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平谷美樹




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平谷美樹

平谷美樹
妖しい怪奇譚

平谷 美樹

ハルキホラー文庫
「花嫁の桜」
香澄さんはヘアスタイリストをしている。
6年前から市内のホテルで結婚式の仕事をするようになった。
自分の手で美しく変身した女性が愛する人のもとへ嫁いで行く、たとえ仕事でも
花嫁の感動を共有できた。
それが今では慣れてしまい、感動より効率を優先するようになっていた。
そんな時に1組のカップルが相談に来た。
年上の彼女で離婚歴があり小学生の子供がいる。男性は初婚。
二人は予算がないのでシンプルな式を希望していたが、打ち合わせを重ねると
彼女が重い病気で余命6ヶ月と宣告されていることが判明した。
話を聞いたホテルの担当者は二人に言った。
『我々の儲けなど構いません。最高の結婚式にしましょう。この世で一番幸せな
ご夫婦になってください』
その言葉通り、ホテル側は採算度外視で心のこもった素晴らしい結婚式を準備。
結婚式当日、花嫁の体調が悪いらしく、香澄さんは青白い顔をした彼女を
精一杯美しく演出した。ホテルのスタッフも懸命にサポートした。
披露宴の途中、ホテルの庭に桜の苗木を植樹するセレモニーが行われた。
花嫁は最後まで笑顔を絶やさず、参列者たちは『いい結婚式だった』と帰った。
新郎新婦とその家族はホテルのスタッフに涙ながらに感謝の言葉を述べ
スタッフも彼らとともに号泣した。
香澄さんも泣いた、この仕事を始めた頃のような感動だった。
それから2年、もう花嫁はこの世の人ではなくなってしまったが、彼女が夫と植えた
桜は他のどの苗よりも生育がよいので、毎年、可憐な花を咲かせることだろう。

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平谷美樹

霊は語りかける

平谷 美樹

ハルキホラー文庫
「ボランティアさんの話」
東日本大震災の時に瓦礫撤去のボランティアをされていた方の体験。
沿岸では宿泊できる施設がなかったことから、1時間以上の車の移動で
朝は内陸から沿岸へ、夕刻は沿岸から内陸の宿泊施設へ通っていた。
その日の作業も終わり、明日の打ち合わせをしていた時のこと。
大人が大勢いる輪の中に小学4、5年生の男の子が紛れ込んできた。
まだ、電気も来ていない暗くなる時間帯に、周りは瓦礫の山・・・・
小学生には危険すぎる場所だった。
『もう暗くなるよ。はやくおうちに帰りなさい』
ボランティアの1人が声をかけた・・・
『ぼく、もっと生きたかった・・・・』 と言いながら小学生は薄くなって消えていった。
ボランティアたちは、恐怖より悲しい気持ちになって皆で手を合わせて
冥福を祈らずにはいられなかった。

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岡本美月

平谷美樹
岡本美月
怪談実話
黄泉づくし

平谷美樹
+
岡本美月

竹書房文庫
「おみくじ」
サラリーマンのササキさんは守護霊の加護を信じている。
身の回りの出来事を守護霊からのサインと受け止め、良い知らせがあれば喜び
悪い知らせがあれば、それを回避できるように気をつける。
そうやって過ごしていた、2014年の秋のこと。
たまたま参拝した神社で、彼はおみくじを引いた。
結果は 『凶』。 『旅には出るな』 とある。
そのアドバイスを素直に受け、友人から誘われていた登山の誘いを断った。
ササキさんが行かないのならと、友人も登山計画自体を中止にした。
ふたりが行くはずだった登山の予定日は 9月27日 行き先は 御嶽山。
こうして、ササキさんと友人は、あの噴火から免れたのだった。

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平谷美樹
怪談倶楽部
 幽魂

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竹書房文庫
「検診車」
ある小学校に教師への胃部検診のための検診車が来ていた。
体験者は自分の順番になったので車に入った。
そこには、同僚の教師と隣の中学校の教師がいた。
隣の中学校の教師は確か入院をしていたはず・・・
『もう1回検査をするんです』つぶやくように中学教師は言った。
『バリウム検査は1回だけですよ』と同僚教師。
レントゲン技師は、中学教師を無視するように言われているのか全くの無視。
バリウム検査が終わると体験者は車の外に出た。
すると、先ほどの中学教師と同じ学校の教師がいたので声を掛けた。
『〇〇先生、中にいましたよ』
『え?そんなはずはない。だって今日か明日かって・・・・』
『今日か明日って?』
『胃癌なんです』
声を掛けられた教師は青ざめた顔でその場をあとにした。

