その日は何者かが彼の胸に圧し掛かってきた。
何者かと見ても、黒いもやもやした物があるだけで実体がない。
これが幽霊か・・・今までの金縛りもこいつが原因かと思うと腹が立ってきた。
『なんとか一糸報いなくては!』
彼の格闘家としての根性がメラメラと燃え出した。
まず、金縛りを解こうと体に力を入れてみるが、思うように動かない。
そこで、幽霊と同じ土俵に立てばいいわけだと気づき、精神統一で幽体を離脱させ
幽霊に襲い掛かった。
突き、蹴りで幽霊を叩きのめし、最後は絞め技まで決めた。
幽霊はほうほうの態で逃げ出し、以来、金縛りに遭っていないという・・・。


樋口明雄
「超」怖い話2
樋口明雄
「超」怖い話2
(単行本)

樋口明雄編集


ケイブンシャ
「蔵王にて」
仲間と蔵王へスキーに行った時のこと。
スキー場の手前でチェーンを付けていると
『すみません、チェーンを付けるのを手伝ってもらえませんか?』
と若いカップルに声を掛けられた。
気持ちよく手伝うと、カップルが左のチェーンを巻いてくれた。
『お先に~』カップルが先に車を出して行った。
片付けが終わり、車を発進させてしばらくするとカップルの車が見えてきた。
もう少しでカップルの車に追いつくというところで、突然にカップルの車が視界から
消えた・・・と同時に車がスピンをして崖の手前でようやく止まった。
車を降りてタイヤを見ると、カップルが巻いた左のチェーンが外れていた。
『あいつらチェーンの巻き方も知らないのか?』
その後、チェーンを巻きなおしてスキー場へたどり着いた。

2ヶ月ほど前に、彼らがスピンした場所で若いカップルが乗った車がスピンして
そのまま崖下へ転落する死亡事故があった。
そして、その転落した車の車種と色が、出会ったカップルの車と同じだったそう・・・

文庫本の 続「超」怖い話には掲載されていない話

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続「超」怖い話

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勁文社
「ライダー」
仲間のライダーが死んで数年経った時、彼の死が話題になった。
すると、外にバイクが止まる音と、ライダーブーツの重い足音が近づいてくる。
玄関をノックする音・・・続いて扉が勢い良く開いて見慣れたフルフェイス姿が現れた。
彼は、ゆっくりとフルフェイスのヘルメットを取った・・・
こには、あるはずの頭がない。
彼はヘルメットごと、首が切れて亡くなったのだった・・・

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新「超」怖い話

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勁文社
「飼っていた犬の話」
ケンという名のメス犬の話。
晩年、ケンはおしっこが出ない病気で悩まされた。
激痛を伴う病気で、家族が総出で看病に当たった。
特に看病をしたのは、中学生のお嬢さん。
ある日、彼女が犬小屋に行くと、歩けるはずのないケンがヨロヨロと出てきた。
『ケン、治ったの?』とケンを抱き止めると、そのまま逝ってしまった。
その後、彼女の体に異常が起きた。
1時間の間に大量のおしっこをしに、20~30回トイレに通った・・・
いったい体の何処に、こんなに水分があるのかと思ったほどの量だったという。
ケンが、したくても出なかったおしっこを、代わりに彼女がしてあげたのでしょうね。

樋口明雄
新「超」怖い話2
樋口明雄
新「超」怖い話2

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勁文社
「パチンコ」
パチンコ店に勤務していた時に、釘を絞めて絶対に出さないパチンコ台が
1台あった。
先輩に聞くと『死神の台だから、他の誰かが出すと怒り出す』と・・・
番号は369番台。
勤務して数ヶ月が過ぎたある日に、大学生が座った369番台がフィーバーした。

よく来る大学生だったが、それ以来姿を見ることはなかった。
次に369番台でフィーバーしたのは、隣のそば屋の店員だった。
3箱ほど出すと帰って行った。
夕方、店の前を掃除していると救急車が来た。
見ていると、先ほどの店員がグッタリした姿で、運ばれていった。
近くにいたそば屋の店主に聞くと 『そばで滑りやがった』。
空の麺入れの箱を持って、外へ運び出そうとした時に滑ってコンクリートに
頭を打ちつけたと。
結局、その店員は死んだ。外傷性脳内出血だった。

