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氷川正

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氷川正
現役鉄道員
”幽霊”報告書

氷川正

学研
都内某所の急行も停まらない小さな駅。
乗客から通報があった。
『ホームの真ん中あたりで強烈な悪臭がある』
早速行ってみると確かに臭い。
鰹節と納豆が腐ったような臭いである。
ホームの中ほどに職員用ドアがあり、その向こうには保線作業員用のプレハブ小屋がある。
異臭はそこから漂っているようだ。
そして、どこからともなく読経が聞こえてきた。
『何妙法蓮華経何妙法蓮華経・・・・』
聞きとれないほどの早口・・・・達観したような低い声・・・・
それが息継ぎの間もなくひたすら唱えられていた・・・・


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