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怪談倶楽部
 廃墟

平谷美樹

竹書房文庫
「ペット墓園」
怪談倶楽部の会員の方の体験。
この方はペットが大好きで、好きだからこそペットの霊を見てしまうとのこと。
この日は、仕事の打ち合わせに向かった途中でペット墓園に遭遇してしまった。
いつもなら遠回りをして避けて通るのだが、この日は打ち合わせまでの時間が
少なかったため、まむなく直進した。
薄暮から夕闇へと移り変わる時間帯、ペットの墓と思われる石碑の前には
お座りをした犬、遠くを見ている犬、猫や墓石の周りを走り回るフェレットの姿も
あった。
彼らは、飼い主を待って、待って、待って、墓石に縛り付けられてしまっている。
体験者の飼った犬は、土地が広かったので庭の隅に埋葬したことから
霊となっても寂しがることはなかったと言う・・・・・
大切な家族なら、亡くなった後も忘れないように自宅に埋葬してあげて欲しい・・・

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怪談倶楽部
 怨恨


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竹書房文庫
「クイズ番組の電話」
あるローカルテレビ局の生放送中のアナウンサーの体験。
そのアナウンサーが担当している番組は、情報バラエティで番組の最後には
クイズのコーナーがあって、正解するとスポンサーから賞品が出るというもの。
ただ、ファクス送信されてきた中から無作為に出演者を選ぶため、時には小さい
子供が回答者になることがあった。
そんな時はアナウンサーが上手に答えを導く、それも人気の秘訣だったのでしょう。
その日は8歳の女の子からの応募で電話をかけた。
電話に出たのは弟だという男の子。
「おねえちゃんはいない」との答えだが、女の子の声が度々電話口から聞こえる。
クイズの問題を出して、正解となり、賞品を送ることになった。
番組終了後、先方の母親に電話が繋がり、委細を説明すると・・・・
8歳の女の子は二ヶ月に亡くなっていた。
番組は、娘からのファクス応募用紙をくださいとの母親の要望に応えようと探したが
ファクス応募用紙が見つかることはなかったとのこと。

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百物語

平谷 美樹

ハルキホラー文庫

1冊で100話あります。
100話を数日に渡って読んだためか、私自身に不思議なことは
起こりませんでした。

「鋏女」
角川春樹事務所は出るとのこと。髪の長い女が首をしめてきたり、裁ち鋏で
滅多刺しにされる。
刺されると傷は無いが激痛が走るということ。

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百物語 第二話

平谷 美樹

ハルキホラー文庫


こちらも100話あります。
第二話も、あえて一気に読まずに数日かけて読んだためか
何も起こりませんでした。

「怒られたはなし」
前作『百物語』を作っていたときの担当編集者が体験した話。
編集者が校正をチェックしていて問題点が出たので連絡を取った。
しかし、自宅が不在だったので急ぎだったことから携帯電話に電話をした。
電話をすると留守電になったのでメッセージを吹き込もうと用意したとき
 『うるせぇ!馬鹿ッ!』・・・・
携帯電話の持ち主のいたずらではないのは言うまでもありません。

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百物語 第三話

平谷 美樹

ハルキホラー文庫
こちらは106話あるようです。

「葬儀屋さんの話 ドア」
ある方が葬儀屋に就職して間もない頃に、誰もいない事務所の自動ドアが
開くのを目撃して不思議に思う・・・。
それから数ヶ月経つと、それがどういうことか解りかけてきたある日
先輩といっしょに、誰もいない自動ドアが開くを目撃した。
先輩曰く『葬儀が入るよ』・・・『やっぱり』

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百物語 第四話

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ハルキホラー文庫
こちらも100話あり。

「お墓の形」
墓石を扱う商売をしている方が、注文の墓石を隣町へ立てに行った時のこと。
近くに奇妙な形の墓石を見つけた。
通常の墓石を斜めに切り落としたような形の墓石で新しくはない。
いっしょに作業をしていた地元の石屋の方に聞いたら・・・
『あの家は、代々刃物で切られて亡くなっている人が多い』

