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病院の怪
いわたみどり
学研 |
「おにーちゃんの足、ちょーだい」
軽い消化器系の病気で入院した男性が、夢に出る少女に
『おにーちゃんの足、ちょーだい』と言われたので
『両足は困るから、片方の足だったらいいよ』と答えた。
もちろん、夢の中で・・・
翌日、階段から落ちて、左足を骨折してしまった。
その夜、またもや少女が夢の中に現れて
『おにーちゃん、ありがとう。約束守ってくれて』と言った。
急に目覚めると、骨折した足が異様に痛い。
医師を呼ぶと、単純骨折だったはずの足が粉砕骨折を起こしており
足が腫れて2倍に膨れあがっていた。
結局、左足は切断した。
「呪いか、それとも偶然か?グシャリと握り潰された心臓の怪」
心筋梗塞の発作で運ばれてきた患者の手術を行うため胸を開くと
そこには、手で握られたとしか思えない変形した心臓があった。
バイパス手術が成功したにも関わらず、患者は死亡。
その後、死因解明のための解剖をしてみると、またも心臓が握られた
形に潰れていた・・・。 |