樋口明雄
新「超」怖い話3
樋口明雄
新「超」怖い話3

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勁文社
「セブンスター」
ある夜、夢を見た。
それは、彼の故郷である富山県での高校の同級生の夢だった。
二人で向かい合って話をしている夢だが、相手はタバコを3本吸っただけ
だった。
銘柄は『セブンスター』・・・・
その時、電話のベルで起こされた。
それは、故郷の友人からの電話で、たった今夢で見た相手が亡くなったと
いう知らせだった。
禁煙中で、使用していなかった灰皿を見ると、吸った後のセブンスターが
3本入っていた。

樋口明雄
新「超」怖い話5
樋口明雄
新「超」怖い話5

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勁文社
「牛乳屋のおばちゃん」
深夜、飲んで家に帰る途中で、10年ほど前に死んだ牛乳屋のおばちゃんに
声を掛けられた。
『お母さん、元気?』
そのころの母は胃潰瘍で入院中だった。
ガンの疑いもあったが、ガンではないことが判明したのもつかのま
胃の多くを摘出する大手術が数日後に控えていた。
もしかしたら、母を迎えに来た???なんてことも感じたため
『母はいたって元気です。』と応えた。
数日後、母の手術は心配をよそに大成功に終わる。
すると、先日の牛乳屋のおばちゃんがなぜ幽霊となって出てきたのが
気になった。
おばちゃんの家を尋ねると空き家なっていたが、管理している不動産屋に
頼んで屋内に入ると位牌が置き去りになっていた。

樋口明雄

樋口明雄
新「超」怖い話6

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勁文社
「ゆきおんな」
ある3人のパーティが冬山を登山していた。
雪の中、くじけそうになる気持ちを励ましあいながら
『あと少しで山小屋だ。がんばろー』
そうして、ようやくの思いで山小屋へ到着。
上がった息を整えてから、夕飯の準備、夕飯へと進む。
夕飯が終われば、昼間の疲れが一気に出て、皆、寝るだけ。
どのくらい時間が経ったのだろう、急な寒さに目が覚めた。
見ると、山小屋の戸が開け放たれ、白い霧のような物体が
中に入ってきた。
そして、天井付近にまで上昇すると、女の姿へと変わった。
それは小泉八雲の怪談に出てくる『雪女』そのもの。
すると急降下して来て、隣で寝ている先輩の顔を覗きこんだ。
次に、また上昇したかと思うと急降下して、今度は隣の
後輩の顔を覗き込んだ。
『次は自分だ』と必死で眠ろとしているうちに朝になった。
朝食時、雪女の話をするが先輩は信じてくれなかったが
後輩は雪女を見ていたと言う・・・

樋口明雄
新「超」怖い話7
樋口明雄
新「超」怖い話7

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勁文社

「妖怪二題」
その1
銀行のデータ管理部に勤務していた時にホストコンピューターの
メンテナンス作業で残業していた時のこと。
コンピュータールームの隅の方から「サラサラ、サラサラ」と音がする。
誰か居るのかと見に行くが、誰も居ない。
しばらくすると、別の場所から『サラサラ、サラサラ』・・・・
次の日、先輩にその話をすると『ああ、それはアズキ洗いだよ』
なんでも、そのアズキ洗いに遭遇した人は皆、出世しているんだとか。

その2
証券会社の顧客担当をしていた時に『株の名人』と言われた
お客の担当になった時のこと。
成り立て早々に呼び出しがあり、ある銀行株を全部売りたいとのこと。
言われるまま、支店に戻り、銀行株を売却した。
数日後、その銀行が倒産。
しばらくして『株の名人』に呼ばれてごちそうになった。
酔いも回ってきたころに
『何か秘訣があるんですか?』と聞いてみたところ
『誰にも言うなよ』と念を押された上で、床の間の掛け軸の前へ案内された。
『ここの前に知りたい株の名前を書く、すると天狗と河童の絵の余白に
痕がつく。天狗のうちわの形なら株は上がる、河童の手の水掻きの形なら
株は下がる』


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