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百物語 第五話

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ハルキホラー文庫

こちらも100話あります。

「扉を叩く者」
ある方が自衛隊員だった時に、大きな事故が起きて多数の死者が出た。
その町の小学校の体育館が遺体安置所となり、調査の後
それぞれの遺族へ引き取られて行った。
撤収作業に追われている中で、体育館の扉が勝手に開くという話が
出たために、いっそ鍵をしめてしまえと数人の隊員が体育館へ向かった。
体育館内には誰もないことを確認して、鍵をかけた・・・その途端
内側から激しく扉を叩く音がガンガンをしてきたのです。
中にいた人を見逃して鍵をかけてしまったと思い、急いで扉を開けたが
体育館の中には誰もいなかったとのこと。

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百物語 第六話

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ハルキホラー文庫

「霊」の存在を感じても見えない時は・・・犬の行動で判断するという話。
見えれば、崩れた姿か、綺麗な姿か、睨んだり怒っていたり
笑っていたりで危険度を判断できるが、見えない時は犬の判断に頼る。
霊の存在を感じているのに、犬が吠えない、そのまま居る場合は
害がない。
逆に、吠える、移動する場合は害のある霊だと判断して、早々に
立ち去る。
参考にどうぞ

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百物語 第七夜

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ハルキ・ホラー文庫
「走る子供」
ある方が中学3年の時の体験。
友人と自転車で学校からの帰り道、目の前の脇道から子供が
飛び出してきた。
小学3年生くらいの男の子で、坊主頭で白いシャツに半ズボンを
はいていた。
やがて、その男の子は近所では1番の旧家へと入って行った。

翌朝、昨晩に男の子が入って行った旧家のおばあさんが来て
うちの祖母と話しているのが聞こえた。
『もうじき、うちの孫の○回忌になります。よろしくお願いします』
そうだ、あの家には男の子がいたが、川で溺れて死んだんだと
思い出した。
自分の命日に自宅に帰ってきたんだと思うと切ない気持ちになった
とのこと。

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百物語 第八夜

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ハルキ・ホラー文庫
「写真」
ある男性が本社の指示で、勤務する工場の現場を写真に撮った。
『至急』ということだがデジタルカメラではなく、普通のフィルムカメラで撮り
ネガとプリントを送れというもの。
早速、現像に出して、退社時に受け取った。
家に帰り、夕飯を食べながら写真の確認をしていた。
妻が横から覗き込んで・・・・
『これ、何?』
職場の簡単な説明をした。
『そうじゃなくて・・・・』
機械と床の隙間に、逆さまになった男の子の顔が写っていた。
白い顔は、どう見ても生きている人間の顔じゃない。
『どうするの?』
『至急ってことだから、写真を撮りなおす時間もない。このまま
明朝、宅配便で送るよ』
という訳で、彼の会社の本社資料には心霊写真が入っている。

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百物語 第九夜

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ハルキ・ホラー文庫
「林の親子」
ある方の中学生の時の体験。
初夏のころに林間学校があり、県の施設に行った。
屋外のコテージに泊まり、夜はキャンプファイヤーという設定だった。
夕飯を終え、ようやファイヤーサークルに火が点けられた。
周囲は林で囲まれている。
ふと見ると、林の暗がりの中に人がいる・・・
親子連れと思える二人連れ。
その方向を見ながら話していると他のクラスの連中も寄ってきた。
『二人連れが立っているよな』
中には、子供に手を振る女子までいた。
その時、担任の教師に『集合』と言われ、親子連れのことは忘れた。
翌朝、トイレに行った。
その帰りに親子連れが立っていた場所を見に行くことにした。
林に近づくと柵があり、その先は崖になっていた。
親子連れは、、空中に浮いていたのだった。

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百物語 第十夜

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ハルキ・ホラー文庫
「父の香り」
体験者の結婚式のこと。
雛壇の新婦の席に座っていると甘い香りが漂ってきた。
彼女は、はっとして周囲を見回した。
1年前に亡くなった彼女の父が吸っていたパイプの香りなのだ。
アロマティック煙草と言って、バニラの香料を添加したものを時に好んで
吸っていたという。
周りにパイプを吸っている人はいないし、バニラ系のデザートも出ていない。
彼女の母も香りに気がついた様で、目頭を押さえている。
この煙の香りをあんなに毛嫌いしていたのに、今はとても懐かしい・・・
『おとうさん』


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